とうとう本気を出しました
2013/07/10
- 執筆者 横山光一
- 所 属高知県四万十町役場
みなさん、湿気ムンムンの四万十からこんにちは!
先日、かの有名な島根県海士町の職員さんと飲む機会があり、
お互いの町政のことなどをやり取りしていると、傍で聞いていたOLDe・山脇さんに、
「そんな話もできるなんて。ちゃんと仕事しているんですね!」
と言われ、少しへこんだ四万十町役場の横山です。
さて、今回こそはサハラマラソン最終回を書こうかと思いましたが、
高知県が本気を出したようなので、
「旬は外せないだろう。(2回目)」
と思い、「移住」について、町内の状況と自分の感じていることをつらつら書かせてもらいます。
それでは、某深夜番組でも取り上げられた 高知県の本気「高知家」
○高知家 ( http://www.kochike.pref.kochi.lg.jp/~top/ )
「高知家」とは、
高知県と高知県地産外商公社が行う高知県振興キャンペーンの名称で「高知県はひとつの大家族やき。」をキャッチフレーズとし、同県全体を「家」と見立て、温かな県民性などをアピールし、観光客誘致や県内への移住体験ツアーの募集など、振興策を推し進めていく。
ということで、「移住促進対策」にも県を挙げて取り組んでいくようです。
おらが町・四万十町でも、発足時から「移住促進」は町政の柱として取り組んでまして、様々な施策を展開しています。
うちの移住担当者であり、いなかマガジン執筆者ですが最近寄稿していない冨田さん(左)と相談員の森さん(右)。
四万十町への移住を考えられている方は、一度この方たちにご連絡いただけたらと思います。
十和地域であれば、私も移住担当の端くれですのでご連絡いただければ!
しかし、本格的に移住をするとなると、必要になるのは
「イ」 「ショク」 「ジュウ」
本来は、「衣・食・住」という言葉を当てはめて使うモノですが、移住の場合は若干違って、
「胃(食べ物が口に合うか)」 ・ 「職(仕事はあるか)」 ・ 「住(家はあるか)」
じゃないかと思います。
まずは「胃」。
四万十町の場合、農業・畜産業が盛んであり、それに加えて四万十川の幸、土佐湾の幸も味わえる高知県内でも「食の町」として知られています。
なので、たいがいの人は食べ物に関しては不自由しない(口に合う)のではないか、と住んでいる自分が保証します!
続いては「職」。
老後に移住することを考えている、いわゆる「リタイア世代」には必要ないですが、「子育て世代」の方々には大変重要な問題です。
うちの町には、少なからず働き口はありますが、多くは臨時雇用であったりパートであったりと、「正社員でそこそこ給料が貰える安定した仕事に就きたい」のであれば、資格等がなければ少し厳しいのが現状です。
ただし、最近移住された方々の傾向を見ると
○会社を起業した
○カフェをオープンさせた
○独自販路を持った農業を行っている
○ラフティングなどの体験観光を行っている
○音響関係や写真を生業にしている
など、自ら「職」を生み出した方が多くなっているように思えます。
また、起業や就農に対して県や町からの補助制度もありますので、それらを活用すれば少ない自己資金でも「職」を生み出し事もできます。
また、職を生み出すのもアリですが、あるGHの女将がいなかマガジンで書いたとおり、
「1つ3万の仕事を月に5つやったら15万になる。」
という考えで、いくつかの仕事を掛け持ちながら、また、自分たちが食べる野菜等は自給していけば生活することは十分可能だと思います。
ただし、安易に「何とかなるさ」と思って移住してしまうと、色々と大変な思いをする方も多いようですので、まずはじっくり下調べをすることも必要です。
その場合、いなかパイプさんが行っているいなか体験事業はまさにうってつけ!
ぜひこれらを利用してみてはどうでしょうか?
