竹 たけ タケ TAKE
- 執筆者 小林恵子
- 所 属えん(縁)もたけ(竹)なわ
2017/07/18
岡山市の赤西です。私は、~えん(縁)もたけ(竹)なわ~と称し、竹藪を活かして認知症の人の「居場所」と「出番」と「役割」作りに取り組んでいます。
これまでお百姓であった祖母たちが、足腰が弱り、農業ができなくなり、これまで自分たちで守ってきた山が荒れ、管理が行き届かない、いわゆる放置竹林が増え広がりました。
祖母たちが認知症となり、それまで抱えていた悩みを一気に吐き出すように何度も何度も放置竹林のことを嘆くようになりました。放置竹林は、生態系の破壊をもたらし、深刻な社会問題であることを学びます。約六年前のことです。私は、恥ずかしながら、森のこと、放置竹林のこと、知らないことばかりでした。
人の手によって森は守られてきたこと、代々守ってきたこと。高度経済成長によって、若い人は町に働きにでるようになり、森の守り手が減ったこと。
結果、生命力の強い竹は広がり続け、管理の行き届かない竹藪、いわゆる「放置竹林」が広がり続けてきたこと。知らないことばかりでした。
いろんな植物、動物、虫、微生物がいて森の循環が守られていました。森に竹が広がり、生態系が破壊されている。虫や動物の餌がなくなり、そのためイノシシが民家のほうまで山から降りてくるようになる。祖母たちが憂うるのも、もっともだと思いました。
祖母たちが、そんなに「竹」「竹」言うのなら、生かしていこう!!!!と取り組んでおります。
4月23日は、「西川ぬく森アナザーガーデン」という森にまつわるマーケットに出店をさせていただきました。
岡山市北区にある、岡山駅から歩いてほど近い西川添いに、西川緑道公園という公園があり、そこで定期的に行われている、森にまつわるマーケットです。
森にちなんだマーケットであります。苔、クロモジの製品、木工製品、カレー、ジビエのキッシュ、パスタ、猪汁、川魚の炭焼き、ジビエの串焼きなどのお店が軒を連ねます。
燃料は、電気やガスは使わず、薪や国産の炭となっています。魚は川魚、お肉はジビエと限定をされています。
ワークショップもあります。森の恵みを存分に感じられるマーケットとなっています。
そこで出会った、素敵なかたがたをご紹介をさせていただけましたら幸いです。
岡山県北から、「テラリウム」を出品されている方がおられました。ビンの中に、可愛らしい苔たちがおります。
山のお仕事をされており、その時に、さまざまな苔が山にはあることに気づかれ、苔のことを調べるようになられたとのことです。調べるうち、苔の魅力を感じられるようになり、苔を楽しむ出店をされています。
苔は遠い存在でありましたが、よくよく見ると、葡萄畑に行く道中などに、見覚えが・・。よくよく考えると、いろんな種類の苔が地をはっていました。
普段、ぼんやり葡萄畑や竹やぶの道を歩いておりましたので、まったく気付きませんでしたが、よくよく思い出すと、たくさんの苔が生えておりました!!
苔玉は大好きなのに、普段の山の中では、まったくノーマークの苔でありました。灯台元暗しとはこのことです。
地元にふんだんにありすぎる竹の魅力に気付けたが6年前。足元にあるものの魅力には気付きにくいことに気付かされます。
苔の生態などのお話を伺ううちに、どんどん苔が魅力的に思えるようになりました。私も瓶に入れて育ててみよう。次回、山に行くのが本当に楽しみになりました。
私のお隣のブースでしたのが、同じく岡山県北の真庭市からの「Rin*en」さんです。
地元にある、クロモジという木から、アクセサリーを作っていらっしゃいます。デザインも素敵です。
クロモジは、よい薫りがいたします。クロモジを使って、お茶や、エッセンシャルオイル、クロモジウオーターなどを作ってもおられます。
地元にある自然素材を工夫しながら、おしゃれに、さまざまに活用をされているお二人から学ばせていただきました!!!
私は、焼きタケノコを出させていただきました。
水湯でしたタケノコを塩麹に漬け、オリーブオイルをまぶし炭火で焼いていきました。炭の香りも風味となり、好評でありました。
燻製のようになったタケノコもあり、ビールと合うお味でしたが、出店中で、飲めないのが残念でありました!
