人生・価値観を豊かにする方法(の一つ)をお伝えします。
梅雨が明けて、2度目の熱い対馬の夏が目前です。今、間違いなく対馬が熱い!この100年間で平均気温が2度も上昇。ヒート・アイランドな島、対馬。今年の夏の間、対馬には、なんと少なくとも50名の若者が、地域づくりを学びにきます!http://fieldcampus.city.tsushima.nagasaki.jp/
どんなキャラの立った若者が来て、どんな出会いの化学反応・学びの連鎖が起こるのか。今から楽しみ夜も眠れません(正確に言うと、仕事が忙しくて眠れませんw。)
忙しいことは幸せなことです。対馬にきて、こんなに忙しい日々を送るとは夢にも思っていなかった、1年前。不思議と、ストレスは全く感じないのに、仕事量は、東京でバリバリ働いていた時よりも多い気がしています。でも、この充実感・ウキウキ感といったら、うまく表現できません。
対馬にきて、33年間で凝り固まった価値観が、ガラッと変わりました。
人のことがもっと好きになりました。
感動することが多くなりました。
人と人とのつながりの素晴らしさを知りました。
生きることがもっともっと楽しくなりました。
お金に執着しなくなりました。
「お金を稼ぐために働いている」感覚は一切なくなりました。
だって、お金がなくても、食べていけてしまうんですのも、対馬は。
なぜかは、最後まで読んでくださった方にお教えします。
田舎は、悠々自適で、スローライフだ〜!そんな想像をしてきたのに、見事に裏切られました。寝る間も惜しむくらい、することが山ほどあります。
「ヅシマさぁぎぃて〜、な〜してそんなに忙しくしとるか、さっーぱりわからんばってん!なーんもすることねーべー、ここには〜。」
いやいや、やることがありすぎて、困るんです、対馬。
夕飯のおかずを確保するための釣の時間。
素敵な風景や人を訪れて写真におさめる時間。
気心知れた仲間たちと飲み、語る時間。
贅沢な海の幸・山の幸を頂きながら楽しく過ごす時間。
そうそう、対馬市の未来を考えるお仕事の時間 笑)。 …
お仕事といえば、いなかパイプのササクラ レオさんは、琉球大学時代の英語サークルの大先輩。ともに英語劇に参加した仲間です。まさかこの業界で、12年ぶりに偶然にも再会するとはお互い夢にも思わず。そして偶然の再会から、今や信頼のおけるビジネスパートナー。人生面白いですね。
すみません、とりとめもなく書きなぐってしまいましたが、改めて。はじめましてMITの統括マネージャーをしております、吉野 元と申します。生まれも育ちも杜の都 仙台。大学は琉球大学。その後、証拠にもなく地元東北大学・大学院に進学し、なんと生命科学博士までとってしまいました。専門は、進化生態学です。ダーウィンやガラパゴス諸島で有名な進化論を5年間もかけて追究したんですね、コウモリ博士です。
対馬のキクガシラコウモリ
小学校のころから、海洋哺乳類のシャチが好きで、シャチの研究がしたいと思って、大学も海洋自然学科に進学しました。大学院の研究はコウモリのエコーロケーション(反響定位)の音声変異と進化についてです。光ではなく音を使って世界を見ている空を制したコウモリと海を制したシャチ。ここらへんの経緯はすっ飛ばして… その共通点から強引に、ノルウェーやアイスランドのシャチの調査研究にたどり着けました。
アイスランドのシャチ
アイスランドのニシツノメドリ
小学校からの夢を実現した瞬間。なんだか不思議な感覚で、まさに夢から覚めた気分でした。ところが、わりとあっさり、「さて次の夢は何かな」と、帰りの飛行機で考えるようになっていました。
ちょうどそんな時期で、東北大学の博士人財育成プログラムを受講していました。やっと世界が注目しはじめた生物多様性の保全だったり、持続可能な社会について学ぶ機会がありました。(これは、生態学をとことん学んだ博士が、社会で活躍できるようになるためのプログラムで、Ecosystem Professional Manager (PEM)という東北大学認定の資格です。)その一貫で、ボルネオを訪問したのですが、これまた何とも美しい野生動物たち。
ボルネオ島の生き物たち
でも、その隣の地域では、地平線の果てまでオイルパームプランテーション畑が広がっている異様な光景。もともと生物の豊かな熱帯雨林。何億年とかけて生き物が進化し作り出された生態系が、ほんの一瞬で、人の手で抹消される世界。
熱帯雨林を皆伐して植えたオイルパームプランテーションが地平線まで広がる
ところで、皆さん。パーム油って何に使われているかご存知でしょうか?チョコレート、菓子パン、インスタントラーメン、化粧品… コンビニで販売されている商品の多くに含まれているんですね。つまり、私たち日本人が使うもののために、何億年とかけて出来上がった奇跡の楽園が未来永劫、無になってしまっているのです。
ショックでした。
ある種自己嫌悪です。普通に暮らしていることが罪では?
