『四万十革部』『華麗なる月曜日』などなどOLDeの2013年
年の瀬迫る12月半ば。「今年中にやりたいことリスト」にはまだまだ沢山タスクが残っていました。
・しめ縄をつくる・干しイモをつくる・大掃除をする・・・などなど。
その中の1つ、この「いなかマガジンを書く」。
このタスクは7月くらいからずっとやることリストから消えてませんが、
1年の締めくくりとして、自分の振り返りとしても書いておこうと思い、
やっと執筆にとりかかった次第です。
長文になりますが、しばらくおつきあいくださいませ。
▲今年やりたかったこと「しめ縄をつくる」と「干し柿をつくる」を達成しました!
フリーランスになっての気づき
さて、OLDe(オルデ)としてフリーランスをスタートさせたのが今年4月。
フリーランスといっても収入が安定するまでの間、道の駅や四万十町で調査バイトもしました。
でも今まで組織に属し、雇われていた時とは意識がまったく変わりました。
独立している以上どこでバイトをしていても、たとえ買い物や農作業をしていても、
1個人としての意識が常にあります。
そういった意味ではフリーランスって「自由と責任」を一緒に持てるすごく自分にあった生き方だな~と改めて感じました。
その反面1人でできることの少なさ・体力の無さを目の当たりにし、途方に暮れることもしばしば。
仲間やパートナーがほんと必要だとしみじみ感じています。
来年は他と連携を意識した動きをもっと活発にしようと思います。
そしてフリーランスになったことで自分で時間調整ができ、
田舎だからこそ逃していけない「タイミング」を上手くとることができました。
例えば、
「早く獲らないといけない梅がどっさりある」
「雨が降るのでお米を今日中に刈らなくていけない」
「宴会の準備が昼からあるが人手が足りない」
などなど。
会社や組織に属していたら仕事中簡単に抜けられないものですが、
自分で時間を調整して、臨機応変に対応することで、より自然にそった暮らしができたな~と感じます。
たとえ小さな事でもも大切にしたいという意識が、暮らしている間に芽生えてきたということもあります。
▲味噌作りのお手伝いに行った時の様子。味噌作りに3日間通えたのも時間の調整が可能だったからこそ。
移住して2年8ヶ月経ち、周りの方に沢山お世話になっていますが、
特に大家さんにはいつも梅や桃、しいたけや野菜、沢山のモノをいただきます。
私が何で返せるか、いつも悩んでいましたが、一番はやっぱり「人手」として役に立てるチャンスがあれば必ず応えるコトだなと思います。
「お金がかからない小さなお返し」がお互いにとって気兼ねせず受け渡しできるもの。
そのタイミングやチャンスを逃さないようにしたいと思うようになりました。
▲人手として一番活躍できるのは宴会の準備と片づけ。地域の行事は積極的に参加をします。
ワクワクすることをとにかくやってみた
さて、せっかくフリーランスになったんだからとりあえずやりたいことをやってみる!
ガッツリではなく、ちょっとづついろんなことを「つまみ食い」みたいな年だったな~と思います。
それがどんな形で継続できるかは後回しで、自分がワクワクすること、やりたいことを素直にやってみました。
その1つが、今年5月に思い付きで始めた「四万十革部」。
友人に教えてもらった革細工にすっかりハマり、害獣駆除によって捕まえた鹿の皮を利用できないか?
