地デジと僕の役目
- 執筆者 佐々倉玲於
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2013/08/12
毎日暑いですねー 40度ですよ、40度!
こんな熱が続いたら、人間は死んじゃいますよ!
熱風が吹き荒れる四万十!!
でも、まぁ、もう盆だ、ということで
盆を過ぎると、もう秋になっちゃうんだろうねー
さて、今月は、どんなことを書こうかなーと結構ネタ切れ。。。
でも自分の仕事のことを明らかにする!と決めているわけなので
仕事、仕事~と考えを巡らせます。
「そうだ、地デジのことを書こう!」と思ったので、今回はそのことをば。
地デジワークショップのチラシ
先日も、愛媛の西予市、山口の萩市、島根の奥出雲町と、デザイナーの迫田さんと行脚してワークショップを行いました。おととしからこうして全国行脚ワークショップを行い、先日奥出雲で50回を数えました。
50回目を迎えた地デジワークショップ@奥出雲
僕が出張するときは、大概、迫田さんや、四万十ドラマの畦地社長などが呼ばれたところにくっついて行くパターンが多いです。
そう、僕の役目は、メインではなく、サブなわけです。
メインではないわけなので、僕がいなくても、困ることはないわけですが
いないよりは、いたほうがよい、から誘われるわけで、
サブはサブなりに、その存在価値を発揮するべく、何を求められているのかを考え
それなりに動くわけです。
僕に求められていることは何か
今回は、これがテーマになりそうですね~
本題に入る前に「地デジ」の説明を。
「地デジのワークショップ」そう呼ぶようになっていますが、
パッと言われると、なんだかわからんですよね~
テレビの、地デジ(ちでじ)じゃないですよ
地デジ(ぢでじ)です!
地・デザイン・ジャパンの略です。
一緒にお仕事をさせて頂いているデザイナーの迫田さんが言いだした言葉です。
日本の田舎にこそ、デザイナーが必要だ!
1町1デ(デザイナー)だ!
自分の町に住む地デザイナーを地域が育て、ネットワークしていく活動が必要だ!
といい、僕もそれに賛同し、やろうやろう!と動き始めました。
地デジの時間@伊豆・修善寺
地デジについては、迫田さんに聞くとわかりやすく、楽しく説明してくれるのですが
チラシなどに書かれている文章は、こんな説明になります。
「地デジ」とは?
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おみやげは「お土産」と書きます。
その「土地」の「産」ということです。
その「土地」の「産」ならば、デザインも当然
その「土地」の「産」がいいわけです。
その土地のことをわかっている
その土地に住んでいるデザイナーがいいわけです。
「お土産」は、デザインもその「土地」の「産」がいいわけです。
その発想を地(ぢ)デジ(地デザイン・ジャパン)と呼びます。
この「地デジ」というメガネをかけると
日本の津々浦々にある「いなか」の
アタリマエ過ぎて見過ごされている
「足元の価値」が見えてきます。
この集まりは、そのアタリマエの価値を
いかにして発見し、集め、編集して、
どう活用するのかをデザインの視点で
そこに暮らす人たちと一緒に考えていくものです。
この地デジをきっかけに「いなか」に暮らす人々が
毎日の日常を新しい目でながめ、
それをユタカサの資源として
ハッピーなコミュニケーションを
生み出していくことを期待しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
これまで「デザイン」について、あまり深く考えたことはなく
「デザイナー」という人に、ちゃんと出会ったこともなく
印刷屋さんの中にいるあまり表には出てきてくれない人
というイメージを僕は勝手に思っていて
印刷屋さんに頼んでも、思い通りの、想いがちゃんと伝わったチラシは出てこない。
という風に思っていました。
これは、お金が少ないから、ちゃんとつくってもらえないんだー
なんてよく思い、くやしいなーと思うことがこれまで多々ありました。
でも、それは違っていて、そういうことではなくて
デザイナーの質の問題なんだなー
そういう人に出会えてなかっただけなんだなー
ということが、迫田さんの話を聞けば聞くほどわかってきました。
迫田さんのような、ちゃんと話を聞いてくれて
それをカタチにしてくれるデザイナーという職業の人が
ちゃんといるんだなーと。
こういう人たちの存在をもっと、田舎に暮らす人々は知らんといかんなー
と思うことと
田舎に暮らしながら、こういう仕事をちゃんとする
「地デザイナー」を増やしていかんといかんなー
と思い、こういう取り組みを迫田さんと一緒にやっているわけです。
田舎には、ホントにすごい価値のモノやコト、ヒトがたくさんあるのに
それがうまく発信できていない。
うまく発信できると、それは必ず売れるのに、もったいない!
