田舎暮らしの春の楽しみ「きのこ狩り」
- 執筆者 田村佐和子
- 所 属B&B gnamognamo
2023/05/23
5月になっても肌寒い日が続く、フィレンツェはムジェッロ地区。この辺りで春のきのこといえば「プルニョーリ」
3~4㎝の小さいきのこです
標高500mの森で収穫される野生のきのこ。とても希少で、ほとんど市場には出回らず地元でも食べられるトラットリアはほとんどありません。
動物たちの住む丘は、標高540m。丘を下って行くと、多少場所が動きますが「フンガイア」という、毎年きのこが生える場所が数カ所あります。
この緑の中で小さなきのこを見つけます
春の森は、戦の舞台?!
柵で囲まれた私有地ではあるのですが、このプルニョーリを楽しみにしている知らないおじさんが無断で入ってくるので、毎年気温や湿度などを見て、きのこ狩りおじさんたちと見えない戦いが始まります。
立ち入り禁止や私有地の看板を設置してある森の入り口
きのこ狩りをする人は 自分だけのフンガイアを持っていて、誰にも言わない秘密の場所ですよ。
さて、肌寒い今年の春は、きのこの成長がゆっくり。私のフンガイアでは、プルニョーリが育っているでしょうか。
プルニョーリは、ヨ−ロッパのきのこの王様「ポルチーニ」に負けず劣らず香り高く、森を歩いていると香りに誘われて見つけることができます。
籠にたくさん収穫した初物のプルニョーリ
収穫したてのきのこを味わう
最初に味わう私達の定番のひと皿は、手打ちパスタ!地鶏の卵で、パスタを打ちます。
イタリアでは、ソ−スに合うパスタの種類を選びます。
プルニョーリのラグーには、日本でも知られている平麺パスタ「タリアテッレ」よりもさらに細い「タリオリ−ニ」を合わせます。
麺棒で伸ばして、お蕎麦みたいに包丁で切ります
茹でたタリオリ−ニにプルニョーリのラグーを合わせたら、新鮮だからこそできる香り高い生のプルニョーリスライスを仕上げにかけます。
「初物は西向いて笑え!」
幼い頃、よく父に言われたものです。イタリアへ来て知ったことですが
「東向いて笑え!」
の地域もあるそうです。
田舎暮らしだからこそ味わえる贅沢な春の味覚。
その後、カリッと焼いた自家製パンにラグーを乗せた「ブルスケッタ」や、とろっと仕上げた「リゾット」ときのこ狩りは5月下旬まで続きます。