地域おこし色々

2015/03/30

 

 ご無沙汰しています。大正町市場より、川村です。11月を最後に、3月までマガジン、書けませんでした。思いがけずケガをし、入院、自宅療養、仕事復帰とめまぐるしい4か月を過ごしておりました。体が思い通りに動くってすごいことです。仕事するってすばらしい。そんなことに改めて気づきました。仕事に戻ってからは何かとまたアンテナが騒ぎ出したりもしました。国も「地方創生」に力を入れてますしね。

 と、そんなとき。共同通信社が行っている地域再生大賞という、がんばっている地域を表彰してくれる会がありまして。今回で5回目になるらしいですが、過去にはこの、いなかパイプがある十和ですとかゆずジュースでお馴染み「ごっくん」の馬路村などが受賞された「優秀賞」になんと、大正町市場も選ばれました。わーい、パチパチパチ♪

 

大正町市場

 

 仕事復帰の初仕事は、この授賞式に市場のみんなで参加するため、研修旅行を段取るものでした。

 そう、うちが優秀賞だった、ということはネーミングにある大賞を受賞された地域もあるわけです。今年は島根県江津市のNPO法人「てごねっと石見」さんでした。石見で起業したい若者を支援する取り組みが、大賞に選ばれていました。「ビジネスプランコンテスト」を開催して、選ばれた応募者には活動資金100万円が贈られる。すごーい。

 準大賞にも2つの地域が選ばれていて、養蚕が衰退し遊休している桑畑を、桑の葉の粉でお茶を商品化、畑の有効活用に貢献した福島県二本松市の「ゆうきの里 東和ふるさとづくり協議会」さん。オーナー制度により棚田を守る「酒谷地区むらおこし推進協議会」さん。

 そして愛媛の離島、中島から、元ミュージシャンの田中さんが代表を務めるNPO法人「農音」さんが記念賞を受賞されてました。田中さんは中島に移住して活動している方で、みかんを作りながら音楽やSNSで島をアピール。音楽と農業で移住者を3年で30人ほど増やされたとか。授賞式のあとのシンポジウムで、パネリストとしても登場された田中さんは移住者を受け入れようとあれこれ支援するのは悪いことではないけれど甘やかしてもいけないと思うとおっしゃっていました。

 

地域再生大賞

 

 移住を受け入れる側、する側、どちらもいろんな思いがあって、ときにはどちらも覚悟が必要なのかもしれないですね。移住とはまた違うけど、結婚を機に夫や妻の実家のある地域へ、なんていう、それだけでも覚悟がいるし。まるっきり縁もゆかりもない地域へ、家族でまたは単身で移住するとなると、本当に真剣に考えちゃいそうですね。

 おもしろかったのは徳島のいざり村。移住者受け入れが独特で、でも飾ってなくてシンプルでわかりやすい、しかもおもしろい。村民みんなで移住希望者を面接して決めているという、村民代表の草野さんはそのパンフレットもすごくおもしろいものを持参されてて、「すぐゴミ箱にすてちゃえるものを作ろうと思った」と。

 

いざり

 

 シンポジウムで、「どうしてそんなに村民が一つにまとまれるんですか?何か秘訣は?」と質問させていただいたら

 

「誰のことも受け入れる気持ちが大事、浜を掃除するのが手っ取り早い。 掃除の後はすぐ打ち上げして、掃除よりこの打ち上げの方が時間が長い(笑」

 

なるほどなーと思いました。 あの人、いつも会に出ないとか手伝ってくれないとか、そんなことはもう気にせず、それはそれで受け入れて進めちゃっていいんだなーと確信した次第です。みんながそんな気持ちになって、やれる人で楽しんでいろんな地域活性をできたらいいよね。

 

 で、私の住んでる中土佐町でも町の広報誌で、4月のトップで「移住」を特集することになりまして。町内にいる他県から来た人とか、Uターンしてきた人とか取材しました。みんなだいたい、高知県の人柄を褒めてくれますね。確かに私も同感なんですけども。広報の編集委員をしているので、この特集を組むにあたったミーティングで

 

「こっちへ来て生の濃い人づきあいをするようになって、最近思い出すのは、そういえば東京の実家でも、隣のおばちゃんが壁をどんどん叩いてきて、いるーっ?なんて声をかけてたことあったなぁ、あれってここら辺のおばちゃんみたいだなって」

「ってことは、都会でも昔は濃い人づきあいがあったってことだよね」

「田舎だ、都会だ、じゃなくてもしかしてネットとかそういった現代の問題だけだったりして」

「でもやっぱりマンションの壁に囲まれた一人暮らしより、田舎の自然に囲まれた一人暮らしのほうが孤独感ない」

「なるほど~、それで田舎暮らしがいいとなるのね」

 

というようなやりとりがありました。

 

 取材してても、中土佐のどこが好き?と聞くと「夜が暗いとこ。闇って新鮮」と。私はもう少し帰り道に電灯増やしてほしいと思ったんだけどね。だって本当に真っ暗闇でハウスに挟まれた細道を自転車の明かりだけじゃ暗くて怖くて。いつも「おばけより生きた人のが怖い」とぶつぶつ言いながら自転車こいでるし。でも暗いから星がすっごくきれいなんだよね。夫が「啓蟄」でさっそく蛇が道路でひかれてた、え?まじ?と確かにぺしゃんこの蛇が道路に。そんな夫婦の会話って都会じゃできなさそう。

 夜が暗いこと、星がきれいなこと、自然の匂い、季節の移り変わり、全部を当たり前に体感できるのが田舎暮らしの一人でも孤独を感じない理由なのだなーとちょっと納得した今月でした。

 

 

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