それ以降、このままの社会でいいのだろうか。もっと違う社会を作っていかなければならないのではないか。持続可能な社会とはどんな社会なのだろうか?と、自問自答を繰り返す日々です。ちなみに、有名な国際NGOであるナチュラル・ステップが提唱している持続可能な社会は、以下の4つを満たすものだそうです。
1. 地殻から物質(重金属や化石燃料など)を掘り出さない
2. 新たな化学物質(ダイオキシン、PCB、DDTなど)を自然界に放出しない
3. 生態系を破壊しない(森林の乱伐採や重要な野生の生息地を消滅させるなど)
4. 人々の生きる権利を妨げない(基本的人権の尊重)
さて、ご縁があり、環境省の自然環境局で1年間非常勤職員として、名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に役人として参加しました。その後、東京の環境経営コンサルティング会社でコンサルタント(企業人)として2年働きました。研究者、役人、企業人を少しずつかじった私は、次はやっぱりNPOか政治家でしょうかね 笑)。
仕事はやりがいもあったし、日々充実していたのですが、やっぱり都会で住んでいることに違和感を感じざるを得なかったですね。
食べているものがどこで作られているかもわからない。
お金がないと生きていけないから、きつくても、やりたくなくても働かないといけない。
知らない人が密着する通勤列車。不愉快、極まりない。
休日は、平日の仕事の疲れを取り、外食で不健康・不摂生な生活。
そんな生活をしている間に、どこかの地域では、自然が人の手によって消えていく…。
なんだか、不完全燃焼の日々でした。けっして鬱病ではなく、これではだめだって漠然と思っていました。そんな中、MIT専務理事(当時、島おこし協働隊)の川口(当時、木村)幹子から、対馬に来ないかという連絡がありました。川口とは、上記の東北大のPEMの同志で、研究室仲間で、同じ釜の飯も食べた10年来の仲間です。川口の記事はこちら。
「地域住民と大学生がwin-win になる地域づくり活動をコーディネートする人を探している。元ちゃんが適任だと思うから、対馬こない?」(悪魔のささやき)
川口の熱い想い。「私は、森も海も里もあるここ志多留地区に惚れ込んだ。自分たちの住んでいる志多留地区を持続可能にして、実践に基づく、地に足のついた提案を社会にしていきたい。」
志多留の高台からの景色(海側)
志多留の高台からの景色(集落・里山側)
川口の目指していることは、とても共感できることでした。そして、自分が必要とされているのではないかという思い。1週間で決断し、3週間後には会社を退職し、対馬に移住しました。思い立ったらすぐ行動するのが、よくもわるくも私の癖です。ちなみに、決めてとなった一つの記事はこちら。結局はこれが根幹にあるんです。
それからというもの、私の生活はもちろん、一変しました。何度、今なら死んでもいい!と感動する瞬間が訪れたことか。我らが細井 代表理事の炙りトロ寒ブリの握りや刺身を食べたときの感動は忘れられません。持続可能な漁業を実行する代表理事は、私たち社員のメンターです。
細井邸で頂いた黄金アナゴの刺身
対馬の美しい風景や素敵な人々の笑顔を撮れたときも心がウキウキしますね。価値観を共有し、同じ目標に向かって切磋琢磨できる同僚たちと仕事をしている時も幸せを感じます。松野の描くデザインは、MITの想いを形にし、人を魅了します。
ソーシャルベンチャー企業。今後、修羅場が続いていくと思いますが、MITの仲間となら、それも楽しく乗り越えられる気がします。MITのウェブはこちら(近日コンテンツ充実予定)
対馬にいたからこそ味わえた幸せ。
