帰ってきた赤線調査隊2015!「斜面とのデッドヒート!」
2015/05/27
上勝町に移住し無事5年目に突入しました、26歳の悩める子羊、粟飯原(あいはら)です。
最近、「NASAより宇宙に近い町工場~僕らのロケットが飛んだ~」(著:植松努 出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本を読み、「人間ひとりひとりが自分にできることを増やしていけばそれが世界平和につながる」というメッセージに感銘を受け、僕は今チャレンジ精神に溢れています。本当にいい本なので、ぜひみなさんも一度読んでみてくださいね!
チャレンジャー粟飯原がまず始めに手をつけたのは畑。昨年5月に上勝町内の畑を借り受け、facebookにて「屯田兵はじめました♪」とか調子乗って書いたはいいものの、ちょっと草刈ってそのまま放置したままジャングルのようになっていた畑。
そのことを思い出し、「このままじゃいかん!田舎に住んでいるのに野菜のひとつも作れないなんて嫌だ!」と、畑を見に行ってみると幸運にも雪でいったん草が枯れてしまっており、比較的手をつけやすい状態になっていました。「このチャンスを逃してなるものか!」と、もう一度草を刈りなおし、土を起こし、肥料を入れて、畝を作って、ようやくこのほど念願のなすびの苗を植えることができました!
気を抜かないように毎日水をやり、少しずつ他の作物も作っていきたいと思います。畑仲間もたくさんいるので心強いです。無事なすびができた暁には、こちらのいなかマガジンでも報告させて頂きます。
そして、畑の次に動き出したのはここ一年のマイブーム「赤線調査隊」!そう、今回の記事のテーマは「赤線調査隊」です!前回まで5回連続で掲載させて頂いた揚句にまた「赤線調査隊」です(笑)「もういいよ」と読者の方からも、いなかパイプさんからも言われてしまいそうですが、鈍感を装って書いていきたいと思います。
赤線。それは男のロマン。(※もちろん女性も大歓迎です)
古の知恵と努力が刻まれた遺産。
平たく言うと、昔の歩きみちです。車道ができる前、集落と集落や家と仕事場の行き来に使われていた土道です。現在は使われていないことがほとんどですが、昔の人の生活に思いを馳せながら歩くとなんとも言えない味があります。また、普段通っている道(車道)と違うので、道を抜けると思わぬところに出るなど、探検気分も楽しめます。
今回は杉地(すぎじ)~田野々(たんの)ルートを行きました。赤線マニアの私がかねてから攻めたいと思っていたお楽しみルート。知ってる人にしか伝わらないのが歯がゆいのですが、「えっ!こっからここがそんなにサクッと歩いて行けちゃうの!?」ルート(のはず)なのです。
ちなみに地図上で見るとこんな感じです。下手クソな編集で申し訳ありません
本来、車で行くと青色の道をグルッと回っていかなければならないのですが、赤線を通るとヒョイ。すごくないですか!? ちなみにスタートからゴールまで車で車道を通って行くと20分くらい。歩いたことないですが、同じ道を歩きで行くと2時間くらいでしょうか。
今回の調査にあたって、事前にスタート地点である杉地集落の方にお話を伺ってきました。実際に赤線の途中まで案内してもらい、当日のイメージが湧きました。その方のお話によると、昔赤線を頻繁に行き来していた時には1時間くらいで田野々に抜けられたとのこと。なんと今の車道の半分(の所要時間)!これはますます血が騒ぎます。
迎えた当日、天気は小雨でしたが、町内外から7人の上勝マニアたちが集いました。物好きにも程があります。
さて先日杉地の方に案内して頂いた道を行こう…
「あそこがスタートです。」
「無理やろ!」
当然ツッコまれました。でも昨年秋、6日間の死闘を生き抜いた赤線ファイターにはこんな試練は屁でもないのです!
無事、赤線に突入。
そしていきなりまた難所!
(※一人服装がおかしな人がいますが気にしないでください)
道が崩れてしまっていて今にもずり落ちてしまいそうです。
写真で見るとアレですが、実際は結構コワイです。
地名が「杉地」だけあってなんせ杉が多い。
手入れが追い付かず倒木だらけになっていましたが、かすかに残る道の跡。
どんどん歩こう歩こう。
スタートから30分ほどで難なく尾根まで辿り着きました。ここまでは事前に案内して頂いたルート。ここから先の下り道は僕たちにとっては未知の道。そしてとてつもない難所が僕たちを待ち受けていました。
(※一人服装がおかしな人がいますが気にしないでください)
伝わるでしょうか?ものっっっスゴイ斜面なんです。本来道があるべき場所が完全に崩れてしまっており、きれ~になくなってしまっていました。前進するのを躊躇してしまうほどの斜面、そして果たしてその先にちゃんと道は続いているのか?という煩悩を振り払い、木の根にしがみつきながら進むとそこにはちゃんと赤線がありました。あぁ、ありがとう昔の人。
その後の道はこれといった難所もなく、みんなで楽しみながら歩いていきました。
おっと油断は禁物!
(※一人服装がおかしな人がいますが気にしないでください)
杉林の間に滝を発見。
そしてスタートから一時間ほど歩いたところで道の向こうに集落が見えた!
しかも見覚えのある建物がある!田野々だ!
この瞬間の感激はヤミツキになります。
くぅ~!これだからやめられないんだなぁ!
そこからしかし歩けど歩けどなかなか道が抜けない…
ようやく道の向こうにガードレールらしきものが見えてきました。
一体どこに出るんだろう…?
抜けた先はやはり田野々集落の中でした。少し早めに抜けてしまったので、しばらく車道を歩いて下りる羽目になりましたが、まぁまぁひとまず目的達成です!所要時間は約2時間半。想定していた倍以上の時間がかかってしまいました。まぁ途中難所もあったしね。
今度はこちらの田野々方面から赤線に突入し、今回のルートを逆走することでより検証を進めていく必要がありそうです。
どうです?赤線調査、おもしろそうでしょ?歩きながら思いましたが、これってある程度上勝町のことを知らないと感動が伝わらないのかな?って。でも今回参加してくれた町外メンバーはみんな楽しんでくれていたように思います。山登りでもハイキングでもない、やはりかつて使われていた道を今あえて辿るというところに魅力があるのではないかと思います。
赤線は上勝町だけにあるわけではありません。全国にまだ魅力的な道がたくさん残っていると思います。道を調べる中で、集落の方から思いがけず昔の貴重なお話を教えて頂けるかもしれません。こういった活動を通じて僕はより一層町に愛着が湧いてくるような気がします。
さぁ、みなさんもレッツ!赤線!
一緒に行きましょう!