地域に根付くとは?
- 執筆者 多田朋孔
- 所 属特定非営利活動法人地域おこし
2014/07/10
私は2010年の2月から田舎暮らしを始めました。ですので、2014年7月現在で4年5か月となります。
最初は地域おこし協力隊の飛渡地区担当として3年間活動をしました。自分としては3年間で結構地域に溶け込んだなと思っており、自分が住んでいる池谷集落内ではそういう感じになっていたと思います。ただ、飛渡地区という地区は14集落あり、まだまだ他の集落の方々からしてみるとそんなに地域に溶け込んでいたとは思ってない人もいたようです。
実際、若い人達(と言っても20代~50代まで含んでいます)が集まるある飲み会では最近
「多田君もようやく地域の人になってきた」
という風に言われるようになってきました。
そういうことをおっしゃった方から言わせると
「地域に住む人からすれば、いついなくなるかもしれないような外部の人は信用できない。」
という事でした。
地域おこし協力隊で活動していた時はお年寄りとの接点は多かったのですが、地域の若い人との接点はそれに比べるとかなり少なかったです。なので、若い方で接点の少なかった人からすれば、私の事はまだまだ良くわからないよそ者だという認識だったのでしょう。
協力隊の任期が終了して1年を超え、子供も長男が小学生になり、
消防団にも入って今年はポンプ操法の大会で指揮者として、大会が近付いてきたら毎朝5時頃から皆で練習をしてきたりした事で、だんだん地域の人として根付いてきたと思われるようになってきたのだと思います。
「根付く」という言葉はなかなか良くできた言葉だと思います。
稲を植えても根付く前だとすぐに抜いて別の場所に植えかえることが出来ます。地域に根付いてないとすぐにどこかへ引っ越して行ってしまう事が出来ます。
稲の根っこが活着したら抜けにくくなり、さらに成長して根が張るとちっとやそっとでは抜けなくなります。地域に根付くとは家族も含めて地域の一員になっていく事だと思います。そして住む期間が長くなればなる程、地域での人間関係も深くなり益々地域に根付く度合いが深まると思います。
先日、濃実会という小学校の子供達の川遊びを企画・運営している若手(20~50代)が集まる会の懇親会で、何と私が天神囃子(てんじんばやし)という祝い唄の音頭取りをさせて頂きました。この時出席していた人数は40人ぐらいいたと思いますが、その中で私が指名されたのです。
歌い終わった時には
「多田君も地域の人になったなあ。」
と言われ、純粋に嬉しかったです。
田舎暮らしをする人は是非地域に溶け込み、地域に根付くという事を大事にした方が良いと思います。