マニアにはたまらない、川に木造船のある風景

2013/08/23

 

はじめまして。今年の6月から一般社団法人いなかパイプに勤めております、三瀬と申します。

宜しくお願いします。

 

自己紹介でも触れましたが、私は、カヌーやボートに乗ったり、造ることに興味があります。

 

木造船

 

このボートは師匠と共に初めて作った船で、木造ボートの設計・製造が最も盛んだったとされる100年前のアメリカで設計された船を文献から復元したものです。

 

また、アメリカの木製ボート製作学校で技術を学んだり、

幾つかのカヌー工房でお手伝いをしたり、と様々な機会に恵まれてきたために、

船をみるとテンションが上がる性格です。

 

 

 

さて、そんな私が四万十町(四万十川の中流域)で暮らし始めて3カ月程になります。こちらにきて最も驚いたのは、川面に地域の伝統的な木造の川舟が浮かぶ風景が当たり前のようにあることです。

 

沈下橋

川と山の碧に木造船がよく映えると思いませんか?

 

そう遠くない昔の日本では、川や海で使われる船のほとんどが伝統的な木製の船でした。ところが、今日ではほとんどの船が、安く、メンテナンスが楽な強化プラスチック製の船に取って代わられています。私の地元も水郷と呼ばれる地域ではありますが、もはや土地に伝わる木造船が川に浮かんでいる姿をみることはありません。そしてまた伝統的な船を造る技術も、失われてしまったようです。この現象は、全国どの地域でも同じではないでしょうか?

 

ところが、ここ四万十町では、今でも木造の伝統的な川舟がある風景が珍しくないのです。

 

先日偶然にも、四万十町内で新しく造られたばかりの木造の川舟に出会う幸運に恵まれました。

 

川舟

 

オーナーの方にお話を伺うと、趣味で続けているアユ漁用の船が古くなり、新調したものだそうです。

船の真ん中にある湯呑みには、祝いのお酒が注がれています。スギ、ヒノキ、クリを適材適所に使ってできています。

 

川舟の生簀

 

船の真ん中にある箱状の部分は、底面に穴が開いていて、川に浮かべると底から水が入って、生簀になる構造になっています。

 

漁は暗い夜の川で行なうこともあり、幼いころから周囲の山や木の姿を覚えている人だからこそ安全に操作できるとか。また、この船のオーナーは、もう一艘別の船を所有し、漁の用途によって船を使い分けているそうです。

 

その後、オーナーのご厚意で船大工にもお会いすることができました。その方は、本職は大工ながら、これまでに20艘程の船を造っていらっしゃいました。今では新しい注文は殆どなく、久しぶりの製作だったそうですが、まだ現役の船の作り手がいることに、嬉しくなりました。しかし、一般的に木造の川船の耐用年数は10年程と言われています。10年後には、四万十川の風景はどうなっているのでしょうか?

 

 

よそ者として地域づくりの仕事に携わる身として、‟地域にあるものを地域の人が誇りに思えるようになることが地域づくりの目指すところだ”というある人の言葉を胸に留めつつ、どうすればこの風景を残すことが出来るのかを、これから模索していきたいと思います。

宜しくお願いいたします。

 

 

FacebookTwitterLine

▼コメントをどうぞ