幸せを多く実感できる環境・地域に人々は集まってくる、そして住み続ける。
対馬でも、2035年には、人口が半分になると予測されています。高齢化し、子どもがいなくなる。これまでに直面したことのない社会が到来する。新しい価値観をもったくらし方の探求。ワクワクするくらしを作る。対馬にはそのヒントや可能性が無限に広がっていると思います。
今年MITでは、対馬市全体の今後の方向性を決め、具体的なアクションを考える「総合計画」の策定の改訂のお手伝いをしています。限界集落が増え続ける中で、崖っぷちの市民手作りの計画です。そして、その計画作りを支援してくれる仲間も増えました。対馬市の外部集落支援員たちです。職員ですが、ほぼMITが連れ込んだ仲間たちです。新進気鋭のルーキーが、外からの目線で対馬の皆さんにどう刺激を与えていけるのか、期待しています。
昨年の島おこし実践塾の参加者2名(大学休学中)を含む、島外出身者たち。(松野デザイナー 作)
対馬市長の強烈なリーダーシップがあったからこその、日本が注目する持続可能な地域社会の実現に向けた総合計画ができますので、乞うご期待!
さてさて、最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございます。きっと対馬に、MITに興味を持っていただいた方と思います。どうですか、一緒に私たちと一緒に、新しい持続可能なくらしを作っていきませんか? ということで、MITでは、対馬の魅力を堪能し、その楽しさを共有できるツアーを企画し、展開していく観光コーディネーターを募集しています!自分の好きな事を自分の目で見てそれをカタチにする。そんな人生があったらいいなと思っている方はぜひご連絡ください。詳細は、近日中に日本仕事百貨の求人サイトをご覧ください。
とても脈絡のない話になってしまいましたが、最後に。上記のお金がなくても対馬で行きていける理由は、「お裾分け文化」が根強く残っていることです。これまでに近所の皆さんから頂いたお裾分けは、数えきれません。
野菜では、例えば、キュウリ、ナス、トマト、ダイコン、シソ、キャベツ、ハクサイ、カボチャ、ニンニク、ピーマン、ニンジン、タマネギ、シイタケ…
タンパク源は、アジ、イカ、カニ、ウニ、アワビ、サザエ、ハガツオ、スズメダイ、イサキ、イシダイ、タイ、カサゴ、天然ウナギ、アユ、卵…
時には、梅干し、煮物、佃煮、鍋料理一式、炊き込み御飯一式…
まるまる一匹頂いた、ハガツオ。「捌いて、食べてみんね。」
各種大量。旬のものをただで味わう。幸せ過ぎる。ありがとうみなさまー。恩返しは、身体で。笑) 志多留に4ヶ月間滞在したインターン生も、滞在中一切食費はかからなかったと言っています。こんな素晴らしい文化をもつ、対馬。この文化を育てていけば、貨幣経済・資本主義社会から脱皮した新しい価値観(人のつながりで生きる)を作り、持続可能で、自給自足の社会がうまれてくるのではないかと、ワクワクしています。そんな野望を対馬市の総合計画に盛り込んでいこうと思っています。
『半農半X』
対馬にも講演に来てくださった、塩見直紀氏さんの提唱する生き方。私たちは、半農(漁/デザイン/専門性)半MITで楽しく生きていきます!仕事がないから、田舎に住みたくても、住めない?いえいえ、田舎には都会以上の地に足の着いた、自分に還ってくる「なりわい」が無限にあると思います。あれやこれやと、できない理由を挙げずに、一歩踏み出す勇気。それだけがあれば、前に進むのではないでしょうか。
そうです、表題でもある、「人生・価値観を豊かにする方法の一つ」の答えは、対馬に飛び込み、MITで仕事をすることです!(笑)
対馬で待っています。
対馬で働きませんか?着地型観光コーディネーター募集中!!
