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嫁に来ないか

2016/10/07


 

 今日は6月にあった結婚式のことを書こうと思います。

 新郎・石巻市の牡鹿半島にある福貴浦(ふっきうら)という浜の若手漁師「ともくん」。新婦・結婚を機に千葉県から宮城県石巻市へ移住してきた新米看護師「りほちゃん」。2人は一週間(もしくはそれ以上の長期間)漁村に滞在しながら漁業のお手伝いをする「イマ、ココ プロジェクト。」という漁村留学のプロジェクトを通して出逢いました。

 

イマ、ココ プロジェクト。

「イマココ」参加当初のりほちゃん

 

 わかめ漁をお手伝いしながら福貴浦で過ごした12日間。りほちゃんの受け入れ漁師さんはともくんではありませんでしたが、ともくんの家族と仲良しのお宅だったため一緒に作業をする時間も多かったようです。最終日、りほちゃんが帰る前にともくんと二人で写真っを撮っていて、「なんだか二人の周りにお花が飛んでいるなぁ」と思っていたら… その数か月後、二人はお付き合いすることに!

 

 田舎はたいていどこもそうなのかもしれませんが、石巻の漁村に若い女の子がお邪魔すると会う人会う人に「漁師の嫁になれぇ」と声をかけられます。「イマ、ココ プロジェクト。」のスタッフをやっているとそんな場面は何度も見てきました(笑)そしてついに、本当に嫁いで来る女の子が現れたんです!

 男の子が「漁師になりたい」と移住して来たら漁業者人口が一人増えてめでたいことなわけですが、女の子が嫁いで来たら、浜の人口が2人も3人も増える可能性があるわけですからね。浜にとってはビッグニュースです。

 

 千葉と石巻。約一年半の遠距離恋愛を乗り越えて、昨年の12月にめでたく入籍した2人。それからさらに半年が経った今年の6月に、仙台で盛大な結婚式を挙げました。

 式場の待合室では、福貴浦から出席する漁師さんたち(30~60代男性、黒スーツ。イ、イカツイ)と千葉から出席する看護師の卵たち(20代前半女子カラフルドレス。華やか~♡)というとても対照的な客層が、挙式が始まるのをそわそわと待っていました。

 今まで全く違う環境で育ってきた二人が結ばれることは、その二つの世界が交わる入り口を作るということでもあります。

 

 いよいよ挙式が始まり、新郎入場に続いて新婦がお父さんと一緒に入場してきました。

 純白のドレスを着た新婦りほちゃんはとってもきれいで、そしてお父さんによく似ていました。それから新婦はお父さんと組んでいた腕をほどき新郎の元へ…。 大切に育ててきた可愛い娘が遠い宮城県に嫁いでいこうとしているこの瞬間、どんな気持ちでいるのだろうと、ちょっと切なくなる場面でした。

 

結婚式

 

 さて、次は披露宴会場へと思ったのですが、移動の途中でもう一つ大事なイベントがありました。浜では新しい船をおろすときや、家を新しく建てる時などおめでたい時に行う「餅まき」です。

 浜の人たちは餅まきとなると、普段物静かな人でさえ餅をゲットするために目の色が変わります!そのボルテージのあがりようが、写真から少しは伝わるでしょうか?

 

 餅まき

投げる側と…

 

もちとる側

とる側!

 

披露宴会場では色々なところに「海」がちりばめられていました。

 

 ウェルカムボード

 

ウェディング

 

ウェディングケーキ

気付きました?ウェディングケーキが海!

 

 

 披露宴は終始和やか。お色直しのために退場するときは、自分をエスコートして一緒に退場してくれる相手を新郎新婦それぞれが選ぶ形式で、新婦は北海道からきてくれたおばあちゃんと手を繋いで、そして新郎は同じ浜で仲のいい漁師さんをお姫様抱っこして、それぞれ退場していきました(笑)

 仙台まで足をのばしての式でしたが、ただ都会できれいな会場というだけではなく、自分たちの集落を大切に生きてきた新郎始め浜の人たちらしさと、今まで出会ってきた人との縁を大切にする新婦の心のあたたかさが作り出した、心と心の距離が近い素敵な結婚式でした。

 

 最後に、式が終わり駅までのシャトルバスで私の隣の席に座った女性が、新婦の小学校時代の担任の先生でした。これまでも、大学進学などの節目節目に手紙が届いたりと10年以上交流があったそうで、結婚式にまで呼んでもらえるなんて教師冥利に尽きる、ほかの先生に羨ましがられてねと嬉しそうに話してくれました。

 わたしも小学校時代の先生方のことを思い出すことはあるけれど、手紙なんて卒業以来出していないし、結婚式に招待するという発想すらなかったです…。最後の最後に改めて、新婦りほちゃんの魅力的な生き方に触れることができました。

 

 海と共に生きる、文字通り海のような広い心を持ったともくんと、キュートでしっかりものでちょっと寂しがりやなりほちゃんは本当にベストカップル。浜では震災から6年目にしてやっと高台ができ、新しい家が建ち始まったところです。来春には念願の新居での生活がスタートしているはず♪

 りほちゃんにとっては、慣れない浜での生活に戸惑うこともこれからたくさん出てくると思うけど、2人だったらきっと大丈夫。周りを愛する人は、周りからも愛されるから。そういう二人だから大丈夫。

 

本当に本当におめでとう!!

 

 

☆ともくんとりほちゃんが出逢うきっかけになった「イマ、ココ プロジェクト。」は常時参加者を募集しています。あなたも第二のりほちゃんになっちゃう!?詳細はコチラからどうぞ

 

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