秘境の村からこんにちは
- 執筆者 村上 健太
- 所 属一般社団法人逞しい未来
2020/11/09
どうもこんにちはこんばんは、そしておはようございます。村上健太といいます。「けんた」と覚えてもらえると嬉しいです。
あっちにぶつかり、こっちにつまずき、不細工に生きてきて40年。人生の放浪の末にたどり着いたこの村で、今日も元気に生きてます。(詳しい自己紹介はこちらから)
今回は初めましてということで、この村のこと、僕のプロジェクトのことを紹介したいと思います!
僕が住むこの村は、宮崎県の椎葉村(しいば・そん)。九州中央山地のほぼど真ん中に位置し、日本三大秘境と言われる山深い村です。
森林率は96%で、人口は2,500人。ただし人口密度は1キロ平方メートル当たり5人で、日本一密度が高い東京都豊島区と比べると、約4,800分の1。人よりも鹿の方がずっと多い、そんな村です。
日本三大秘境の由来は定かではありませんが、日本最古の循環型農法とされる「焼畑」が今でも伝承されていたり、他所の水が飲めなくなるほど美味しい超軟水がこんこんと湧き出ていたり、祭りと言えば(神輿ではなく)神楽だったりするのが僕の目から見た特徴です。
険しい山と気さくな人柄から、現地を知る友人には「日本のブータンのよう」と言われたことも。飛び抜けて目立つものは無いけれど、都会の人が”いなか”と聞いてイメージするものはだいたいそろっている。
山の幸が豊富で、自然の恵みを生きる糧に変える知恵と技を備える村の人たちは「何もない村だ」と言うものの、実際には「”余計なものは” 何もない」ポテンシャルの高い村なのです。
そんな椎葉村にやってきたのが4年前。それまで15年以上に渡って住み慣れていた東京を飛び出して、より自由な暮らしを求めてやってきた僕は、風来坊な経歴を活かして、移住コーディネーターの仕事をしていました。
空き家を探して、淡路島ほどもある広い村内を回っていたときに出会ったのがこの「ひえつきの里キャンプ場」でした。
壮大な開発計画の中で先行して建設されたものの計画自体が頓挫し、取り残されたキャンプ場。歴代の管理人の奮闘も虚しく、徐々に客足は途絶え、ほとんど見捨てられていたこの施設を、このまま潰すのはもったいないと首を突っ込んだのが2年前。建築図面も何もない中で、事務所を構えて実地調査からコツコツと始めて、ようやく未来図が描けるようになってきました。
たった1人の無謀な挑戦は、役場の方々を始め、心ある皆さんの協力に支えられて、なんとかスタートラインに立てるようになった。
そんな矢先に降り掛かってきたのが、オリンピックすら延期に追い込んだ、コロナ禍というまさかのパンデミックでした。。。
よーいどん!、で走り始める前にコケたような格好にはなりましたが、まだまだ諦めてはいません。
このキャンプ場をリノベーションして、新たな仕事を作り出す。これから確実にやってくる新世界に向けて「あたらしいふつう」を実践し、提案していく。そして何よりも、この秘境の村で繰り広げる、たくましさを身につけるための小さな大冒険の拠点にしていく。そんな願いを込めて「BASE CAMP Shiiba」と新しく命名したこの施設。これからどんな展開を見せていくのか、どうぞお楽しみに!