井仁の棚田にカフェをつくろう

2017/03/09

 

 寒波が来て、広島県の山間部にある「井仁の棚田」にも雪が降り、綺麗な雪景色が見れました。あと何度か雪が降れば、春が来るので、待ち遠しいです。

 

井仁の棚田

 

 私が地域おこし協力隊になって、約1年7か月が経ち、任期終了まで半分となりました。協力隊となって、井仁の棚田で様々な活動をしてきましたが、定住に直接繋がる活動ではなかったので、定住に向けた活動もしたいがどうすれば良いのだろうかと悩んでいました。

 

 井仁の棚田には、全国的にも問題となっていることのひとつ、空き家の問題があります。現在、集落には家屋が35軒ほどありますが、そのうち15軒ほどが空き家となっています。今、住んでいる地域の人たちも空き家をなんとかしたいとの想いがありますが、「お盆や正月に帰ってくるから」、「仏壇や物が置いているから」、「将来、退職して帰ってくる予定がある」等の理由で、空き家の活用が難しい状況。

 井仁の棚田は、日本の棚田百選としての知名度もあり、観光に来られる方がいますが、立ち寄れる場所がないので、空き家を活用して飲食や宿泊ができるような場所ができれば良いのになと思っていました。

 

 そんな、もやもやした現状の中、昨年の3月ごろ、ある空き家の持ち主が家を処分したいとの話が浮上。空き家の交渉を進めることになりました。今まで持ち主に、空き家について軽く触れることはあっても、地域一丸となって交渉をするということはなかったので、井仁にとって大きな一歩になりました。

 しかし、民家を活用したゲストハウスや地域に根付いたカフェに視察に行ったり、どのような活用するか検討したり、計画を進めていましたが、半年にわたる交渉はうまくいきませんでした。

 

半年にわたる交渉

 

 私としては、もし空き家の交渉がうまくいき、そこで何かしらの生業ができれば…との夢が膨らみましたが、その思いもむなしく萎みかけていた時に、新たな知らせが舞い込んできました。ある土地の持ち主が土地を売りたいと井仁を訪れ、地域の人に相談したそうです。(家屋が建っていましたが、今は更地の土地でした)

 空き家を活用することがベストですが、老朽化が進んでいる空き家の改修は費用がかかるし、売りたいと考えている土地は棚田の見晴らしが良く、すぐにでも使えそうな状態である場所…「このタイミングを逃したら、もうチャンスがないかも!」ということで、地域で一丸となって新たな拠点(カフェ)を建てることになりました! (空き家の交渉中にも、「改修に膨大な費用がかかるなら、土地はあるんだし、新しく建てたほうが早いよ」との話が度々、出ていました)

 

 新たな計画がスタートしたのが昨年の10月ごろでしたが、それまでにも、建設にどのくらいの費用がかかって、どこの費用を削れるか、どのような形で運営していくのか事業計画や収支計画を作り、構想の段階で3か月程度を要しました。大まかな建設までの目処が立ち、1月に地域の方に、事業の内容を説明し、2月から建設がスタートしました!

 

建設がスタート

 

 建設前には、瓦礫を撤去し、地鎮祭を行いました。もともと、地鎮祭を行う予定はなかったのですが、ある話し合いの場で、「地鎮祭は…?」とポロっと言ってみたら、地域の皆も「そりゃやってみたら、話題にもなるし、おもしろいかもなー!」と意外とあっさり、行うことに。井仁の自治会長は、お寺のお坊さんでもあるので、仏式で行うことになり、雪かきや準備、設営など全部、自分たちで行いました。

 私は人生で初めて起工式に立ち合いましたが、気が引き締まるというか、地域、業者、役場も含めて改めて一致団結したような気がしましたし、井仁らしさがあって、やって良かったと思いました。

 

起工式

 

 ここまで、カフェ建設に至るまでの流れをお話ししましたが、施設の概要としては、10坪程度のこじんまりとした感じで、自治会で施設を所有し、私がそこの運営をしていく形となります。現在もカフェをオープンするための準備を進めており、今年の9月にオープンできたらと思っております!

 

 大きなプロジェクトであるので、プレッシャーをひしひしと感じておりますが、カフェの計画を公表してから、井仁を知っている方々から応援のメッセージをいただき、大変励みになっております!

 地域の方々も、一緒に取り組んでくれたり、応援してくれて、感謝しっぱなしですが、中にはカフェがどんな感じになるのか伝えきれてない部分もあって、不安に思われている方もいます。準備を進めていく中で、どのような場所にしていきたいのか、地域の人にも伝えていこうと思います。

 これからオープンに向けて、どんどん形になっていく井仁棚田カフェをよろしくお願いします!

 

オープンに向けて

 

オープンに向けて

 

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