地域おこし協力隊 山へ

2015/12/14

 

 今年も気が付けば12月ですね。春からカヌーインストラクターの養成講習を受けたり、夏にラフティングガイドを手伝ったり、網投げを教えてもらって鮎を獲ったりした事とか、海に釣りに行ったり大阪から船を持ってきたというようなお話はこれまでのいなかマガジンでも書いてきました。

 自分が移住してきた四万十町には清流四万十川が流れ、太平洋に面した海もありますが、実際は町の面積のほとんどが山です。四万十町のホームページで確認してみますと、林野が87.1%を占めていると書いてあります。特に十和の紹介では「総面積の約9割を山林が占めています。」という一文が見られます。実際に周りを見渡せばどっちを向いても山が見えるし山の上に登ってみても見渡す限り山が連なって見えます。山はたくさんあるけれど、十和に信号機は全くありません。そんな快適な十和が大好きな石田です。

 

 この、たくさんの山がある四万十町で年間に約10haの間伐作業を行ったり、四万十町各地での環境美化運動に取り組んでいる団体があり、その団体で活動されている知り合いから誘われて少しだけ山にも関わることになりました。

 自分が主に参加しているのは、道の駅四万十とおわさんの対岸に見えている「ご成婚の森」という場所の整備や植樹等です。このご成婚の森は旧十和村だった頃の1993年に皇太子さまのご結婚を記念して整備された森だということです。実は自分が結婚したのも皇太子さまと同じく1993年だったということもあり、このご成婚の森はずっと大事に守っていきたいという想いが強いので、ここでの活動には積極的に参加させてもらおうと思っています。

 

四万十町 ご成婚の森

 

 ただ、自分は山師になろうとか、林業で生活しようとかいう目的で協力隊になったわけではなくて、チェーンソーも扱えませんし、何より山で作業する経験も基礎体力も持ち合わせておりません。一緒に作業している山のベテラン達が、チェーンソーを使って大木をバッキバキと倒していく様子を見て圧倒されっぱなしです。

  細い木をノコギリで切り倒したりしていても、自分が切っている木の種類が何かも判っていません。そんな素人の自分に山のベテラン達はいろいろと教えてくれます。倒した木は適当な大きさに切って、等高線と平行に並べていくこと。できれば切り株に引っ掛かるようにすると滑り落ちることも無いし、岩が転がってきたときはその木に引っ掛かって止まるから安全なのだということも学びました。実際に作業中にポケットからお茶のペットボトルが落ちて、そのまま斜面を転がっていったのですが、途中の倒木に引っ掛かって止まったということがありました。

 

四万十町 ご成婚の森

 

  このような作業の中には地元の小中学生が参加する環境教育・森林作業体験というのも含まれていて、年に何度か児童・生徒と一緒に除伐や植樹をすることがあります。子供の数が減って寂しくなってきているけれど、山に解き放たれた子供達はとにかく元気です。滑るー!怖―い!とか言いながらもどんどん山を登って行きます。植樹された苗木にはその木を植えた子供のネームプレートが付けられていて、成長を見守っていけるようになっています。みんなが植えているのは、紅葉とか銀杏とか秋に色付く木なので、大きくなれば対岸の道の駅からもどれが自分の植えた木か判断できるかもしれませんね。

 

 四万十町 ご成婚の森

 

 先日、小学生と一緒に銀杏を植えました。作業自体はそんなに難しくなく、少し時間が余ったので子供達は元気に山の上の方まで登って行って大声で「ヤッホー!ヤッホー!」と叫んでいました。あの声は対岸の道の駅に居た人にも聞こえていたはずなので、聞いた人は何事かと思ったでしょうね。

 1枚目にアップしている写真は、道の駅から見たご成婚の森なのですが、2年前の12月に撮影したものになります。この写真を撮った少し前に道路から川側の木を伐採して見通しが良くなりました。そこで現れた山へと続く階段に初めて気づいたのです。そしてここに御成婚の森があるということも初めて知りました。冬なので葉っぱは落ちて枯れた色になっていますが山全体に木が生えていますね。

 2年後の12月2日に撮影したのが最後の写真です。今年はあまり寒くならずにまだ緑色が残っているものの、中央の木がかなり減っているのが判るでしょうか?この一見禿山に見える斜面にたくさんの苗木が植えられています。きれいな山になるのは何年後かわかりませんけど楽しみです。

 

 

 四万十町 ご成婚の森

 

 

 

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