研修レポート:step3「地域をみせる」(2016/11/28-30)
いなかパイプスタッフのよしおよういちです。
合同研修2016step3は「地域を見せる」というテーマで映像を使って地域を見せる学びでした。(以下本文中の「映像」とは写真ではなく動画のことを意味しています)
僕にとって映像はこれまで創る側ではなくほぼ完全に見る側専門です。
「映像づくり」と言われれば、
「作ってみたいけど覚えるのもめんどくさそう。」
「アプリや機材もたくさんありそうだけど何をどう使えばいいかわからない。」
「スマートフォンの動画機能を使う時は記録用として個人的に使うか、せいぜい親しい友人に写真の代わりに送るだけ。」
という映像に疎い映像難民でした。
なので本気で映像をやるかどうかの前に今回の研修は自分が映像づくりに興味があるのかを知るために参加しました。
そんな映像素人が今回の研修を受ける前にポイントとしたのは次のことです。
●ド素人の自分でも気軽に映像を作れるほどアプリの性能は優れているのか?(研修があった時期は2016年11月)
●自分にとって映像は表現手段として使いたいと感じるほど楽しいのか?
なぜ映像づくりをするのか
そんな個人的な関心で参加した研修ですが、プログラムの中身を知りたい方のために研修全体のこともお伝えします。
今回は外部講師として映像作家の上田謙太郎さん、地元講師として四万十ドラマ社長の畦地履正さん、ファシリテーターとして青木将之さんをお迎えして開催しました。
今回のポイントは「映像を作る」「地域とかかわる」という両方のバランスをとるということでした。
畦地さんに地域の魅力や四万十ドラマの成り立ちや現在の活動について話を聞きながら、青木さんの司会のもと地域との関わりと映像との掛け合いもしてもらいました。
「映像は技術。考え方がしっかりしていたら技術も売れる。」
畦地さんは道の駅四万十とおわの社長として何十年も地域と関わることを軸に色々なプロジェクトをに関わっているので「地域と関わる」目線から映像の関わり方のヒントをもらいました。
「四万十ドラマの商品は『1誰が作っているか』『2どんな作り方か』『3どんな想いでやってるか』の3点セットで作っている。」
という言葉に触発されて参加者はそれぞれの地域の課題を畦地さんにぶつけていました。
映像創り研修だけではない領域で、初日はなぜ映像をするのかという根本的なところをみんなで考える日になりました。
撮影前のウォーミングアップ
2日目からはいよいよ映像作りに本格的に入っていきました。
まずは宿題で参加者のみなさんが作った1分動画をみんなで鑑賞です。映像や写真を使ってアプリの使い方に慣れた人やもう既に映像の編集のコツをつかんだような人まで様々。
僕もやる前はけっこう面倒くさそうという先入観がありましたがやってみると意外に気軽に作れました。
ただし、ぱっと写真を撮るような気軽さではないのでここが向き不向きがでるところかもしれません。やったことない人はまずはやってみることをオススメします。
ちなみに僕が宿題の1分映像で作った動画はこんな感じです。
宿題の1分映像
初めてやってみると使い方に慣れるまではやはり時間がかかるなぁという印象です。
編集をやったことがないので撮影時もよけいなものをたくさんとってそれをチェックするだけでも相当時間がかかります。
その作業も使うアプリによっても全然違うというかんじです。
ちなみに僕は動画はスマホやカメラで撮影して、MacのiMovieで編集しました。Appleの製品だけあって、こだわりたい所は適度にこだわれるし分かりやすく使いやすいですね。
色々無料アプリがある中で上田さんがおすすめしていたスマホアプリは、iPhoneなら「iMovie」か「Pefect video」。Androidなら「パーフェクトビデオカッター」がおすすめということでした。
やはりよほど本格的にやってみたいという気持ちが最初からない素人は機材に関しては使い易さははずせない選択基準かもしれませんね。
映像を少しでもやってみたい人は有料アプリでも比較的簡単でこだわれる所はこだわれるような使いやすいものをオススメします。
今回はチームで地域に出ていて映像を撮り、その後編集するという流れです。
まずはチーム作り。参加者一人ひとりがどういうことを意識して映像を撮ってみたいかシェアしながらチーム分けをしました。
ウチのチームは地域が別々の高知の若手(?)3人衆!