今回も、祖母の磨く「竹ビーズ」のアクセサリー作りのワークショップもさせていただきました。
竹は、切り落としただけだと、とげがのこり、怪我の原因にもなります。怪我をしないよう、磨くことが、90歳の祖母の「出番」と「役割」になっております。
喜んでいただけることが喜びとなっております。
素敵なアクセサリーが完成いたしました!!
友人も手伝ってくれ、姪が絵を描いてくれ、書道の先生に書をお願いをし、竹製品を作ってくれるお仲間も徐々に増え、参加されている方がたとのご縁も深まり・・。
まさしく、竹を通して、えん(縁)もたけなわな一日でした。なにより、「美味しい森の恵み」に、心身を癒されました。
~今後の、ぬく森アナザーガーデンの予定です~
夏 8月27日(日)
秋 11月26日(日)
冬 1月28日(日)
ぜひ、お越しをお待ちしております!!
さまざまのご縁を広げて深めてくれる「竹」との出会いのころの話です。竹について学ぼう!!と、6年前に竹細工教室に通い始めました。
家にある竹藪の竹の種類をお伝えをすると、
「孟宗竹やなあ。竹ひごにするにはむずかしいなあ。お箸とかはいいかもしれませんけど」
のようなことを言われました。頑丈なので、青竹踏みや、お箸などにはよい竹だそうです。
どの竹でも竹ひごにならないことにびっくりでした。竹ひごには、「真竹」という竹がよいことを教えていただきました。
なぜなら、真竹は竹の繊維がまっすぐであるが、孟宗竹は、繊維がまっすぐではなく、竹ひごにするのに、力がいるとのことです。
京都から地元に帰り、地元の竹細工同好会のお世話になるようになりました。先生から、「孟宗竹は、食べてください」といわれました。孟宗竹は、食べると美味しい竹です。
竹の皮を使いたく、竹の先生におたずねするも、孟宗竹は、皮はごつく、毛が生えているので、使いづらいとのこと。真竹の皮は、おにぎりを包んだりするのにも使いやすいとのことでした。
竹の種類も知らず、竹は竹と思っていた私には、びっくりでした。
それぞれの使い方があります。現在私が使っている竹は、
黒竹(くろちく)
もともと黒い竹です。
きれいなので、先の細いところで、「はたき」や「竹ビーズ」などを作っています。
女竹(めだけ)
細いので、畑のえんどうなどの柄にしたりしています。
竹笛を作ったりします。竹ひごにも使えるそうです。
淡竹(はちく)
他のタケノコより時期が少し遅く、タケノコも美味しくいただけます。竹が白くあります。
竹ひごにもできます。かごやかばんにもなります。
竹に用法があること、知らないことばかりでしたが、地元に何種類もの竹があること、自然の恵みに感謝をしております。
ウィキペディアで竹のことを調べてみました。
「タケは気候が温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多い。ササは寒冷地にも自生する。タケ・ササの分布は北は樺太から南はオーストラリアの北部、西はインド亜大陸からヒマラヤ地域、またはアフリカ中部にも及ぶ。北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカの大部分には見られない。
乾燥が十分なされたものは硬さと柔軟さを備えており、さまざまな素材として利用される。その繊維を利用して紙も作られている。竹酢液や竹炭としても利用されるほか、飼料、建材、工芸材料などとしても用いられている。前述した放置竹林の問題においても、これらの素材としての活用を求め、様々な研究、試行錯誤が行われている。」
とあります。
地元に竹がふんだんにあることに感謝をし、これからも竹に親しんでまいります。竹を通して、おばばさまたちの「出番」や「役割」をどんどん作り、人も自然も元気になりますよう取り組んでまいります!!
今回の、マーケットの売り上げで、祖母と日本三大名園の後楽園に行く予定にしています。90歳の祖母も、自分で稼いだお金で後楽園に行けることは、大きな張り合いになっております。
なんとなんと、後楽園は、「竹」の公園といわれています。日本三大名園の兼六園は「松」、偕楽園は、「梅」。日本三大名園は、「松竹梅」そろっております。
これからも、「竹三昧」を楽しんでまいります。長文をお読みいただき、ありがとうございます。
ますます、たけだけ(竹竹)しい日々でありますよう。これからも、どうぞご指導をよろしくお願いいたします。
~えん(縁)もたけ(竹)なわ~
赤西 恵子