田舎のお仕事事情

2016/08/10

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執筆者 川村かおり
所 属有限会社 西岡酒造店

 

 気が付いたら夏真っ盛りになってて、夏にやろうと思ってたことまだ始められてない!と焦っています、川村です。こんにちは。毎日暑いですね。暑いの大好きだけど。この前田植えしてるなーって思ってた田んぼの稲も、いつのまにかすごく伸びてて、もうすぐ秋かーとか。

 

田んぼ

 

 そしたらもう蔵が始まっちゃうじゃん、何もできてないじゃん!蔵仕事のない今のうちにやろうと思ってたこと、あったのに。いえ、この夏は甘酒講座の講師養成コースを受けようかと思っていたのですが、もうすでに夏だし。 全然予定たってない(泣。とりあえず来週東京行って、発酵協会へいろいろ相談してこようかなぁと思っています。

 というか、なぜこんなに予定どおり進んでいないかといいますと。マジで毎日ハードなわけでして。蔵は蔵で季節の酒が何種類かあり、その出荷、次の用意、そして出荷と次から次から続く中、経営しているコンビニエンスストアも人手が足らずヘルプで入り。週末の休みもカヌーの練習やコンビニのヘルプ。田舎ってお仕事あるのに、どうして人がいないのかなーという感じです。

 

 

移住してきても仕事があるかどうか

 

 仕事はいろいろあるんだけど、なんていうか、正社員として安定した一つの仕事、決まった仕事っていうのは、都会の人が思うものとこっちにあるもののズレの問題かなと。田舎にきたのだから田舎らしい仕事、たとえば農業とか、そんなのだったらはっきりあります!っていったら移住者を確保できるのかな。

 コンビニの仕事なんて都会にはたくさんあるし、そんなこと今更・・・と思うのもわかります。小さなスーパーのレジの仕事でほんの数時間だけっていうのもたくさんあるし、農家のちょっとしたアルバイトだと、そんなレジよりも時給は安くてしかも期間限定だったりするし、となると「安定」とは程遠い。

 

 しかーし、現実、田舎に実際きちゃうと、仕事ってちっちゃいのをチョコチョコやっているうちに、長いスパンの「安定」あるものがふいに見つかってくるんですよね。これ、もし東京でバリバリ仕事している人にとっては、なんか今までのキャリアを生かせないんじゃ?っていう悔しさ?プライド?があって、それが許せないって気持ちもわかります。私も最初はそうだったし。

 だけど、どんなことでもお仕事はお仕事って思って一生懸命やっていると、それはそれで楽しくなってくるし、自分の気持ちも楽になる。パソコン使いこなせる、英語が話せる、会社の事務系のことなら一通りできる、などの能力って、今までの仕事とまったく違う分野でも、ふいにそれまでのキャリアが役立つことって出てきます。すると周囲の人が「え?そんなこともできるの?」って思わぬ方向に道ができることがある。これ、不思議だけどホントにそうだなーって思いました。

 こういう話は田舎に限ってではなくて、都会だってどこでだってきっとそうなのだろうと思うけど、やらなければいけないことを一生懸命することが、その人をどんどん先へ先へ進ませるんだと思う。

 

 だからもし、家族がいて、だからこそ養うために安定した仕事があるなら、自然豊かな田舎に子供のためにも移住したいって思う人は、どうぞ思い切って来てみて、いろんな仕事をかけもちしながらやっているうち、ちゃんと道が開けてくるとお約束します。ただ、それを旦那さんや奥さんも理解して協力してくれる、支えてくれるっていうことが条件になってきますけど。独り身だったらもうちょっと気が楽ですかね?

 

 あとは、人づきあい。わずらわしいこともそりゃあ、あります。でもお互いさまと思えるか。自分だけじゃないし、そういうこともある程度楽しんでやれるかどうか。

  田舎にだって面倒な人って正直います。 近所でも評判のクレーマーとか(笑。 だけど、それほどトラブルにならずに適度な距離を保って、上手に人づきあいしています。 人間関係スキルは、田舎のほうが養われるかなって思います。

 どうしてそう思うかっていうと、変にネットでのつきあいがないからかなぁ。ネットってなんか、非難を始めるとどんどんエスカレートするし、簡単に人を小ばかにできる気がします。

 

 田舎の人だってもちろん携帯とかもってるし、ラインとかもあるけど、基本あって話すほうが早くて楽って思ってる人、割と多いと思います。 老若男女。「私、ひきこもりでゲーマーなのフフフ」って言いながら、ちゃんと仕事はしてて、同僚とは普通に人づきあいできる人もいっぱいいるし。お酒飲めないから飲み会には一回も顔をださないけれど、それ以外ではちゃんと挨拶もできてつきあいができるなら、それはそれでいいと思うし、飲めないこと、会に出てこないことをいちいち誰も問題にはせず、それはその人を尊重しているってことで非難はしない。出ない人もそれを変に気にしたりしないし、無理をしないから、ストレスになるほどの人間関係を築いたりもしない。

  つまり、人づきあいが上手な人は、田舎だろうと都会だろうと、どこでだって上手にやっていけるけど、そのスキルを磨くには田舎のほうがいいか、都会でもできるか、といったら、個性を尊重してくれやすいのは田舎なのかなーと思ったりもします。

 仕事ありますよ。都会の人からみたらめっちゃ単純でちっちゃい仕事がいっぱいで、ガツンと稼げるとかないし安定もしてないふうだけど。

 

 そして仕事を探す術は、とにかく人づきあいしてみること。 周囲の人に「仕事ないかなー」って言えばよくて。住むところも、今は役場に移住者窓口相談所みたいなのもあるし。

 何年か前に地域活性の仕事で知り合った徳島だったかな?の集落で、そこは移住希望者がけっこう多いところだったのだけど、必ず移住する前に集落の人と面接をするというのがありました。うちの町では面接なんてないけれども、町の誰かと、とりあえずこのマガジンを見て心が動いたなら、私とか、いなかパイプ通してだけど、町の人を紹介しますし、できれば足を運んでもらって町の様子とか見てもらいたいなーと思います。

 

 友達がポケモンGOやってコウモリのポケモンゲットして家に帰ったら、部屋に本物のコウモリがいたりとか、道あるいてたらキジのつがいが付近に住み着いてて、ふいに草むらから顔出してるの見つけて、これ、ポケモンちゃうかと思ったりとかほんと、田舎ってけっこう楽しいので住んでみてほしいなぁと思います。

 

 

 

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