2021年ビワは「表」。植栽の表裏に翻弄されるの巻
今治に引っ越してきてあっという間に1年が経った。
今日は1年前には話題にならなかったビワの話。
「今年は表(おもて)だね~」
庭のビワの木を眺めながら、そんな会話をお義母さんとしていた。
表とは、表年(おもてどし)のことで、果樹が良く生る年のこと。その反対は裏年(うらどし)。表年と裏年は毎年交互に現れる。
ちゃんと検証したことはないけど、お義父さんやお義母さんに聞くと、去年はぜんぜん採れなかったとか、その前はたくさん採れたとか、しっかり記憶されている。
こと庭の果樹については楽しみの1つなので、おそらくこの記憶は間違っていないと思う。
今年ビワが豊作なのは、うちに限ったことではなく、近所中のビワがたわわに実っている。ビワの木同士が申し合わせたかのように、ほとんどが豊作のようだ。不思議。
表年の悩みとは、「食べきれない」ことである。近所におすそ分け~とはいかないところが悩ましい。どこもビワビワビワ。
贅沢な悩みなのかもしれないが、食べきれない量のビワの木をみて少なからず罪悪感を覚える。ああこれを腐らせるのはもったいない。
とりあえずバケツいっぱいにビワ取ってきて、そのまま食べる。今年のビワは甘味もしっかりのっていておいしい。
ビワは種の割合が大きいので、実だけだと意外とたくさん食べられる。がしかしそれも限界がある。ビワの木を植えてないご近所さんに電話してほしい人には取りに来てもらう。それでもビワはまだまだいっぱい。
台所のテーブルには常にビワが鎮座しておりプレッシャーすら感じる。
それならばと、ビワの保存食に着手。コンポートなんぞ作ってみた。
ビワの皮をキレイに剥ぎ、縦に切って中の種と、実の内側についている白い皮を取り除く。なるべくきれいな半月型にしたいけど、上下のヘタを取るのに苦戦。きれいにできるとプチ達成感が得られる。
手仕事をするときは、気持ちに余裕がないとなぁと思う反面、手仕事をすることで余裕があるような錯覚にもなる。
ビワの下処理ができたらすぐに塩水につけて、変色するのを防ぐ。鍋にビワと、水500ml、砂糖70g、はちみつ大さじ1、レモン汁ひと絞り入れて沸騰させて、弱火で5分煮たら完成。
初挑戦だったが、おもいつきの割には簡単にできてなんだか気分も上がる。
気分よくなってさらにビワゼリーにしてみた。容器の外側にはキレイな形のビワを、内側には刻んだビワを入れてみた。
これは、インスタ映えするやつじゃないか?
なんて自画自賛しながらできたビワゼリー、果物大好き5歳・1歳児共にぺろりと完食。これでビワへの罪悪感が少し緩和された。
こんな時だけカラスにもっと食べてもらいたいと思うのは勝手かなぁ。
さて今年はビワ以外の作物はすべて「表」なのか?
我が家の場合、ビワ以外には、桑の実が「表」だった。が4月最盛期だったタケノコについては「裏」だった。
これはほんの一部。裏でも結構な量のタケノコが採れる。タケノコは去年大量に取れたらしい。しかし一昨年はもっと採れたらしい。
「表→表→裏」と、毎年交互にくるはずのルールが適応されないこともあるようだ。それは竹林をきちんと手入れしており、無駄な竹を伐採していることも「表」の回数が増える要因だと言っていた。
手入れのし様で、量だけじゃなく質の良いものができるという。果樹の手入れ方法も学んでいきたいなぁと、食べ物に関心が高い(単なる食いしん坊の)私は思う。
予想だとタケノコは来年「表」。
お義父さんはタケノコを市場に出荷しており、3月~4月の最盛期にはタケノコ堀りと出荷作業で大忙しになる。たくさん採れてうれしい反面、商品として出荷できないタケノコはもちろん家庭用になる訳で、ここでもタケノコに悩まされる日々がまっている。
“タケノコ 大量消費 レシピ”など検索して、なんとか飽きないように努力する。
タケノコのあく抜きがうまくできない私は、タケノコ料理はもっぱらお義母さん頼みだが、適量をこえ採れすぎる作物に悩まされる日々は続く。
植栽の表裏に翻弄されながらも、自然の法則に感謝をわすれず、また来るであろう表年に備えようと思う。