空き家になったじーちゃん家①

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執筆者 安澤真希
所 属かつおゲストハウス

2014/07/02

こんにちは。かつおゲストハウス女将のマッキーです。

先日久しぶりに、父の実家であるじーちゃんばーちゃん家に里帰りしておりました。

 

目的は、家の掃除・片付け。

そしてこの家の有効活用を模索すること。

 

 実は、主であるじーちゃんばーちゃんは4年前から老人ホームに入居していて、この家は空き家になっています。そのため、我々、孫子どもが定期的に帰省しては、家に風を通したり、蜘蛛の巣を追い払ったりして、なんとなく家を守っているのです。そして、家の畑や山には、果樹や野菜がまだまだた~っくさーんなっていて、それらを管理するのも我々家族の勤め。

 

 とはいえ、じーちゃん家があるのは高知県の最西端にある大月町。高速道路に乗ったとしても高知市内からはノンストップで2時間30分かかるわけで。「これじゃあ岡山へ行った方が近いやん」というのは、道中お決まりのセリフ。

 

 大月町

柏島や珊瑚、ダイビングで有名な大月町

 

 それでいて父は大月町に帰って暮らすというわけではなく、あと2年は高知市内で働くつもりだし、私も宿のお仕事があるし、なかなか大月まで帰ってあげられないのが現状。とはいえ、家はおんぼろ、土地を売っても大したお金にはならないし、父は長男なのでを手放したすることもできず、さらに「父の夢」という団塊の世代特有の第二の人生論がのっかって、はてさてこの家と土地をどーしたもんか、どうやって有効利用したら良いのかと、甚だ困っておるのです。

 じーちゃんが商家出で立派な家だったら、そこを宿にしたり住み込んだりと色んな道が開けるのだろうけど、生憎、農家どまりだったであろう前田家の家は、頑張っても「ゲゲゲ」「どろろ」「トトロ」あたりの世界をさまよっている感じで、お世辞でも素敵な家とはいえないのであ~る。あ、でも捉え方によってはなかなか味がある家で、私は好きなんですけどね。

 

木の鳥居

木の鳥居に守られているみたい

 

木が多すぎ!?

それにしても木が多すぎ!?

 

電気もガスも通ってます!

一応、電気もガスも通ってます!

 

 じーちゃん家は昭和29年に完成、築約60年といったところ。家の外には牛小屋、納屋、手洗い場、薪風呂、ボットントイレ、土間の炊事場が今でも残っています。父曰く、昔は外で牛も鳥も犬も飼って世話をしていたし、外のボットントイレの汲取も自分達でやって畑にまいて、野菜を育てながらサナダ虫もお腹に飼っていたそう。さらに父は、母屋のはなれにあった馬小屋で産まれたという、聖徳太子やキリストのようなお家柄。

 

 私も記憶をたどれば、たしか家の庭で、ハブvsマングースならぬ「前田家のニワトリVS野生のヘビ」の戦いが勃発。そこに助っ人のじーちゃんが加わり「じーちゃんVSヘビ」の命をかけた戦いに発展。さらにリングサイドにいたばーちゃんまでもが乱入し「ばーちゃんの素足VSムカデ」の外野戦へと突入。それはまさに地獄絵図のような光景で、幼い私と都会育ちの母は阿鼻叫喚でした。

 

牛舎

最高で肉牛を9頭飼ってたそうです

 

納屋

納屋は2カ所もあります。トタンですが

 

手作りの手荒い場

手作りの手荒い場。水も飲めるよ

 

薪風呂

薪風呂。手直しすればまだ使えるハズ

 

ボットントイレ

ボットントイレはさすがに壊した方が…

 

台所

台所。ここもかなりのリフォームが必要かと

 

台所

台所に釜がないのが残念

 

 

そういや、四季折々にこんなこともありました。

 

ボットントイレに片足を突っ込んでしまい、ウンコまみれになりかけたあの春の日。

トイレの穴の中に蠢く大量の白いイモムシが、実は「ハエの子」だとばーちゃんから教わったあの夏の日。

ヒルが足についているのを気づかず、血を吸われた雨の日。

思いがけない虫たちの出現にビビりまくり、溺れそうになった夜の薪風呂。

犬に追いかけられた昼下がり。

 

あぁ… 古いアルバムの中に隠れて虫がいっぱい… (そんな歌あったよね。)

 

 

 

家の外だけなく、家の中でもトホホな事件が色々ありました。。。。

靴にムカデが入ってたり、

ムカデが顔をはったり、

ヘビがネズミめがけて天井をはったり、

土間からこけたり、

囲炉裏の火が上手につかず部屋中がくすぶったり、

煤がたまって天井が真っ黒になったり、

シロアリにやられて床が抜けたり、

天井部屋がなんだか怖くて入れなかったり、

ツバメが家の中に巣をつくったり。

 

部屋

6畳4部屋、10畳1部屋、2階1部屋

 

じーちゃんの山

家の裏はじーちゃんの山!

 

囲炉裏

昔は囲炉裏を使用していた部屋

 

囲炉裏の煙

囲炉裏の煙をにがす天井の穴

 

天井部屋へ続く階段

天井部屋へ続く階段。急すぎる

 

床が抜けた

床が抜けたーーーーーー

 

 

 そんなじーちゃんばーちゃんの家も、2人が年をとるにつれ使い勝手が悪くなってきたので、10年前に父がリフォームを敢行しました。土間をつぶして、風呂、トイレ、キッチンを屋内にも作ってあげたのです。それにより、前よりは随分住みやすくはなったはず。

 

トイレ

 

台所

 

風呂

 

洗面所

 

 

 とにもかくにも、思い返すだけでもクラクラしてくるような、四季折々サバイバルだったじーちゃんばーちゃん家。でも、本当にスゴイのはここから!じーちゃんばーちゃんが所有する山・田・畑・果樹園がこれまたスゴイ!そして父の大いなる夢がそこにかぶさり、次回は、前田家の威信をかけたスペクタクルな夢物語に発展する。

 

果樹園

 

 

 私たちは家族は今、この、愛すべきじーちゃんばーちゃん家を、そして畑を今後どうやって管理していくか、そしてどういう風に有効活用していけるのか、模索しています。空き家にしていると家が古くなるいっぽうなので、誰かに住んでもらいたい。山・田・畑・果樹園もほったらかしにしていたら荒れるいっぽうなので、誰かに管理して欲しい。そして父が培ってきた農業技術も育てた果樹園も、誰かに後継していきたい。そのためにはどうすれば良いか… 前田家は家族総出で真剣に考えているのです。

 

つづく。

 

 

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