歳時記 季節のてしごと ~竹水(神水)とり~
- 執筆者 井上知美
- 所 属むぎ青空プロジェクト
2021/06/25
田舎暮らしは、ほんと毎日やることが尽きなくて、忙しくも楽しく活動中の日々。忙しさは充実の証でもある。
住みたいと思っていた古民家での暮らし
土に触れる生活
動物との暮らし
色々試行錯誤して、毎日が実験のような。時間の速さは年齢が上がるたびに早く感じる、というのもあるけれど、ほんとに時間が経つのが早い。
ここに暮らし初めて、より敏感になった四季の移り変わり。一昨日河原に行くと、ネムノキの花が2つほど咲いていました。昔地元の人に聞いたら、ここではネムノキが咲き始めたら大豆を撒く合図らしい。
動物の動きや植物の成長、月の満ち欠けで野菜の種まき、植え付け、剪定など、気づかなければ流れてしまうことも気にするようになったことで、見える景色や発見がある。もうそんな季節かぁ。
ネムノキの花
最近はやりたいなと思いつつ出来でいなかった放棄竹林の活用にやっと着手し始めて、今年の春は仕事でもタケノコ堀体験やメンマづくりを始めました。
土壌改良剤としてのポーラス炭も、整備で切った竹の有効活用としてボランティアの人と一緒に量産中。今は土中環境改善(水脈整備)と畑に使っています。
竹林については、今年1年かけて整備して、利活用を構築していきます。
そして、今年は年に1度だけ竹からとれる「神水」も採取してみました!
この「神水」は、旧暦5月5日にだけ竹からとる水のこと。竹(植物)は春になると成長の為に、地下茎から栄養を含んだ水を吸い上げると言われています。
竹が幹の中に竹水を溜め込む期間は20日間程度しかないことから、一定の時期にしかとることができない貴重な水とされているのです。そして、この20日間ほどしか取れない中の、1日だけとれる水が「神水」と呼ばれます。
なので、非常に栄養価(アミノ酸や糖分が豊富)があって、お肌にもいいので化粧水になっていたり、作物にあげると生育が良くなるそう。
いつも忘れてしまって、時期を逃してしまうのだけど、今回はできた!
取り方は簡単。今年伸びた竹を3mほどのところでカットして、ビニールをガムテープで止める。
古い竹でも水が取れたりはしますが、若い竹の方が吸い上げる力も強くて、翌日たまった水(=神水)を採取する。という流れ。
今年の旧暦5月5日は、6月14日。さっそく実行してみました。
梯子に上って竹を切って、ビニール袋をぐるぐる。
切ってる間にも節の間からぽちゃぽちゃ音がする! 水の流れがある場所に生えている竹を狙って設置。
翌日・・・ 溜まってたー!
節の真上で切ったほうが、不純物のない綺麗な竹水が取れるようです。ちょっと濁ってしまった水は、作物の水やりに。
切っていない下の節にも水が溜まっているので、節に切れ目を入れて採取していったら量も結構とれました。
さっそく濾して息子と味見。
「・・・うーん。まずくないけど、竹の香りがするね。・・・まずくないけど(息子)」
匂いは甘い、だけど甘いわけではなくて竹の香りがほんのりする感じ。最初は青臭さが少し残ったけど、冷蔵庫で2日ほど置くと少しまろやかになっていました。
化粧水として販売しているところもあるようですね。とりあえずそれも試して塗ってみたけど、なんとなく程度にしかわからないので、継続してみよう。
何か利用できないかなーと考え中。何か保存食でも仕込めるかな。
ちなみに栄養は豊富なので、少しずつヤギや鶏さんにもあげました。これでつやつやの卵が産んでくれるかな?
みんな健康になりますように~