サンジョヴァンニ 昔からあるイタリアの素敵な言い伝え。
- 執筆者 田村佐和子
- 所 属
2023/08/08
イタリア田舎暮らし渋滞時間
車で出掛けてすぐに、おや、混んでいる・・・そう思ったときは、だいたい近所の牧場の羊が道路を挟んだ向こう側へ移動しています。
午前は向こう側の広い牧草地へ行き、暑い午後は牧場内の厩舎へ帰ります。何台か連なって待っていますが、クラクションを鳴らす人は、誰もいません。
前後周辺を数匹の大きな牧羊犬が見守っています。
アンチョビを仕込む
内陸のフィレンツェですが、時折新鮮なカタクチイワシが入ってきます。その時を狙って、アンチョビのオイル漬けをする為の塩漬けを仕込みます。
頭と内蔵を取り綺麗に洗って、水分を拭き取ります。
1kgのカタクチイワシ
仕込み方は簡単です。カタクチイワシと同重量の塩を重ねていくだけ。
塩はイタリア産の粗塩です。
パスタを茹でるときに使ったり、フォカッチャを焼く前に上に乗せたりするのに利用します
塩を全てに被せたら完成。
約2ヶ月冷暗所へ。それからオイル漬けにします。
塩漬けもいろんな料理に使います。バーニャカウダ、パスタソース、じゃがいもやリコッタチーズとの相性も良いです。
ヨハネの聖水
アンチョビを仕込んでいるときに、あ!っと声が出ました。
6月はサンジョヴァンニの日(6月24日)があるのですが、うっかり忘れてしまうところを前日に思い出すという奇跡(笑)
「イタリアでは6月23日の晩、”洗礼者ヨハネの夜” と言われ1年で一番植物のエネルギーが活発になる日なのよ”」
数年前 友人に教えてもらい毎年作っている ”ヨハネの聖水”
サンジョヴァンニの花と呼ばれるIPERICO(セイヨウオトギリソウ)を中心に、庭や森に咲く野花を山の湧き水に浸して月のエネルギーを浴びさせ、ムーンウォーターで聖水を作ります。
満月じゃなくても、曇空でもエネルギーは降りてきますよ。
セイヨウオトギリソウは、火傷や炎症虫かぶれなどに良い効能がある薬草です。
セイヨウオトギリソウの他にカモミール、レースフラワー、春菊の花、ラベンダー、薔薇、すみれ、ゼニアオイなどなどその時に見つかる花を使います。
山の湧き水も使いました。
翌朝、冷たく花の香り立つその水で顔や手を洗うと、甘い、スッキリとした花の香りに包まれます。
夫婦と犬2匹、猫2匹も顔を洗いました。
水を使ったあとの花は、ドライフラワーにします
植物や月のエネルギーにあやかれると言う、昔からあるイタリアの素敵な言い伝えです。ちなみに、サンジョヴァンニはフィレンツェの守護聖人です。
サンジョヴァンニの夜フィレンツェでは、花火が上がります。歴史地区のドゥオモをバックにした花火は、圧巻です。