チームメイトの本山町の川崎さん、大川村の和田君
人にクローズアップして撮りたいということで一致したチームです。
他には、
「道の駅チーム」
「お茶チーム」
「場所チーム」
などそれぞれテーマを分けてチーム作りをしました。
それぞれ現場に出る前に動画編集に慣れてもらうためのウォーミングアップをしました。
ちなみに上田さんからの撮影時のアドバイスは以下の通り。
●カメラを動かさない。(脇を絞める)
一番の基本。動く場合も対象を撮る場合もしっかり4〜5秒は動かさないで撮る。迷いは全部映像として現れてくる。迷って動いている映像は編集でも使いづらくなる。
●今から撮るものは引きなのか寄りなのか決める。
なんとなく撮るのではなく状況を撮るならひく。物体をとるなら寄るなど。
●人を撮る
人を撮るのは圧力がかかるので勇気がいる。被写体にどうしたらいいか伝えてあげることも時には必要。(レンズを見るのか、見ないのか)
それぞれウォーミングアップの映像を撮影した後、短い時間で編集しました。
コツを教えてもらっただけで何でもない風景の映像が引き締まった映像に! 映像を撮影したい人は覚えておきたいポイントですね。
撮影練習する参加者
上田さんより昔からある言葉・文化・光・音、など普遍的なものを大切に”身の回りのあるかけがえのないありふれたもの”を撮影することを意識するというポイントをもらい各チーム撮影に入りました。
この日は撮影日よりのいい天気でしたが、時間もその日の夕方までの短時間なので何を撮るのか決まっていないとあっという間に終わってしまいます。
各チームで撮影の計画を立てました。
お茶をテーマに撮影計画を立てるチーム
いざ地域の撮影現場へ
自分たちのチームも撮影計画をざっと決めました。
・人を撮ることが自分たちのテーマの軸であるということの確認
・誰を撮ってどういう流れで現場を移動していくか
・地元の案内人(自分たちのチームの場合僕)に撮影したい人との予定を調整
・チーム内で共有する撮影時の留意点
などなど、それくらいをパッと決めて出発!
まずは柚の収穫現場へ。
ここでのポイントはみなさん映像をとることに抵抗があるということ。だから失礼があってはなりません。
これは何処でもそうですが、田舎では都会よりも人前にでることになれてない人が多いので配慮が必要です。撮っている時は夢中になっていますが、何のために撮影しているのか忘れてはもともこもない。
次は椎茸農家さんのお宅へ突撃!
といっても僕の大家さんなのでここは割と協力して撮影させてもらいました。
そして、道すがら地域の小売り商店へよってちょろっと撮影させてもらいました。僕のご近所さんなので突然でしたがお願いしました。
今度は柚の出荷現場へ。
ここは仲良くしている近所のおばちゃんがいたので普段のおばちゃんの顔を見させてもらいました。
こうやって撮影してみると当たり前ですが、人を撮影する場合は技術よりもやはり人間関係をどう作るか(作っているか)も結構大切なポイントだなぁと実感。
撮影にご協力いただいた方々には本当に感謝です!
夜通し続いた映像編集と翌日の発表
僕たちのチームの一人がこの日までしか参加できないという時間の制限があったので大枠を夕方までに終わらせましたが、多くのチームは食事の後、深夜までの編集作業をするという熱の入りようでした。
翌朝それぞのチームが作った映像をみんなで鑑賞してシェアオフィスに急きょ現れたグラフィックデザイナーの長沼さんという外部ゲストも一緒に様々なアドバイスをもらい、みなさんやりきった!というかんじで無事終了!
そうやってできた作品が以下の4つです。
https://youtu.be/MAQRv_7MxBo
「シマントノタカラモノ」
https://youtu.be/7KNjcfpeAaU
「四万十をデザインする道の駅」
https://youtu.be/ZeCsVb-VQmY
「しまんとにくらしテ」
https://youtu.be/lL51D4lUzmA
「し ま ん と じ か ん」
どれも個性的でいいですね~。
自画自賛ですが初めての集中的な撮影、即席チームでこれだけ作れたら文句無し!と言わせてもらいましょう!
体験後記:映像づくりは面白い!
映像づくりはやはり写真よりは手間ひまがかかります。それに人を撮影するにも写真より配慮するハードルが高いです。時間の流れがうまれるので嫌でもストーリーが生まれます。
そんなことが煩わしくなく楽しめるなら映像作りはやりがいがあり楽しいと思えるはずです。
僕は文章も写真もうまくはないけどどちらもわりと好きです。
これまではレポート・宣伝・経験を人に伝えようと思ったらほとんど無意識のうちに瞬間的にいい風景、印象的な風景を写真撮影しようという意識が働いたり、言いたいことのポイントを言葉で表現するならどうだろうと考えたりしていました。
前者は右脳、後者は左脳を使って考えられているといわれていますが、映像はどちらの要素も融合させたような表現方法なのでどちらも好きという人は新しい表現手段になるかもしれませんね。
今回僕は映像が好きだなぁという実感があったので大きな収穫になりました。
SNSやブログなど個人で写真や文書は誰でも使うようになっているので何が自分が好きな表現方法なのか色々ためしてみようかなぁと早速新しく選択肢が増えたのを実感しています。
(よしおよういち)