柳川暮らしが楽しすぎて困ります ~あべべ協力隊卒業式の巻~
2017/05/01
- 執筆者 阿部昭彦
- 所 属NPO KATARO PROJECT
福岡県の最南部、佐賀県と熊本県に挟まれ、有明海に面した柳川市からこんにちは。地域おこし人アベアキヒコです。
柳川市地域おこし協力隊、最近では「NPO団体KATARO PROJECT」の代表(と言ってもメンバーは私一人)としても活動しています。
地域おこし協力隊として2014年7月1日から柳川市に来て2年と9ヶ月が経ち、2017年3月末日をもって、協力隊を卒業することになりました。
やはり3月と言えば卒業式ですね。学生だったら学校がやってくれますが、私の場合は?? 誰かに期待しても無駄なので、自分で企画しました。笑
式次第から卒業証書まですべて自作自演の「あべべ協力隊卒業式」。世の中けっこう広いけど、こんなことする人はあまりいないですよね。人がしないことをするのって本当に気持ちがいい! この辺りが「柳川のヘンタイ」と呼ばれる所以でしょうか。
こんな自己満足型の卒業式だし、3月は年度末でみんな忙しいから、あまり友達も集まらないだろうな、10人来てくれればいいほうかな、なんて思っていたのですが、当日はなんと30名を超す人々が、柳川のKATARO base 32に集まってくれました。どうしてみんな、そんなにオレのことが好きなんだ?!
第1部は、これまでの協力隊活動をみんなの前で報告しました。題して「あべべの協力隊1004days」。今だからこそ話せる内容もたっぷり。
実は、協力隊として勤務を始めて1ヶ月で辞めようと思ったなんて、今まで誰にも話したことありません。パワポ資料を作っていて、あらためて自分のロードマップを振り返ると、壁にぶつかってもがきながら、それでもけっこういろいろがんばっていたな。グッジョブ@オレ。
第2部は、ナビゲーターの古川氏(地域サポート人アドバイザー)から質問をしてもらって、それに自分が答えるというトークショー。事前に質問を聞いていないから、どんなものが来るのか戦々恐々。果たして会場のみんながドン引きしないようにうまく答えられるだろうか。
しかし、そんな心配は無用でした。古川さんのナビが絶妙で、「なぜ柳川を選んだの?」「柳川ってどんなまち?」という鉄板な質問から「なぜその髪型か」「この国について思うこと」など、答えに悩むものまで多岐にわたっていて、会場のみなさんも飽きずに聞いていただけたようでした。
第3部では、会場のみなさんから一言をいただきました。聞いていてかゆくなってしまうような「うれしはずかしコメント」もいただきましたが、けっこう手厳しいご指摘もあったりして、笑いの絶えないコーナーでした。
私は「これは時間の無駄だ」って思ったらさっさと次のことをやるタイプなのですが、そこを「すぐに切り捨て過ぎる」とおりをいただいたり(笑)。
協力隊の任期がたった3年なので、その中で結果を出すには、こちらを向いている人だけを相手にするしかないというのは私の勝手な言い訳で、いわゆる地方と言われるところでは、ゆっくり時間を使いながら人を巻き込んでいく必要があるということをあらためて教えていただきました。
また、行政や地域との関係の中でいろいろと愚痴をこぼしてきた相手からは「今日の会の雰囲気を見たら、あべべ、柳川のことをちょっと悪く言いすぎだよ」なんてズバッと一刀両断にされました。
確かに自分の思うペースで物事が運ばなかったり、保守的な考え方の壁に当たったときに、つい悪く言ってしまいましたが、それは自分の根回しや配慮が足りていないということでもあったのだなと、あらためて反省しました。
うれしいコメントも分不相応なほどたくさんいただきましたが、その中でも「否定しない大人に初めて出会った」と言っていただいたのは、胸にズンと響きました。普通だったら「それはちょっと無理だね」と言われそうなことでも、「それ、いいよね。で、こうやったらもっとうまくできるんじゃないかな」と声をかけていたのだそうです。
自分でははっきりと意識していたわけではないけど、いろいろなところで言っている「イエスアンド」が自分でできていたのは、我がことながら誉めてあげたいな。別のところでも「阿部さんといると元気がもらえる」と言っていただけたのも、きっと同じようなことなのだろうね。
協力隊の最初から見ていてくれた人からは「最初のころはどこか不安そうだったけれど、今は堂々と楽しそうに活動をしている」とコメントをもらいました。自分のパワポの資料に「うつ状態のアムロ」の絵を使ったのだけれど、ちょうどあんな感じだったと。おいおい、最初のころのオレ大丈夫か?
これはきっとKATARO base 32ができたことが大きな理由。地域のみなさんの居場所作りと称して立ち上げたコラボレーションスペースKATARO base 32だけれど、実は他でもない自分の居場所になっていたんですね。
思えばKATARO base 32を立ち上げるという目的で仲間ができて、そうやって生まれたKATARO base 32がまた人を呼んでくれて仲間が増えている。私にとっても、みんなにとってもかけがえのない出会いの場であるKATARO base 32。
これからもずっとみんなの「かたる(=仲間に入る、一緒にやる)」場として、柳川に新しい楽しさを創り出してくれることでしょう。
私の協力隊3年間は、七転び八起きの日々。専門家でもないのにまちづくり活動に手を出して、まわりの皆さんにご迷惑をかけ続けてきたけれど、なんとか卒業までこぎつけることができたのは、素敵な仲間たちのおかげです。
本当に感謝しています。みんな、愛しているよ!!
地域おこし人アベアキヒコ
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