ジオ旅のススメ
2012/12/28
- 執筆者 柴田伊廣
- 所 属室戸ジオパーク推進協議会
私が室戸ジオパークの仕事を始めて、今月末でちょうど3年になります。
神奈川県で地質の研究をしていましたが、ジオパークという聞き慣れないプロジェクトに惹かれて、
高知県室戸市に移住してきました。
私の仕事は、岩や地形の楽しい解説をすることがメインです。
他に、ジオパークを楽しむためのパンフレットを作ったり、
ジオパークの案内の方法をガイドさんと一緒に考えたりと、観光に関わる仕事もしています。
さて、今回はそんな私のオススメのジオ旅を紹介します。
ジオパークは、大地の成り立ちを知りながら、大地の上に生息する植物や動物、
そして私たち人間が培ってきた文化や歴史も食も、地域まるごとを楽しむ場所です。
海岸の変な岩がジオパークじゃないですからね~!
では、ジオ旅はじめてみましょう。
■情報収集
室戸ジオパークビジターセンター(道の駅キラメッセ室戸にあります)にまず寄りましょう。
海岸だけでなく室戸市内全域が室戸ジオパークです。
無料で、スタッフがジオパークの魅力を教えてくれますし、ジオパークを巡るコースを教えてくれます。
地図や多種多様のパンフレットをゲットできます。
鯨の博物館(¥200)もオススメです。鯨にまつわる文化を知ることができます。
ビジターセンターの一番のオススメはこれ。
この地図を赤青の3D眼鏡で見ると、、、オ~飛び出る!
地図を見ながら、室戸の大地の成り立ちが簡単に分かるポーズがあるのですが、
それは来てからのお楽しみ。
室戸沖の海底4800メートルの海底から1200メートル掘った場所の岩石標本が見られます。
こうやって、一般の方が気軽に海底下の岩石を見ることができるのは、かなり貴重なので要チェック!
出かける前に、地図やパンフレットをゲットしましょう。
オススメは、このスタンプラリー。地形や地質の情報以外に、室戸ジオパークの小ネタが盛りだくさん。
■腹ごしらえ
ジオパークを巡る時は、おなかがすいちゃいます。
今の季節なら、やっぱり焼き芋でしょう。これは、西山台地でとれた芋で、すごく甘いんです。
道の駅キラメッセ室戸で出来立ての焼き芋を食べられますよ。
甘いわけは、、、、
この山の地形です。段丘(だんきゅう)といって、山が平らです。
日当たりがすごく良いので、美味しい芋ができます。室戸では、芋や野菜を山の上でつくるのは、段丘のおかげなのです。ここは、今から12.5万年前に海底にあって、波によって削られていたのです。その後、繰り返し地震をともなって大地が盛り上がり、このような地形になりました。
ね!大地の成り立ちと私たちの胃袋は関係があったでしょ。
こんな、発見をしていく旅がジオパークの楽しみ方です。
■ガイドを受ける
次は、室戸岬に行きましょう。室戸ジオパークで最も見所の多いエリアです。
ただ景色を見るだけでも、十分に楽しいのですが、やっぱりガイドさんと一緒に歩くと景色の見え方が一気に変わります。ガイドさんは、室戸のおんちゃん、おばちゃん達です。
ガイドさんは、普段の室戸の暮らしや植物や野鳥についても詳しいので、ぜひガイドツアーに参加しましょう。
今は、黄色い花の季節です。冬は、アゼトウナ、シオギク、ツワブキなど
黄色い花が岩の隙間に咲いています。
これは、アゼトウナです。
これは、シオギクといって、高知県南国市~徳島県美波町までの海岸沿いに咲く花です。
一年中観察できるのは、アコウです。
その根は、台風にも飛ばされずしっかりと岩に絡み付いてます。
■空も見よう
室戸ジオパークの魅力の一つは、空です。
海も山も奇麗ですが、空がもの凄く広く感じます。天候にもよりますが、
運が良ければ、海岸線からダルマ朝日もダルマ夕陽を秋~春にかけて見ることができます。
さて、今回は半日で巡るコースを紹介しました。
でも、もっと素敵な場所が室戸ジオパークには沢山あります。
ぜひ、ビジターセンターのスタッフやガイドさんから情報をもらって、
いくつものジオサイト(見所)を巡ってください。
では、次の機会にはジオ的な人々の活動を紹介したいと思います。