と思います。
また、こういうモノたちがあるわけなので、
デザイナーは、田舎にいたって、仕事をつくっていけるはずだと思います。
地方出身の都会で働くデザイナーからよく聞くのは
「地元に帰りたいけど、地元にはデザインの仕事はないでしょー」
という声。
いやいや、そんなことはない!
そりゃ、待ってて入ってくる仕事はないけれど、
デザイナーなら、自分が働きかけることで、仕事をどんどんつくっていけるなー
と思うわけです。
すごい価値のモノやコト、ヒトを、ちゃんとデザインして、
ちゃんと売り出していければ、ちゃんと売れるし、それで自分の仕事をつくれる!
そう思うのです。
地デジの時間@西予市 酒蔵での会場でした
なんだか、熱くなってきましたが、
「デザイン」という技術を扱える人をもっと田舎に増やしたら
田舎は間違いなく元気になる!
地デジのワークショップは、迫田さんという1人のデザイナー側からの社会への働きかけだと思いますが、そのことに共感する地域があるならば、地域に暮らす人だって、地域側から働きかけができます。
地元出身のへたっぴデザイナーでいいから見つけてきて、
そのデザイナーを使ってあげながら、地域の人々が育てていくことができる。
お金をつんで、都会の先生級の有名なデザイナーに頼むよりは、
確かに、時間がかかることかもしれませんが、
10年後、20年後の地域のことを考えると、
絶対に、地域で地デザイナーを育てた方がいいってことになるはずです。
このことに気づく地域がもっと、もっと増えてほしいなー
そんな想いをもって、迫田さんと全国行脚しています。
西予市では、地域の生産者さんの取り組みを見学させて頂きました
さてさて、自分の仕事のこと。
この地デジワークショップで、僕に求められていることは何か。
迫田さんは、「レオがおると楽チンだー」と表現してくれています。
会場準備とか、物販の手配とか、アシスタントとして動くからだと思います。
その他、僕がやっていることと言うと、
●ワークショップが始まったときの前説
ワークショップの趣旨・目的の説明
●アイスブレイク
会場に集まった人同士が出会う機会となるように参加者同士の自己紹介を毎回やっています
●タイムキープ
迫田さんのプレゼンテーションの時間に、経過時間を迫田さんに伝え、話しすぎ防止を行っています
●後半のディスカッションタイムの進行
参加者が持参してきたご当地商品などをプレゼンしてもらいながら、参加者全員でディスカッションを行います。
というようなことを毎回やっています。
こうやってみると、誰でもできるっちゃー、できることをやっているわけです。
僕に求められていることは何か。
こういった行為は当然で、求められていることではありますが、
このワークショップをやろう!と共感し、やってみることを行い、
ワークショップをやり続けられる仕組み・流れをつくって、
これは楽しいから、やり続けよう!と思えるようにモチベーションを保っていく
そんなパートナーとして「あり続ける」ということではないかな
と思っています。
これは、地デジのワークショップだけではなくて、僕が地域の人たちと仕事をやるときのスタンスかなーと思います。
このような僕が関わる仕事につて
取り組み全体のこと含めて、僕としては「ファシリテーション」と言いたいと思っています。
「ファシリテーター」とは、進行促進役と訳され
「ワークショップ」という参加型の場の進行役のことを指しますが
こういう場の進行役も大事だけれど
地域づくりや市民活動には、活動をつくっていくプロセスを進めていく進行役がいることで、活動は加速し、継続すると思っています。
こういう地域づくりのファシリテーター的な存在の人も大事じゃないかなーとか、そういう人を増やしていきたいなーとか思っています。
僕は、こういう人、存在になりたくて、こういう仕事をしたくて今があることで、
今やっていることはすべてこういう仕事だと思っています。
地デジワークショップも地域によっては連続モノになったりします。山口・萩市での様子。
でも、こういう仕事は、普通はあまり意識されてなかったり
気づかれていなかったり、明確に求められてなかったりすることなのですが
この価値に気づいてもらって、僕の存在や価値に気づいてもらえれば
それが仕事になり、お金を払ってもらえるようになるのかなーと思ってます。
今は、なんとなく、いてもらえたら、なんかいいー
おらんよりは、おった方がええ
というくらいしか、まだまだ伝えきれてないので
対価としてお金を払ってもらえるということは少ないですが
この自分の価値をちゃんと語って、ちゃんと伝えられたならば、
ちゃんとお金を払ってもらえるようにできると信じています。
10年以上やっているわけなので、だいぶお金にはなってきていますが
ちゃんとお金になっていくそれまでの間、粘り強く、精進していきたいなーと思っています。
はー、一気に書ききりましたが、書いてること、理解できましたか?!
まだまだ僕がやっていることを簡単に、わかりやすく伝えられてないですねー
いなかマガジンは、僕の執筆活動のトレーニングの機会ということで
引き続き、がんばらせていただきます!
では、また来月~~