一般社団法人MITは、対馬を実験場として、自然の恵みや文化や知恵を活かした持続可能な社会にむけて“くらし方”を提案・実行する団体です。活動拠点の対馬は、人も自然も文化も素晴らしいまさに宝の島です!ありすぎて困るんです、対馬。
私たちは対馬に魅せられたIターンの若者の集まりですが、地元の方々とわくわくする地域づくりを進めています。私たちと一緒に、対馬の魅力をみつけ、それらをいかした新たな“くらし方”をつくり、多くの人につたえ創発を生み出す、やる気と情熱のある方を探しています!
今回募集しているのは、観光コーディネーターです。対馬に一度くれば、その魅力の虜になること間違いなし!そんな対馬との出会いをまずはあなたに体験してほしい。そしてその感動をもとに、対馬のありのままの魅力を体験できる“くらしの旅”ツアーをプロデュース・コーディネートしてください。
MITの活動は別添のチラシ、または、以下をご覧ください。
【ウェブサイト】http://mit.or.jp/
【Facebookページ】 https://www.facebook.com/MIT.or.jp
■業務職種
・着地型観光コーディネーター(1名)
■業務内容
・対馬のありのままの魅力を体験する“くらしの旅”ツアーをプロデュース・コーディネートする。
エコツーリズム・グリーンツーリズム・スタディーツーリズムを主軸とした着地型の観光商品の開発、運営
広報活動(インターネットを利用した情報発信、パンフレット作成等)
民泊ネットワークの構築と運営
・対馬の魅力が詰まった特産品の開発と直販体制の整備
グリーンツーリズムと連携し、地元素材を活かした特産品の商品開発
インターネット直販サイトの開設
特産品等の魅力発信、販売状況等の情報発信
■必要な経験・能力・条件
○必須能力(業務内容に照らして必須)
観光業や広告業の業務経験(3年以上)を有する方
通常のパソコン作業(Word, Excel, PowerPointなど)ができる方。ウェブページやブログを作成したことのある方が望ましい
積極的に島社会に入り込み、地域活動をともにできる方。住民等と十分にコミュニケーションが取れる方
普通自動車運転免許を所持し、実際に運転できる方
○生き方・働き方(こんな人におすすめ)
地方での生活に魅力を感じ、ソーシャルビジネスに興味がある方
半農半X、半漁半Xなどの仕事の形態を実現したい方
対馬に魅力を感じ、対馬の良さを知ってもらうことに興味がある方
MITの活動に共感できる方
■募集期間
2014年6月20日〜 (8月1日から採用)
※採用者が確定し次第終了。
■勤務形態
・常勤
■給与・各種手当・福利厚生
・18万円 ※職歴の反映制度あり
・通勤手当支給
■勤務地
対馬市上県町志多留
■勤務時間
・8:45〜17:30(休憩12時00分〜13時00分)
■応募方法
・履歴書(写真貼付)および経歴書、簡単な志望理由を、下記宛に郵送またはメールにてお送りください。書類選考後、書類審査の通過者には個別に面接(skype面接可)をご案内いたします。
*今回ご応募いただきました書類は返却いたしませんので予めご了承ください。
*合否に関わらずお送りいただいた書類は当社で責任をもって破棄します。
■送付先
〒817-1533
長崎県対馬市上県町志多留208番地
一般社団法人MIT
TEL&FAX: 0920-85-1755
担当:吉野
e-mail: hajimeyoshino@mit.or.jp
※@マークを小文字にかえてメール送信下さい