イタリアと日本の “田舎暮らしの違い” って何?!
- 執筆者 田村佐和子
- 所 属B&B gnamognamo
2023/04/21
初めまして。イタリアで半自給自足の田舎暮らしを始めて9年が経ちました。イタリア在住の佐和子です。
フィレンツェ県の北側、自然豊かなムジェッロ地区の森の中、ロバと山羊、犬と猫、ニワトリなど計19の動物と、イタリア人の夫と暮らしています。
今回は、私が感じたイタリアと日本の“田舎暮らしの違い”を、お話してみたいと思います。
動物たちが暮らす丘で自由に走り回るロバのジュリオ
ご近所さんはインターナショナル?!
自然豊かなムジェッロ地区は、少し町から離れると家の敷地がとても広く、セカンドハウスとして週末や休暇時期に滞在する為の家が多く、常に住んでいる私たちのご近所さんは3km先。普段はとても静かに過ごしています。
一方、近くにある2軒の家は休暇の家で、1軒はスコットランド人のご家族。もう1軒はドイツとアメリカのカップル。そして私は日本人。
陸続きのヨーロッパ、森の中のご近所さんはインターナショナルです。
ご近所さんは山の向こう側
野生のオオカミが生存する?!
日本では絶滅してしまった生態系ピラミッドの頂点に位置する野生動物オオカミが、イタリアには生存します。
イノシシやシカなど野生動物の捕食をはじめ、ムジェッロ地区に多く所在する牧場では、多くの被害が聞かれます。
一番近い牧場は3km先。ついでに立ち寄ったとでも言わんばかりに、私たちの山羊や羊も被害に遭いました。オオカミが人間に姿を見せることは殆どありません。
「ここに住むのは怖くないですか?」
そう聞かれることがよくありますが、オオカミの方が先に私たちの姿を見つけて遠ざかりますので、怖くありませんよ。
オオカミが残した野生動物の骨を森から持って帰ってきた大型犬アルトゥ
トスカーナパンは 小麦味だけ?!
トスカーナ州の内陸地では塩が大変貴重だった為、主食のパンには塩分が含まれません。
今でも残る古い店舗には「タバコと塩あります」と書かれた古い看板が残っています。
保存が効かないトスカーナパン。各家庭では、毎日焼き立てのパンを購入し食べます。
田舎暮らしの森で主食のパンは、家で焼いています。
小麦と水を発酵させた天然酵母リエヴィトマードレでパンを焼くための小麦は、輸入産ではなく地物を使います。
天然酵母リエヴィトマードレで焼いた自家製トスカーナパン
来伊当初、日本のしっかり味のついたパンに慣れていた私は、初めて無塩のトスカーナパンを食べたとき
「味がない・・・」
と、とても衝撃を受けたことを思い出します。
慣れると外はガリッと香ばしく、中はしっとりと柔らかく、噛めば噛むほど小麦の香りが広がり食欲を誘います。
他の州とは違い、生ハムや郷土料理は、少し塩味が強いのです。
昔はこうして少しのおかずでパンをたくさん食べ、空腹を満たしていたのだそうですよ。
ここは地域の人々が復活させた水車小屋。昔は水のある町には、古代小麦やとうもろこし・栗などを挽く石臼挽きの水車小屋が点在していました。
以上が私が感じたイタリアと日本の“田舎暮らしの違い”でした。
今後もイタリアでの田舎暮らしを紹介したいと思っています。日本と違う!と感じることがあれば、ぜひ教えてください。