町のセールスマン
2013/08/05
いなかマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。
徳島県上勝町、㈱いろどりの粟飯原(あいはら)です。
あっという間に7月が終わり、8月がやってきました。
この8・9月、上勝町に延べ300人近い大学生が
インターンシップやゼミ合宿等で町に訪れてくれます。
人口が約1,850人の町ですから、この数は大した数です。
来た人がみんな上勝ファンになってくれればいいな、と思っています。がんばります。
さて、今回は農家さんへの取材ができていないので、
6・7月にあった出来事をたらたらと書いてお茶を濁そうかと思います。
いえ、ちゃんと書きます。
よければ最後までご覧ください。
6月―昨年は4・5・6月と参加者の数が比較的落ち着いていたのですが、
今年はスタートダッシュが違いました。
短期・長期合わせて8名の方がインターンシップに参加してくれました。
①過去にインターンに参加してくれた方
②過去にインターンに参加してくれた方からの紹介で来てくれた方
③上勝での就農を目指している方
④大学の先生
⑤いなかパイプのサイトから上勝のインターンを知った方 …などなど
最近は①②⑤のように、人のつながりからインターンに参加してくれる方が多いなぁと感じています。
インターンシップ事業を㈱いろどりで初めてちょうど3年ほど。その間の参加者は延べ350名以上になり、今まで積み重ねてきたものが少しずつ芽を出してきているのかもしれないと思うと嬉しくなります。
いっきゅう茶屋
今年の梅雨はあまり雨が降らなかったですね。
早目の台風が2度ほど来ましたがそれも大したことありませんでした。
天気がいいと写真がキレイに撮れます。上の写真は上勝町の産直市・いっきゅう茶屋です。
僕の大好きな場所。
眺めの良い2Fレストランもとれたて野菜が並ぶ1F産直市も素敵です。
なおちゃん
最近、いっきゅう茶屋でよくインターン生の姿が見られるようになったんですよ。
出荷に来る町内の農家さんや買い物に来る町内外の方と関われるし、町でとれる農産物や特産品を知ることもできるのでいい経験になります。
上の写真は、よく上勝町にやってくるなおちゃん。今回は2度目となるインターンへの参加でした。
茶屋に行った日のなおちゃんのレポート。
まるでお手本のような素晴らしいレポートですね。なおちゃんありがとう。
増輪での修了証書授与
恒例となってきたのがインターン生用の宿舎近くの田んぼの前での修了証書授与式。
もっとちゃんとした場所で渡せよ、といった声が聞こえてきそうですが…
ちゃんとした場所で渡すことだってあるんですよ。
でも同期生たちに見守られながら証書を受け取り、拍手してもらうのもなかなかいいもんです!
写真の彼は上勝での就農を目指して、まずは上勝がどんなところか知ってみようということでインターンに参加してくれました。今はインターンを終えて、町内で就農に向けてがんばっています。
田上さん
農家さんの受入先が多い「いろどりインターンシップ」ですが、それだけではありません。
写真は「てるぺん」という木のおもちゃをつくって販売されている田上さん。
田上さんは体験宿泊施設「山の楽校」の代表でもあります。
てるぺんとは?
