無農薬・無化学肥料での米作りと中国からの取材

 

今年は農薬・化学肥料不使用の田んぼの稲がとても調子よく育っています。

 

田んぼ

 

稲

 

この穂は枝梗は12本でもみの数は202粒ありました。

 

稲穂

 

肥料は5月17日に元肥として以下をまきました。

 

●うちで飼っている鶏の自家製鶏糞を1反歩あたり約150kg

BIGアミノ1045kg  ※有機JAS企画適合肥料

スーパー天然ミネラル 60kg  ※有機農産物生産認定肥料

 

耕起はせず、半不耕起という事で代掻きのみ浅く行いました。田植えは5月31日に「田んぼへ行こう!」のイベントで大勢でワイワイと手植えで行いました。株間は30センチ×30センチにしました。

 

田んぼへ行こう!

 

追肥として以下をまきました。

 

●6月6日 米ぬかペレット約100kg

●7月16日 BIGアミノ10 約23kg

 

 米ぬかペレットは本来であれば、田植え1週間前に1回目の代掻きを行い、続いて、田植え1日前に2回目の代掻きを行い、2回目の代掻きから3日以内に撒かないと除草効果が薄いのですが、自分は代掻きから1週間程度間を空けてしまったので、米ぬか除草の効果を今年は発揮できませんでした。

 草取りは6月14日~8月6日にかけて約45時間行いました。方法としては手押しの除草機で縦横に入りました。去年は草取りに80時間以上かけていたにもかかわらず雑草が多かったのですが、適期に除草出来ればこれほどになるという事が実践でき、自信がつきました。草取りは早朝からちゃめ仕事(朝飯前の仕事)で一人で行っていたため、写真がありません。

 

 無農薬で稲を作るのは草との戦いであり、それも夏の暑い盛りにぬかるんだ田んぼの中で中腰で草を取るため、結構な重労働です。なので高齢の農家の方は「とても無農薬でなんて出来るわけがない」とおっしゃる方がほとんどです。実際、5年間無農薬の稲作りをしていますが、今年のように上手く行ったことは初めてでした。去年までは草の勢いに稲が負けてしまっている部分があったりして納得いく形では出来ませんでした。ですが、毎年の積み重ねというのは大きく、1年毎に「今年はこういう失敗をしたので、来年は改善しよう。」と考えるようになると、年々成長を感じることができます。

 

 田んぼへ行こう!の稲刈りの回(10月3日~5日)にはこの田んぼの手刈り&はざかけを行います。是非上手くいった無農薬田の様子を見に来ませんか?

 

 田んぼへ行こう!の詳細はこちら

 

 

 話はかわりますが、9月18日の午前中に、中国の新周刊という雑誌社からの取材がありました。『新周刊』は「中国で最も新進気鋭の時事生活雑誌」をモットーに、1996年8月18日に創刊したビジネス誌で発行部数は約50万部(全国の書店、コンビニ、スタンドにて販売)です。特集、経済、事件、社会生活、自動車、写真、芸術、文化、都市、国際問題などの分野を報道しています。笹川平和財団の方が十日町市役所を通じて調整をして下さっていました。

 

 まずは、池谷分校で私たちの取組をお話し、色々と質疑応答など意見交換をしました。

 

笹川平和財団

 

その後、「田んぼが見たい」という事でしたので、私が主に管理している実行委員会の田んぼを見ていただきました。

 

実行委員会の田んぼ

 

 中国の方々のお話によると、現在の中国は水や土壌の汚染がひどく、農村では村中同じ病気にかかるような状況が発生しており、お金を持っている人は日本の食材が安全だというので日本の食材の需要が高いそうです。直接の情報ではない形で中国の食材は安全ではないというようなイメージを私は持っていたのですが、こうやって現地の状況を聞くと実にリアルに感じました。

 イメージとしては中国は昔の日本の高度成長期のような勢いで経済成長を遂げている中、反面農村の汚染はひどく、かつての日本の水俣病やイタイイタイ病のような状況があって村中同じ病気になるような状況のようです。中国は日本の後追いで社会が変わっていっている状態であり、日本が辿った道を中国も辿っていくのでしょう。

 

 中国では一人っ子政策の結果日本よりも急激に少子高齢化社会になっていく事が目に見えている中で、ある意味日本が今後どうやって今の少子高齢化社会を乗り切っていくのか?という事は中国の未来を作っていく上でも重要な問題であると言えます。そういう中国の状況の中で、日本の中山間地の高齢化集落を見に来たというのはある意味こういう中山間地が世界の最先端でもあると言えると思います。

 今回、中国に住む中国人の方から直接中国の様子を聞く事が出来たのはとても勉強になりました。(向うが取材に来ているのにこちらが勉強になってしまいました。)

TPPはできれば避けたいですが、おそらく既定路線になってしまっている中、また、お米の相場が年々下がっている中で米農家を続けていくためにはやはり輸出という事も念頭に置く必要があると思います。

 

 私自身はこれまではあまり輸出という事についてピンときてなかった部分があり、中国の富裕層にお米を売ればよいという話を聞いても、「確かに売れたらいいね」ぐらいにしか思ってなかったのですが、今回取材にお越しになられた方は皆さんお土産にお米を買っていきたいという事で、その場で用意したお米は全て買って行って下さいました。白がゆも4つ、山菜ごはんの素も2つ買って頂き、こういった視察や取材でお越し頂いた方々の中では一番お土産としての販売が多かったです。(まあ、ふつう視察に来る方は日本の農村の方が多く、自分自身でもお米を作っている方がほとんどなので、お土産にお米を買う人はほぼ皆無でしたが。)

 

新周刊

 

 こういう事もあり、中国では日本のお米のニーズがあるという事を肌感覚として実感しました。今回の取材内容が中国でどのように紹介されるのか、雑誌の発行が楽しみです。今後、中国語も勉強する必要があるかもしれません。

 

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