春の風物詩、小女子漁!!
2015/05/13
- 執筆者 鈴木陽子
- 所 属一般社団法人 ピースボート災害ボランティアセンター
こんにちは。宮城県石巻市のピースボート災害ボランティアセンターで、7日間からの漁村留学【イマ、ココ プロジェクト。】を担当している林陽子です。
石巻では3~4月と言えばわかめ!ですが、実はもう一つ風物詩があるんです。それが小女子。コウナゴと読みます。これがとれたばかりの小女子。透き通っていてとってもキレイです。
小女子という呼び名はイカナゴの別名だそうで、石巻では3月半ばから5月半ばくらいまで漁がおこなわれます。この小女子漁、夕方出航して翌日の朝早くに帰ってくるというハードスケジュールな上に、沖での作業なので波(酔い)との戦いということもあり、素人にはかなりキツいことで有名なのですが、
「女の子は無理だっちゃ~~」
と言われると挑戦したくなるもので。昨年一晩だけ乗せてもらったのです。その時の写真がコチラ↓↓
夕方日が沈み始めた頃に出航。
その時間帯になるとあちこちの浜から船が出発する。
漁場について、暗くなったらいよいよスタート!
船の上からすっごく明るいライトで海を照らすと、光に誘われて小女子たちが海面近くまで集まってきます。上の写真の明るい光は隣の船のライトです。かなり離れてますが、眩しいくらい光ってます。
私が乗せてもらった船も、大きな網を海の中に広げたら満を持して照明オン!!すると、暗い海の中からひょろひょろと小さな生き物たちが上に上がってきます。
この日は大漁だったので、ライトをつけて10秒くらいでもうこんなに集まってきました!
(ライトの反射の白と小女子の白がわかりづらくてすみません…もうこの時すでに酔い始めていたもので…汗)
もっとたくさん集まってきたら、広げておいた網を機械で一気に手前まで引き寄せて、寄せ集められた小女子たちを、手持ちの網ですくいあげていきます。あげられた小女子は市場に持っていくまで氷で冷やして鮮度を保つのですが、その氷の入れ具合ひとつで、変色してしまうなど値段にも大きな差が出るそうです。一度網をあげたら、場所を変えながら何度も網を広げたりあげたり。そうやって、漁師さんたちが夜通し頑張ってとったものだと思うと、余計にいとおしく見えて来ます。
そんな小女子を、先日佃煮とスープにしていただきました♪
佃煮を作るにはまず、天日干しをします。網戸を使うのは浜流?
そしてカラカラになったら醤油や酒、みりんなどと一緒に煮詰めていきます。この日はテレビで「旭山動物園」の映画がやっていたので、それを観ながらのんびりとストーブの上で煮詰めました♪
じっくり煮詰めるときれいな黄金色に。
完成品がコチラ☆
え?黄金色というより茶色に見える?
……はい。わたくしびびって、黄金色になったあとさらに味を足しちゃいました…。
でも、ちょっと味は濃いけどご飯が進みます!笑
それから小女子と卵のスープ。
こちらは天日干しせず、そのままスープにしました。その日の朝にとれたものをその日の朝ごはんでいただくなんて、なんて贅沢!こんな生活ができるのは、漁業の町ならではです。これからもこの生活を大切に味わっていこうと、改めて思った朝でした。
それでは最後におまけの写真を何枚か。一枚目はこちら。
下は、この写真を撮った時期の標準サイズの小女子。上がジャンボ小女子。下のヤツはちっちゃいヘビみたいで可愛くないですか?
それからこちらは、ヤマタノオロチ的なヤツ。
乾燥させるときにくっついちゃっただけなんですけどね。笑
そして私の一番のお気に入り写真がこちら。
わかりますか?一匹だけ、違う魚が混じってるんです。そしてそのきれいな色!無色透明な小女子たちの中でキラキラ輝くエメラルドグリーン。時々こうやって違う魚が入ってるんですよね。なんだか、絵本の「スイミー」を彷彿とさせます。
さて、5月に入って小女子漁はそろそろ終わりになりますが、今度は昆布漁が最盛期です。ウニも沢山とれ始める時期ですね♪旬のものを旬な時期に、だけじゃなく、どうせなら市場に出回る前の段階からかかわってみませんか?7日間からの漁村留学【イマ、ココ プロジェクト。】では、みなさんからのお申し込みをお待ちしています♪♪