http://www.irodori.co.jp/asp/nwsitem.asp?nw_id=6126
(いろどりHP「ビバ!インターン!」を参照)
どこに行っても仕事・作業を中心にしながら受入先の方とお話をする、というのがいろどりインターンの基本です。いろいろな経験をされてきた方のお話にはぐいぐい引き込まれるものがあります。
田上さんは某教材販売企業でエリアトップの営業成績を上げる活躍をされながら、10年ほど前に地元・上勝に帰ってきた時に豊かだった実家の前の川の水量が激減していたことに驚き、「上勝の山と川を守らなければ!」と思い、Uターンされてきました。子供時代を実際に上勝で過ごされた方の思いにはやはり特別なものがあります。
社長講義
6月下旬、徳島県にある四国大学に社長と共に伺ってきました。
実はこの四国大学の経営情報学部の一年生115人がこの8月にみんな上勝にやって来てくれるということで、その事前学習のためでした。
この記事を書いている現在、全4回の内の1回目が終わり、2回目を迎え入れようとしているところです。2泊3日の日程なのであっという間ですが、普段と全然違う環境でしたことのない経験をできるだけさせてあげて、長い大学生活を少しでも有意義に過ごせるよう気づきを得てもらうことができたら…と思っています。
松岡けーたろーくんと井川さん
6月末に上勝入りしたのは国際基督教大学の松岡くん。(↑写真左)
とても丁寧な言葉遣いをする彼は「いろどり晩茶生産組合インターンシップ」に参加。
㈱いろどりの訓練事業を経て、昨年「いろどり晩茶生産組合」(http://www.irodori-bancha.com/)を立ち上げた井川さん(↑写真右) の下で上勝阿波晩茶の生産から加工から販売までを学ぶという超現場主義な弾丸インターンシップです。
上勝阿波晩茶は10年ほど前にみのもんたの「思いっきりテレビ」でその効能が取り上げれて以来、大好評販売中の上勝の伝統発酵茶。その晩茶をペットボトル化したところ、売れに売れて井川さんは嬉しい悲鳴をあげ続けていらっしゃいます。そんな勢いに乗る生産組合で松岡くんは井川さんと共に町内・県内を走りまわっています。
東京の企業に就職が決まっており、将来は六次産業のトップランナーになりたいという壮大な夢を持っている松岡くん。
8月末に組合が参加を予定している商品展示会(@東京)が今回の研修の集大成になります。
がんばれ!松岡くん!
上勝ツアー
暑い中、過酷なお茶摘みをがんばってくれたインターン生と一緒に上勝ツアーを敢行したりもしました。
上の写真は映画「人生、いろどり」の重要シーンのロケ地となった川辺。
左のお二人は福島県、宮城県からそれぞれお越しのご姉妹でした。
地元の復興・活性化に貢献したい、と上勝まで勉強に来られました。
とても明るいお二人で、隣の大学生男子2名は終始タジタジでした。
三浦くん
2013年の6月7月といえば僕はこの子を思い出すでしょう。
一ヵ月間上勝町にインターンで来てくれた三浦くん(↑写真)です。
東京生まれ、東京育ちで田舎暮らしに憧れがあこがれて、北海道大学に進学したものの、大学のある札幌は大都市だったことに気づき、一年間大学を休学して今度こそ存分に田舎暮らしをしてやろうと思い、この「いなかパイプ」からいろどりインターンシップを見つけました。
一見おとなしいですが、やっぱり実際もおとなしく、ただ車でも行く途中に不安になってしまう大河原高原という風車のある丘に、宿舎から片道4時間かけて歩いて行ったり、研修中にへその下をダニに噛まれたりと、謎のガッツを持った好青年でした。
大学を途中でボイコットしてしまった僕としては、大学を休学して自分のやりたいことのために行動する三浦くんの心意気は応援してあげたい気持ちがあります。これからまだ復学まで期間があるので三浦くんがどういった選択をするのか、楽しみです。
さあ、6月・7月はこんな感じでした。紹介しきれなかったインターン生の方もいますが、たくさんの方が上勝町に興味を持ってくれてインターンに参加して下さるのは本当にありがたいことです。
東北から来たご姉妹の妹さんの方がおっしゃいました。
「インターンシップの担当者は町のセールスマンですね。」
なるほど!
これはウマいこと言って下さった!と思いました。
もちろん、観光ではなく、あくまでも研修なのでいいところばかり見せていたらいいというわけではありませんが、それも含めて上勝でいい経験ができるように、町のファンになってもらえるように、もっと町のことを知って、来た人に伝えていけるようになろうと思いました。
それではまた次回お会いしましょう!
今月来月は大学生にもまれてきます。
皆様、夏バテしないように気をつけてください!