地域と知域

2015/03/10

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執筆者 鈴木祐輔
所 属(株)ひろの屋

 こんにちは。はじめまして。鈴木祐輔と申します。岩手県三陸で海に関わるお仕事をしています。皆さんからは、『ゆーすけ!ユースケ!』と呼ばれています。汗臭い男ですが、皆さんも見かけましたら、お声掛けください。

 昨年の11月くらいに登録させてもらっていたのに、投稿が遅くなりまして申し訳ございません。さて、レオさんに突っ突かれて、突っ突かれての最初の投稿になりますが、実は最初に書こうと思っていたことは決めていました。

 

 岩手の海

 

地域を良くする?地域の為に?田舎の強みって?

 

 地域ビジネスをするときに必ず考えることです。僕は地域の為に!となってしまうと重荷になってしまい、どうしても八方塞がりな壁にぶち当たって考え込んでしまうことが多かったです。僕は陸前高田市出身で、震災直後、大きな被害が残る中、活力に満ち溢れていましたが、周囲とは温度差がありました。僕は自分を成長させたい、と思い外へ出ました。そうすると、いろんな光景が見えてきました。(長くなるので詳しく聞きたい方はビールでも呑みながら一献)

 

なによりも会う人々が変わりました。

話が噛み合う人も変わりました。

自分も変わりました。

何よりも考え方が変わりました。

 

もし、皆さんが地域ビジネスでもなんでも、地域に携わる仕事で壁にぶち当たったらこのように考えたらいかがでしょうか。

 

※あくまで持論です。

 

 漁師

 

『地域の為に』ではなく、『自分の為に』

 

 壁は『自分』を必ず成長させてくれます。壁を超えるとき、壁を越えられないとき必ず地域の『人』が助けてくれます。地域の課題には必ず『人』が関わります。『人』を通して『人』と繋がり、『人』から学ぶ。こういうことです。

 

○地域で信念を貫く理想は、

『自分の為に』と思うことが『地域の為に』なり『人の為に』なり、ないし『会社の為に』なり『社会の為に』なる。

 

○最大の理想形は、

それが『家族の為』、『仲間の為』、『社員の為』になることです。

 

○さらに最大の理想形は ※しつこくてすいません(笑)

それが『地域で暮らす方々の為』『生産者にため』『仕入先の為』、『取引先の為』になることです。

 

○さらにさらに究極の理想形は ※ここまでくれば完璧(笑)

それが『日本の為』、僕なら『東北の為』だとか『三陸の為』だとか。

 

○いくところまで行っちゃうと ※総理大臣!大統領!(笑)

『地球』の為!『日本経済』の為だとか。

 

脱線しかけましたが、自分の精神バランスを維持するうえでは『自分の為に』なることが一番重要で、それが周りに添加していけば良いのです。あくまで持論ですが、『地域の為に』と粉骨砕身の責任感を感じてしまうと、砕けてしまいます。『働く社会』という中で、困難はどんな業界にもありますが、地域ビジネスは前例がないような問題事例がこれからもどんどん増えてくると思います。とにかくタフな精神が必要です。戦うなら、精神のセルフイメージをしっかり持つことが大事だと思います。

 

困った時にはとにかく『人』です。

 

 アワビ

 

 続いてお話しすることは、知域についてです。とってもいま僕が広げたいこと。それはキャパでもなく、実家の土地でもなく、お小遣いの上限でもなく・・・・(笑)

 

とにかく知域です。

いろいろな世界を知りたい。

 

 震災後に、四万十ドラマの畦地社長と知り合いました。人脈が増えたのと同時に、僕のような変態を受け入れてくれる方々が畦地社長の周りにはたくさんいました。その方々はとにかくいろいろな世界を知っていて教えてくれる。本当に楽しい方々が多いです。今務めている僕の会社の下苧坪社長も、いろいろな世界を知っている方です。とにかくいろいろな人脈、ビジネスチャンネルを持っていて、チャンスを引き寄せる力が強い。とにかくなんにでもチャレンジする変態っぷりは、働いていてとても刺激になります。いろんな知識を得て、知域を広げると考え方が変わってきます。

 

わかめ

 

 一つ、僕の考え方を例に挙げると。 自分は岩手県の陸前高田市の広田湾を前にして生まれました。昔から広田湾の『わかめ』を食べて育ってきました。このわかめが日本一だとずっと思って育ってきました。いま北三陸の㈱ひろの屋で働いています。

 ひろの屋では『天然わかめ』という目から鱗の商品に出会いました。陸前高田では毎年のように見かけるわかめ。ロープに吊るして養殖するわかめ。北三陸は外洋に面していて潮流が速い為、養殖などできません。そう。海に底、岩盤に生えている天然物をダイバーが潜って採取するのです。養殖ものとは比べものにならない食感と風味でした。

 

 物価が高い商品を扱うということは、そのピラミッドの頂点に立つということ。すなわちプライスリーダーになるということです。日本経済の食産業では実はプライスリーダーがとても重要です。牛なら松坂牛、前沢牛、米沢牛など。米なら魚沼産コシヒカリ、山形県産つや姫など。マグロなら、大間、函館戸井。上に挙げたブランド食が価格帯を吊り上げているから、外国産・安価な大量生産のマーケット市場が存在するのです。彼らブランド食がこぞって値下げをしたら?食産業のバランスは崩れ、付加価値ビジネスがなくなってしまいます。なくなれば大量生産のマーケット市場は叩かれ、市場価値はどんどん薄れていきます。圧倒的に消費量は大量生産のマーケット市場ですが、実際にその価格帯を調整しているのも実はプライスリーダーなのです。高価格帯でも大量マーケット帯でも、生産者や担い手を増やすためにもピラミッドの頂点に立つべきプライスリーダーは自覚と責任感を持ち、常に市場の動向に目耳をあてることが重要です。

 

と、感じながら働いている今日この頃でございます。

 

ゆうすけと仲間たち

 

 私ごとですが、1月には息子が生まれ、息子の顔を見るたびニンマリしながら生活しております。もう少しで震災から4年、東北も日本も、地域や企業の枠を超え、力強く飛躍しなければいけない。そう感じています。その為にはとにかく産業の底上げ。確たる個人の知域拡大。地域でリーダーシップを取れる人材の発掘だと思います。

 

甦れ、火の国にっぽん!

燃え盛る炎のように志を高く、そして羽ばたいていこう!

 

燃える為にガソリンが足りない方は一緒にビール補給しましょう!

 

 

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