食生活改善推進委員さんをご存知ですか?
2019/01/21
- 執筆者 小原宙子
- 所 属鹿児島県西之表市地域おこし協力隊
食生活改善推進委員さんをご存知ですか?
たぶんどの県や市町にもいらっしゃると思うのですが、地域に減塩など、ともすると乱れがちと言われる現代食生活を整えるべく活動される方たちです。
このよかよめじょう(美人)たちは、実は西之表市にはなくてはならない人たち。市のイベントなどの際の炊き出しや、料理講座、学校の家庭科学習の課外先生などなど、その活躍はとどまるところを知らず、市をある意味動かしているといっても過言ではないと、私はおもっています(真剣)。
その食生活改善推進委員さんが立山小学校の給食室活用の一環として、料理講座をしてくだいました。
今回一緒に企画を動かして下さったのは健康保険センターの栄養士さんたち。西之表市役所には、本当に地域に対して動いて下さるところがいっぱいあります。
だれのために仕事をしているのか、だれが動いてくれているのか。島の、気づけばどこかでみんなケナー(親戚)やふるさと種子島のことを大切に思う気持ちが重なって、西之表市はとっても、顔の見える行政だなぁというところに、すこやかさを感じることが多々ありました。
ちなみにこの健康保険センターの愛称も「すこやか」さんです。
ごほん。
どんな材料もおいしくかつ健康に配慮したメニュー作りをして下さる、食生活改善推進員と保健センターすこやかさん。
「どんなメニューがいいですか?減塩とか、たまごとか、残り物でとか、なんとなくでいいのでテーマをいただけると。」
さすがです。地域に持ち帰って、担当の方と打ち合わせてみると。
「お家にある材料で調理できるといいよね。寒くなってきたからあたたかいもの…かぼちゃのスープとか。」
さらに担当さん同士でもアイディアを出して下さることに。そうすると、さすが活躍している食改さんと地域を支える料理上手な皆さん。
「前に、そうした食改さんの会に参加したとき、白和えとかがあったのよね。」
新しいアイディアが出てきます。スープとお野菜系と、うん、体にも良さそう!さらにすこやかさんからも一品。
「お好み焼きなんかも良いかなと思うんです。あまったお餅の入った。」
おりしも、開催は一月下旬。お正月のお餅の新しい食べ方と、メインも決まり!高齢者サロンとあわせて、じいちゃんばあちゃんと給食を囲むことになりました。
流れを確認していると、すこやかさんからひとつ提案が。
「調理をしている間、高齢者の皆さんで何かレクリエーションをされてはどうでしょう。」
調理をされるお母さんのグループと、じいちゃんばあちゃんとレクリエーションをしながら、お腹をすかせておく係りをつくることに。
地域の方にご相談したところ2つ返事でOK。新しく地域に入られた方が、折り紙がとっても上手なことは知っていたのですが、実は学校で子どもたちにいろんな紙飛行機も教えていた、折り紙先生だったことがわかりました。
うかがってみると、先生からもふたつ返事。前日に作った折り紙飛行機は、ちょっとの調整でまっすぐ飛んだりまわっていったり、これは楽しい!
これならじいちゃんばあちゃんも良いかもしれないね、と頷きあいながら、当日を迎えることになりました。
土曜出勤をものともせず、すこやかの方と食改さんが材料と共に颯爽とやってきてくださいました。ありがとうございます。
じいちゃんばあちゃんと挨拶をしてから、さて調理班は給食室へ。レクリエーションチームは公民館で紙飛行機講座です。
栄養士さんが作って下さった作り方をもとに、さすが料理上手な地域のお母さんたち!大量の野菜もどんどん刻まれていきます。
実は、後からレクリエーションチームの方や、地域の高齢者の方から次は作っているところもみてみたい!料理講座もやってみたいというリクエストがあがっていました。
それだけ美味しいものができあがり、皆さん家族のごはんを支えてきた、まかないのプロフェッショナルのかたたちなんだなぁとしみじみ実感しました。
一方、紙飛行機チームももりあがっていました。先生が持ってきて下さったのは、普通の真四角の折り紙とは違う、長方形の紙飛行機用の折り紙。色や柄もとりどりで、皆さんお好きなものを選びお土産も持たせてくださいました。
真剣に話をききながら、皆さん上手に紙飛行機を作り上げます。地域包括支援センターの方たちと、あれでもないこれでもないと探しながら、ばっちり見つけた得点版を的に、それぞれの自分号を飛ばします。皆さんイスから立ち上がり、おもいおもいに投げあいながら、笑い声もこぼれます。
と、ここで、料理チームをのぞいてみると、お好み焼きを焼いているところ。
「いただきますは、皆で一緒が良いね。」
そう言っていた打合せ。もう少しだけ時間がかかりそうです。
「わぁ、どうしよう。紙飛行機先生に相談しよう…!」
立山小学校の給食室から、給食会場でもある公民館へ行って見ると。なんと!皆さんスペースシャトルを作っているではありませんか!なんというすばらしい応用力。
こんなこともあろうかと?さすが先生経験のある折り紙先生は、皆さんにバガス(サトウキビの精糖過程で出るカス)を混ぜ込んだスペースシャトル折り紙を用意して下さっていました。
これは、ある出版社の企画で、宇宙から紙飛行機を投げてみようというものがあったとき、普通の紙飛行機では大気圏突入の際燃え尽きてしまうけれど、こうしたサトウキビの入った紙なら大丈夫という企画取り組みの一環で作られたものとのこと。ロケットのあがる種子島にはもってこい。ていねいに一人ひとりに作ってくださり、これもまた良いお土産ができました。
「すごいねぇ」と皆で言い合っていると、「できましたよー」の声が。
紙飛行機会場は、給食ルームに早代わり。給食当番さんがついでくださったごはんが、次々机に並びます。いつものように、差し入れの焼き芋やみかん、漬物なども並びとっても豪華!手を合わせて、いただきますをします。
「おいしい。」「うまかなー。」「わざいよか。」
野菜もたくさん、お腹もしっかり満足のあたたかいメニューに、じいちゃんばあちゃんもおいしいおいしいの声があがります。
今回の取り組みには、他にもこの企画を前年度から相談にのってくださった栄養士さんや食改の役員さんたちなど、今日来て下さった先生やずっと相談にのってくださった、地域の方や担当さんたちはもちろん、多くの方の力と智恵をたくさん出していただいて成ったものでした。
皆で給食室でつくった給食を、小学校の給食の器でもって、いただきます。おいしいねと、うまかもんを分け合って、寄ろうて食うて、ごちそうさま。
給食室のホットプレートやオーブン、郷土料理用のガステーブルや食品乾燥機などもフル稼働。あたらしく、こんなものがあったら良いねの話もちらっときこえました。
お腹もですが、私にとっては違うところでも、ほっとあたたかくなったような会だったかもしれません。
会の後日も、とってもよかったね、今度は料理もみてみたい参加したいなどがきかれました。先生、ありがとうございました。
皆さん、楽しみにされているので、ぜひまた来てくださいね。