柳川暮らしが楽しすぎて困ります ~あべべ失敗の背景の巻2~

2017/08/22

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執筆者 阿部昭彦
所 属NPO KATARO PROJECT

 福岡県の最南部、佐賀県と熊本県に挟まれ、有明海に面した柳川市からこんにちは。地域おこし人アベアキヒコです。元柳川市地域おこし協力隊、最近では「NPO団体KATARO PROJECT」の代表(と言ってもメンバーは私一人)としても活動しています。

 

有明海に面した柳川市

 

柳川市

 

 前回「あべべ失敗の背景の巻①」として、自分の恥をさらしてきましたが、懲りずにさらに恥の上塗りをしていきましょう。(←あいかわらずのドMキャラ)
 ただし、くどいようですが私にとって柳川移住は大正解、これからも柳川にはずっといたいと思っているのでご安心を。

 

 「まちの時間」と「地域の時間」を理解しよう

 

「まちの時間」と「地域の時間」を理解しよう

 
 前回の記事の「行政職員は大事なサポーター」でも触れたように、スピード感を重視して、すぐに動かないことはさっさと切り捨ててきたわけですが、実はまったく動いていないわけではないことに後で気づきました。一見まったく変化もなく無駄だったと思えるようなことでも、タネはしっかりとまかれていて、ある一定の時間が経過すると、土の中から芽が出て動き始めるのです。
 でも、その時には、せっかちな私はもう次のことを始めていて、結果的に複数の事案を同時並行で処理しなくてはいけない状況に追い込まれました。東京生活の長かった私は、東京の時間軸で判断していたわけです。
 
 例えて言うならば、ツイッターのタイムライン。フォローが多く、大量のツイートがあふれるタイムラインでは、あっという間にツイートは流れてしまい、少し経てば既に過去のものとして、誰も振り返れなくなる。それに比べて、地域の時間軸ではタイムラインの流れ方が遅く、いつまで経ってもそのツイートを読むことができる。ここは大きな盲点でした。
 一般的に、いわゆる地方と呼ばれているところでは、変化のスピードは遅いものです。しかし、必要な変化は遅くても確実に起きるもの。大切なのは、それを信じて待つことができる余裕を持てるかどうかということ。私の場合はそれが持てなかった。地域をとことん信じること、自分の考えが正しいと信じることができていなかったのでしょう。
 
 これから活動を始める協力隊の皆さんは、時間の流れ方の違いをまず理解して、長いスパンで事業計画を立ててほしいと思います。また、途中で不安に陥らないためにも、地域の方の中でアドバイザーやメンターとなれる人を見つけ、その人と相談を密に行いながら進めていってください。

 

何より「かわいい」がイチバン

 

何より「かわいい」がイチバン

 
 これまでの協力隊活動の中で多くの隊員と出会いましたが、協力隊として地域に受け入れられ大切にされるには「かわいい」という要素が不可欠だと痛感しました。残念ながら54歳のおっさんにはこれがない!(笑)いや、おっさんでもかわいい人もいる。単に私がかわいくないだけなのでしょう。
 ここで言う「かわいい」は、もちろん若い女性の「かわいい」がど真ん中ストライクなのは言うまでもありませんが、それ以外にも多くの「かわいい」はあります。若い男性が一途に自分の選んだ道に挑む姿もかわいいし、「都会から越してきたばかりなのでわからないことだらけなので色々教えてください」などと地域の人たちにお願いに行くのもかわいい。
 私の場合は「結果にコミットする」とばかりに、地域の皆さんへの挨拶回りもあまりしなかったし、困っていることがあっても弱音を吐かなかったし(愚痴はたくさん言っていました)、いま思えば自己防衛だったのか、理に走って自分を肯定してばかりだった気がします。いやいや、本当にかわいくない。
 
 54歳のオヤジが甘えられる相手なんてなかなか見つからないわけですが、そういう人がもしいてくれたら少し違っていただろうなと思います。実際、こちらに移住してから同い年の仲間グループができたのですが、ここがもっとも気さくに話せたし、精神的に大きな支えになっていました。このグループがあったおかげでなんとかここまでやって来られたわけで、この仲間には心から感謝しています。
 また、甘えたわけではないですが、何かと相談に乗っていただいた商店街の理事長。この人がいてくれたから今でも柳川に残れています。本当にありがとうございます。
 
 この点では、Uターンで協力隊になる人は大きなアドバンテージがあると思います。一緒に学生時代を過ごした仲間がいるということは、それだけで心強いものだし、本気で何かしようとすれば、本気で助けてくれる同志になってくれることでしょう。
 私のようにIターンとして協力隊になった人は、ぜひ早いうちに自分を支えてくれる人を見つけてください。そのためにもしっかりと「かわいい」自分を地域の人に見せてください。笑

 

地域の人

 

 私の恥はここに書ききれないほどまだたくさんあるわけですが、これ以上はもうよしとしましょう。皆さんももう聞きたくないでしょうし。笑
 願わくは、私と同じ過ちを新しい協力隊の皆さんが犯さないでほしい。ただこの一念で恥を書き連ねてきました。
 
 さて、いきなり漢文の時間です。「他山之石、可以攻玉」(他山の石、以て玉を攻むべし)。これ聞いたことありますか? 「他山の石」という故事成語の元になった文章ですね。意味は「他人のつまらない言行でも、自分の人格を育てる助けとなる」ということです。
 私の失敗が「他山の石」として新しい協力隊の皆さんの明日につながることを願っています。皆さん、頑張ってください!!

 

地域おこし人アベアキヒコ
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