たまには畑を飛び出して
2012/10/22
- 執筆者 安田真也
- 所 属菜食土源
こんにちは。四万十町は旧十和村に引っ越して早くも半年が過ぎてしまった、
立派なお百姓さんを目指している安田です。
半年はどちらかといえば長く感じられ、
肥料を撒いたりクワを使ったりといった畑仕事でもヒィヒィ言わなくなり(多少は言うけれども…)
「成長したのかなぁ」などと思う最近です。
そういえば口内炎も出来てはいません。
9月末に約2ヶ月間頑張ってくれたオクラの収穫を終えました。
そこで短い間ですが、仕事に余裕ができたので海へ釣りに行ってきた話でもしようかなと思っています。
僕は四万十町へ移住する前は埼玉県にいました。
みなさん御存じの通り海の無い県、内陸県であります。
海釣りはおろか、海へすら数える程しか行っていない僕にとって
「海」という響きだけで浮足立ってしまいます。
もちろん年を忘れてはしゃいだりはしませんが。
今回行ってきたのは愛媛県は宇和島市遊子(ゆす)水ヶ浦というところでして、
海に面した斜面に段々畑が広がっているところです。
僕はここへ行く途中に助手席で揺られながらこのことを聞いたんです。
正直、釣りへの期待値がかなり高かったこの時の僕は、
運転手兼ツアー発案者のIさんの言うことを話半分で聞いていたといっても過言ではありません。
で、目的地に到着。それで、以下の光景。
山全体が石垣で組まれた段々畑に。その向かいには海です、宇和海です。
これには驚きます、圧倒されます。一瞬にして釣りのことなど頭の端っこに追いやりましたね。写真をご覧いただければお分かりの通り、ピラミッドのように山のてっぺんまで段が続く段々畑なんです。これまた聞いた話ではこの段々畑は飾りではなく、今でもジャガイモとサツマイモを作っているようです。
上から下へ、トロッコを通すであろうレールが見える。
上からみると結構、いやかなり急。ひとつの段で2mの幅もない。
実際に畑の側まで行ってみると思った以上に急で狭い。こんなところにイモを植えていることを考えると、肥料を撒いたり耕したり植えたり収穫したり…なんて想像も及ばないくらい大変で危険なんじゃないかと思います。平坦な畑でいっぱいいっぱいになってやっている僕の作業が、ここではかなり楽に思えます。この段々畑を維持している人たちにはただ頭が下がるばかりです。
海には養殖のイカダがいっぱい。
釣りの方も楽しみました。夕御飯のおかずゲット。
釣りの話はここまで。釣果はなかなかでした。
朝晩も冷え込むようになり、日も落ちるのが早くなりました。空は高いです。星もキレイにみえる。そんな秋から冬へ移行中の今の畑ですが、菜花植えつけています。
ズラッ!!と菜花。
かなりの広さに植えつけているので腰やら股関節やらが軋んでいる気がしなくはないですが、段々畑を守っている人達を見習って僕も邁進していきます。四万十での初めての冬に身も心も財布も凍えてしまうかもしれませんが。
たまには前だけではなく後ろも振り返って、自分の変化を探してみるのも大事なことだなと感じました。今月もここまで読んでくれる人がいることを祈って。
時間が経っても好きなものっていうのは変わらないものなんです。