5/7(月)【高知・四万十】ひろいの円坐～みんなイイやつの円坐～｜いなかパイプ「いなか」と「とかい」のパイプウェブ

5/7(月)【高知・四万十】ひろいの円坐～みんなイイやつの円坐～

2018/05/04

: 執筆者寺嶋紀人; 所　属一般社団法人いなかパイプ

いいやつの円坐

ひろいの円坐～みんなイイやつの円坐～

　実際に顔を合わせて話してみると皆イイやつばかり。憎いやつ、悪いやつなんてこの世にいないようにも思う。
　でもそれぞれにそれぞれの立場やその時その時の社会での役割があり、生きてきた人生の道のりがある。その互いのなかなか譲れない、しがらみの関係の中ではイイやつとイイやつがどこかにいってしまう気がして、何だかそれが寂しく感じることがある。

　イイやつの定義は難しいが「みんなイイやつだなぁ」と、円坐をするといつも最終的にそこに落ち着く。
　思っていたその人の印象とは全く違った意外な人柄が現れたり、「え！そんなコト考えていたの？！」とか「そんな人生を歩んできたんだ！けっこう苦労してんだなぁ」とか「案外、小ズルイやつだなぁ。でもおもしろいな（笑）」とか。
　その人その人の正直で飾らない、生きてきた色々な部分のそんなのを聞くとその人が好きになってしまう。
　しかし、普通に社会で生きていく上ではそんな意外な一面に触れられないことのほうが多い。どこかの、なにかの社会のポジションや価値観に乗っ取り、また乗っ取られ、表情は、面はどこか固くなる。そんなのを感じると「イイやつのオマエはどこいったんだ！」と言いたくなるし、僕もまた「イイやつの俺はどこにいったんだ！」とつい嘆いてしまう。

　だから、円坐で話したい。イイやつなアイツ、イイやつなジブン。全部ひっくるめて人そのものを感じると良い悪いなんてどっかいってしまう「みんなイイやつ」という感覚が芽生えるからだ。

■「円坐」とは

　これからの仕事を、生活を元気にハツラツと生きていくために「円坐」という話し合いの場を開きます。
　円坐とは集まった皆で円になって座って、話したり、聞いたり、共に自由に時間を過ごすだけの場です。特に目的は置きません。目的はその場でそれぞれの参加者（坐衆）の皆さんによって生まれていきます。
　話さなくてもよいし、聞けなくてもかまいません。話したくなったら話せばよいし、聞きたくなったら聞いてください。

　普段なかなかこれだけじっくり誰かの話をきく場はあまりないのではないか。また、普段はあまり言えなかったことがスッと素直に言える場って何だかありがたいなぁと、円坐を体験してからそのように思うようになりました。
　それに円坐には「守人」という「きき手」が必ずいます。いち坐衆でもあり、ファシリテーターとも違うけれど場を守る人がいます。

■開催にいたるまで

　この度、私寺嶋は5月を持っていなかパイプを退職することになりました。
　この企画開催は、僕が1年半四万十で暮らし、働き、生き、そして円坐という場に触れて、なんだかしみじみ「結局みんなイイやつなんだがなぁ、互いにそう思えているのかな？」と感じたことがキッカケでした。
　また、僕自身も疑心暗鬼になると人のことを良く思わなかったりとか、人を悪く思うことで自分がちょっとだけ楽になろうとか「ほんとに人の姿を自分はちゃんと捉えているのだろうか」と常々思っていることもあるからです。

　あっという間であった四万十での生活。このような話し合いの場を最後に設けられたら、またこのような場をもっと持ってもらえたら、そんな気持ちが僕の中に芽生えておりました。お時間ご一緒出来ましたら大変嬉しい限りです。（寺嶋）