○いなか体験事業(https://inaka-pipe.net/intern/)
続いて、「住」。住む家です。
移住者側、そして移住促進を行っている自治体等が一番頭を痛めている問題がこれです。
町内で住むことを考えると、
① 不動産屋さん等がてがけているアパート
② 町が公募している町営住宅
③ 空き家
の3つの手段があります。これらの現状はというと、
① は、相場が5万~10万くらいのようで空きも少なからずあるように見受けます。
続いて②ですが、入居者の所得や住宅の種類によって家賃が変わりますが、月々1万円前後で入居することも可能です。ただし、こちらは空きがあまりなく、あっても新しい住宅は希望者も多いことから、タイミングが合わないと入居できないように思います。
町営住宅の募集については、広報紙で照会していますのでソチラもチェックしてみてください。
四万十町HP ( http://www.town.shimanto.lg.jp/ )
そして、最後の③空き家です。
本町では、少子・高齢化の影響により、過疎化が進み空き家も目立ってきています。
もう少し空き家の状況を知ってもらえればと思いますので、自分が住んでいる地区の状況も少し書かせてください。
自分が住んでいる四万十町十川地区
この十川地区は、旧十和村の中心地で行政機関である十和総合支所、JA高知はた十和支所などの施設が集中しています。また、スーパーやJR十川駅も徒歩圏内にあり、町内でも高齢者が暮らしやすい地区の一つです。
が、この十川地区でも近年空き家が目立ってきました。
私の組でも、5年前まで13戸ありましたが、現在は11戸となり2軒が空き家となっています。また10年後にはもう2軒が空き家になりそうな状況です。
このように、地域でも中心地と言われる地区でさえ空き家が目立ってきていますので、少し離れた地区では凄いスピードで空き家が増えている状況にあります。
ただし、その多くが貸し出していません。
自分の親戚が所有している空き家。貸し出すように勧めているのですが・・・。
その理由は、
① 盆や正月には家族が帰ってくるから
② 荷物を置いているから
③ 貸し出して何か問題が起きたときに対応ができないから
といったことが主ですが、3つともに共通するのは
「貸した人らが近所の人ともめ事を起こしたらどうしよう」等、知らない人に大事な家を貸すことへの恐れからくるものだと思います。
が、一定交流をもって、人となりを知ってもらえれば、案外簡単に空き家を紹介してくれることがありますので、役場に紹介してもらうよりも、自分たちでネットワークを広げた方が、早く、それも良い条件の物件に巡り合う事の方が多いです。
ちなみに、空き家情報については四万十町HPに掲載をしていますので、ソチラもご参考にしていただければ!
どうです?少しはうちの町の状況がわかったでしょうか?
そして最後に、移住された後、地域で住むにあたり心がけていただきたい事やお願いしたい事を書こうかと思います。
まずは、
「人にあったら自分から挨拶をしよう!」
これは非常に大事。うん。大事。地元の者にとって移住してきた方は良くも悪くも「ヨソモノ」。
最初は身構えた態度をとる方もおられます。なので、そんな時は、自ら挨拶をすることで自分の人となりを知ってもらうきっかけになると思います。これは、簡単に実践できることなので非常におススメ!
次に、
「部落行事には必ず参加しよう!」
です。
過疎化が進む集落では田役や神祭などの部落行事を維持することが難しくなってきていますので、移住した方の存在は大きなものがあります。
そんな行事等に積極的に参加することで、自分自身も覚えてもらえ新たなネットワークが広がったり、部落に認められていくきっかけになったりと移住されて地元の方と仲良くされている方々はこういった活動には必ず参加しています。(その後に行われる飲み会にも)
欲を言えば、男性(最近は女性団員もいますが)はぜひ消防団に入ることもおススメします。
特に十和地域の消防団は、結束が強い団ですので、住んでいる地域や違う職種の方々とも親しくなるきっかけになり、その後の生活にプラスになることが多くあります。
ちなみに自分も消防団で、そこで培ったネットワークは公私ともに非常に助けられています!
同じ消防団の杉浦さん。この方も東京から移住されている方です!
あと、細かいことですが、
「飲み会に誘われたら自分の飲み分くらいは持参しよう!」
です。
本当に細かなことですが、こういうことが大事でジゲ(地元)の自分でも気をつけているところです。
高知は、全国的なイメージ程ではないですがやはり宴席が多い地域。また、田舎になれば自宅などにもお呼ばれすることもけっこうあります。
そういった時は、自分の飲み分くらいのビールかお酒を持っていくのが一種の礼儀ですので、皆さん知っておいて損はないかと思います。
※お酒を飲めない人などは、デザートなどを持参するのがおススメです!
ということで、今回は特にオチもない文章をつらつら書かせていただきましたが、少しは参考になったでしょうか?
高知家は始まったばかりですが、やはり移住されてくる方は色々と不安な面もあるかと思います。
そんな不安を少しでも払しょくできるよう四万十町も、
『本気』を出します!
・・・・よね? 冨田さん。