船コミュニティ

2014/11/07

顔の写真
執筆者 村上将司
所 属九島地区地域づくり協議会

 

 宇和島市九島の村上です。今回は島民にとって切っても切り離せない「九島フェリー」について。

 九島は宇和島市内の新内港からフェリーで15分。市内からすぐそこ。多くの人は漁業や農業をやってますが、毎日フェリーに乗って勤めに出ている人も結構います。小学校までしかない九島では、中学生・高校生はもちろん毎日「船通」。島内で買い物できるのはJAのスーパーだけ、医療機関も診療所だけなので買い物や通院でもみんな乗ります。

 

九島フェリー

第八くしま 1日9往復 大人片道390円~。

 

 第八くしま 通勤通学

7:15発の便でみんな通勤・通学。

 

船と老人クラブ

たまにめっちゃ乗ってる時があります。こん時は宇和島市内で老人クラブの会があったみたい。

 

 フェリーに乗っているこの「15分」っていう時間が結構大切な時間だったりするんですよね。フェリーはバスや電車と違ってかなり広くスペースがありイスや座敷もあって各々自由なポジションにつくことができ、そこでそれぞれが思い思いの時間を過ごしています。

 高校生たちはこの時間に宿題や予習をやったり、英単語覚えたり、貴重な睡眠をとったり、髪を整えたり。(私は貴重な睡眠をとっていました☆) おばちゃんたちは世間話でワイワイ盛り上がったり。子供たちは船内を走り回って追いかけっこしたり。じいちゃんばあちゃんたちは久しぶりに会ってお互いの体の心配をしたり。

 

船とおばちゃん

おばちゃん達はいつものポジションでいつもの仲間でワイワイと。

 

船と学生

部活帰りの学生もワイワイと。

 

 そんな私は、毎日子どもと一緒に「船通」してます。この「15分」の間に昨日の幼稚園の話だったり、今日の海の色の話をしたり、船の種類の話をしたり、クラゲの数を数えたり、とっても貴重な時間になっています。

 

My船

毎日船に乗って通勤&通園。この日はウチのMy船でしたが。

 

愛媛新聞

新聞にも載せてもらいました☆

 

 あと、私の嫁さんもほぼ毎日フェリーで仕事に通ってるんですが、九島のみんなの温かさに触れる時がありました。

 フェリーが定期ドックに入った時は代船として小さい船に替わります。船が小さいので座れるスペースは少し。嫁さんは下の子(1歳6ヵ月)を連れて船に乗ってるんですが、必ず席を譲ってくれてたそうです。行きも帰りも必ず。立ってくれる人もおれば、ギュギュッと詰めてくれる人も。結局ドックの1週間のあいだは毎回座らせてくれたそうです。

 

 宇和島市内に出るには自分の船で行く以外、必ずフェリーに乗らなければなりません。毎日顔を合わせ、子どもの成長を見てもらい、子どもも知った顔のおばちゃんに懐き、ほんとにのんびりゆったりした「15分」が流れています。

 平成27年度末には架橋が完成しますが、車やバスや自転車などの交通手段が九島に新たに加わります。フェリーに乗っているこの「15分」が無くなってしまうのは大変さびしいことで、橋が架かったけんコミュニティが薄れたとなってしまうのも残念です。

 

船コミュニティに替わる「集い語らう場」を作っていきたいと思います!

 

船と子ども

 

FacebookTwitterLine