そう思ったのがきっかけでした。
前回の記事はこちら→https://inaka-pipe.net/20130612/
とにかく鹿皮をなめしてみよう!と思い、なめせる人を探していてたどり着いたのが
四万十川でラフティングや滑床渓谷でキャニオニングのガイドをやっているようちゃん。
なんとタヌキをなめしたことがあるそうな。
なめし作業は合計5回に分けて、せっかくだから誰でも自由に参加できる形で開催しました。
場所を提供してくれたのは西土佐でカフェを営むトコトコ屋さん。
ここがまた四万十川を眺めるには絶景の場所。そのテラスを借りて開催しました。
工程としては以下のとおり。
1)皮についた肉をそぎ落とす。石灰水に浸ける
▼詳しくはこちら
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.494383623966035.1073741828.220016658069401&type=3
2)鹿の毛をそぎ落とす
▼詳しくはこちら
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.498739950197069.1073741829.220016658069401&type=3
3)皮にミョウバンをすり込む
▼詳しくはこちら
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.502317856505945.1073741830.220016658069401&type=3
4)ミョウバンを洗い流し乾かす
▼詳しくはこちら
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.506188442785553.1073741831.220016658069401&type=3
5)皮を削り仕上げる
▼詳しくはこちら
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.576641392406924.1073741837.220016658069401&type=3
これを通常3週間ぐらいでできるところが、塩の量が多すぎたことと梅雨時期になってしまったことで皮の乾きが遅く、また8月の繁忙期になってしまったことで私とようちゃんが身動きが取れなくなってしまったので放置させておりました。。。
で、ようやく再開したのが11月。出来上がった革は、思っていたよりもしっかりしていて、加工もしやすそうな厚みでした。質うんぬんよりも時間をかけて自分でなめしたため愛着が勝り、眺めてはニヤニヤしっぱなしでした。
この経験を通して、いつも鹿皮や肉を提供してくれる猟師さんや、関わってくれたようちゃんや、トコトコ屋さんのまゆみさん、また声かけをして、興味をもって参加してくれた参加者のみなさんとワイワイいいながらやることで、いろんな可能性が広がりました。入口として「革」があり、その奥に伝えたい暮らしや生き方がある。それを共感してくれる人達が増えると、山や川はもっと多くの人達の手で大切にできるんじゃないか、と思うようになりました。
そもそも、鹿はなぜ増えてしまったのか?鹿が増えることによってどんな被害がでるのだろうか?
いろんな人に聞いたり、今の山の実態を知るべく、三嶺山の事例発表に参加したりして知識を深めました。
自然や動物と共存していく、当たり前にやってきた事ができなくなった今の時代に、どうしていけばいいのか。
課題はいっぱいですが、根本として山や田畑を守っていく大切にしたい思いを見失わいように、ジビエ料理やら革細工などブームなども利用しながら、活動を進めていきたいと思います。
とにかく楽しくみんなでやらなきゃ続かない!これ基本です。
拠点があると、できることが増える
そして9月にはシェアオフィスを借りました。場所はシェアオフィス161。
家で一人こもって作業することに限界を感じていていた矢先、
「高知家のシェアオフィス」事業で補助金が出ることを知り、借りることにしました。
拠点ができたことで、さらに活動の幅が広がりました。
▲日によって作業場所を変えます。音楽室からの景色が最高!
※シェアオフィス161についてはこちら
https://inaka-pipe.net/intern/shareoffice/
拠点ができたことではじめたのがシェアオフィスを利用して月曜日のお昼にカレーをみんなで食べるという会『華麗なる月曜日』を月2回開催しました。きっかけは、誰でもあたりまえに安心して生きられるように自分らしく生きる活動として始めた「プチうつ心良所」の考えを形にしたいという思いからでした。
▲華麗なる月曜日。全7回開催し、重複もありますが、合計60名近く集まってカレーを食べました。
都会にいても田舎にいても、ちょっとしたきっかけで病んでしまう、それに怯えることなく、安心して生きるためにはどうしたらいんだろうか?悩みは尽きませんが、考える→動くを繰り返していく私の姿を見せるというのも一つの形なんじゃないと思うようになりました。
田舎は人と関わらずには生きていけません。その反面孤立するのも簡単です。それを目の当たりにすることが多々ありました。それは都会でも同じですが、田舎は特に1人の存在が大きい為、いろんなところに影響がでてきます。
私も含め、十和には移住者が沢山います。定住する仲間と離れていく仲間、
なぜ定住しなかったか、相談できる場がなかったのか。。。
孤立させないために、地域として、友達として、1人の人として何ができるだろうか・・・。
孤立する原因はいろいろあります。だけど、頼れる地域、ご近所、友人、家族、それぞれの関係が閉ざされてなければ、孤立から免れられます。
地域には組や部落単位での集まりがあり、また消防団や、ボランティアなど、探せばいろんなコミュニティが存在します。
楽しくて集まるものもあれば、「やらなきゃいけない」義務のようなものも。
利害も関係なく、誰でも関わりやすいコミュニティが作りたい。
そんな想いを詰め込んだのが「華麗なる月曜日」でした。
みんなの顔をみて、一緒にカレーを食べる、単純なことだけど、それによって、みんなの様子に早くきづけるかもしれない。悩みがもしできても、気軽に話せる空間があれば、簡単に解決できるかもしれない。
この会にはそんな期待もありました。
7回開催してみて思ったことは、何より一番自分が楽しんでいるな~という事です。
月曜日のお昼開催では集まれる人が限られるということ、それでも毎回集まってくれる人達がいて、それぞれがこの会に集まって、カレーを食べ終わった後もワイワイ話して帰っていく、この空間を楽しんでいるな~ということを感じたし、それが嬉しかったです。
7回目については初めて夜に開催をしてみました。この時はいつも昼間開催だと来れない人もたくさん来てくれて開催の日時については検討が必要だなぁ~と思いました。
この会を開催にあたり、いろんな人が差し入れをもってきてくれたり、お米も提供してくれたり、鹿肉やしいたけ、野菜などを頂いたりと、いろんな方の協力があって会が成り立っています。感謝の気持ちも大切だけど、この会の必要性を感じた以上継続していくためのことも考えなくてはいけません。
念の為に言うと、私はカレー屋さんになりたい訳ではなく、カレーで事業を、と思っている訳ではありません。お金が回り、地域や人々に必要だと認められるようになれば事業になると思っています。
今後は移住者だけで集まらず地域の方にもどんどん入ってきてほしいし、いろんな人が関わってもらえるそんな仕掛けが必要だな~と感じています。
春には野外でもやりたいな~っと思ってます。
外部の活動もいろいろつまみ食い
四国内で地域に関わり活動している20~30代の仲間があつまったプラットフォーム。メンバーそれぞれの活動や想いにとても刺激をうけて一緒に活動しています。2013年はそれぞれの地域を巡ろうということで、「かえとこツアー」を開催したり、大阪や東京のイベントに参加したりと活動の幅はどんどん広がります。
そして新年早々に「新春シコクゾメ」というイベントも開催します。
▼12/27現在 若干の余裕あり!申し込み詳細はこちらから
https://www.facebook.com/events/317066061765140/?fref=ts
しまんとの豊かさを伝える取り組みとして「しまんと新聞ばっぐ」のインストラクターをしています。
はたフェスなどイベントで新聞ばっぐ作り方の講座を開催しました。
基本的にモノをつくることが好きで始めたこの新聞ばっぐづくりですが、
地球にやさしいコト・モノの考え方をいろんな人と共有しながら楽しんでいます。
▼しまんと新聞ばっぐについてはこちら
http://shimanto-shinbun-bag.jp/
といって表立った活動はほとんどなく・・・
四万十町に移住したいな~と思っている方がいれば、私の目線での魅力はたっぷりお伝えできると思います。とはいえ四万十町内にどれだけ空家あるのかとか具体的な情報はもっておらず、実際の暮らしてみての状況などをお話して、移住前の不安などが少しでも解消できるようなお手伝いができればとおもっています。
▼地域移住サポーターについてはこちら
http://www.pref.kochi.lg.jp/~chiiki/iju/doc/localsupport.shtml
と、まあ活動をいろいろやっていますが、収入のほぼ8割がWEB制作。
このいなかパイプのWEB制作もお手伝いさせてもらっています。
いなかととかいをつなげるべく頑張ってます。
イラストやPOPの制作、チラシのお仕事も1割程度。
地元のお仕事ができるのは、とても有難いなぁと感じています。
▲今年は地元地域の「五ツ鹿踊り保存会」のジャンバーも制作しました
そんなこんなで、2013年の振り返りにお付き合いくださりありがとうございました!
2014年もOLDeをよろしくおねがいいたします!
▼OLDeのFacebookはこちら
https://www.facebook.com/olde.jp