滋賀県とは?高島市とは?「結びめ」とは?

2015/06/12

 

 滋賀県高島市、NPO法人 結びめ の西川です。「結びめ」は「滋賀県高島市で暮らす魅力」を発信し、移住・交流をすすめる団体(都市と地方の結びめ)です。はじめての記事なので、滋賀県高島市がどんな所なのか、「結びめ」がどんな団体なのか、ご紹介したいと思います。

 

滋賀県高島市

 

滋賀県高島市

 

 滋賀県(旧国名:近江)は関西地方の北部にある琵琶湖のある県です。琵琶湖を取り囲むように平野が広がり、県境には山々が連なります。滋賀県は琵琶湖を中心としたひとつの盆地(近江盆地)になっているのです。

 西は京都府、北は福井県、東は岐阜県、南は三重県、に隣接していて、古くから「京の都」へつながる交通の要衝でした。江戸へつながる「中山道」「東海道」をはじめ、日本海から京都へ鯖を運んだ「鯖街道」など、たくさんの街道が通っています。そんな土地がら歴史も深く、日本史の中でたくさんの戦が起きてきた地域です。織田信長の安土城も、比叡山延暦寺も滋賀県です。

 

 商業も盛んで「近江商人」は全国を又にかけて大活躍しました。「近江商人」が掲げた「売り手よし、買い手よし、世間よし」という「三方よし」の思想は、現在のソーシャルビジネスにも通じるところがあるかもしれません。

 現在の滋賀県はといえば、「交通の要衝」としての役割は同じで、京都や大阪のベッドタウンとして人口を増やして来ました。南部には高速道路や新幹線が通り、大学や工場がたくさんあります。しかし交通が便利な分、北部や西部、山間部から人口が流出しやすく、そちらでは過疎化、高齢化が進んでいます。

 

滋賀県高島市地形

滋賀県高島市

 

「結びめ」が活動する高島市は滋賀県の北西部にあります。県内では大きな道路が通らず、都市化に取り残された地域です。その分、「豊かな自然」や「自然と寄り添った暮らし」「生活文化」などが残されてきました。市域は西側が奥深い山々で雨や雪など降水量が多く、琵琶湖水源の森でもあります。東側(琵琶湖側)へ行くほど平野が増え、田畑や市街地が広がります。

 

白髭神社

 

 滋賀県が京都府に隣接しているので、高島市も都市部へのアクセスは非常に良いです。JR(新快速)なら京都駅まで48分、大阪駅まで78分、車なら京都まで約1時間、大阪まで約2時間で行けてしまいます。東側(琵琶湖側)の市街地にはスーパーや図書館、保育園などが充実し、都市部まで通勤する人も多いです。行楽シーズンにはレジャーのお客さんで賑わい、別荘地もたくさんあります。

 

マキノ町下

 

 一方、市域の中央から西側には山里の風景が広がります。田園と山の間に集落が点在し、西へ行くほど奥深い山村なっていきます。こういった地域は、過疎化、高齢化の影響が著しく、集落作業や行事などを維持し、コミュニティを支える担い手が減少してきています。そしてこのような地域が「結びめ」の主な活動エリアなのです。

 「集落」は市街地とは異なり、「住まい=空き家や土地」を見つけたり「移住」するために、地域の人とのつながりを持つことが重要になってきます。しかし「集落」は担い手を求めているにも関わらず、「情報発信」や「移住したい人とつながる」術をなかなか持ち合わせていません。

 こういった集落の人達と一緒に地域に暮らすことの魅力を「発信」したり、移住したい人の「つなぎ役」となるのが「結びめ」の役割です。

 

下屋セルフビルド

 

 高島市では市役所でも定住促進に取組まれていて、市役所には「移住・定住コンシェルジュ」が2名、常勤されています。「空き家紹介システム」があり、希望者には空き家の情報を紹介したり、案内したり、移住者受け入れのために丁寧な対応をされています。

 「結びめ」は高島市と連携して活動している事もあり、イベントをしたり都市部でPRしたり「発信」のための取組みをしていることがほとんどです。「地域に暮らすことの魅力」は様々な方向から捉えることができるため、「結びめ」の活動は分野を超え、どんどんいろんな方向に広がっています。どんな魅力を、どんな風に発信しているかは、今後の記事で少しずつ紹介させていただきたいと思います。

 

夏の風結いななめ

 

 今回は上の写真、「結びめ」が運営する体験施設、山里暮らし交房「風結い」についてだけ、ちょっと紹介させていただきます。

 「風結い」は滋賀県の湖北地域(県の北東)で壊されることになっていた空き家(もともとは茅葺の古民家でした)を移築し、高島市朽木(くつき)の杉材を使用して伝統工法で建築されています。

  朽木(くつき)は上記の地図で見てもらうと分かるように、地域の殆どが森林で覆われた西部の山村地域です。かつては林業が盛んでたくさんの植林がされましたが、80年代の木材価格の暴落により地域林業は疲弊の一途を辿ってきました。しかし、朽木には心こめて森を育むすばらしい林業家が居られます。その杉を使い、土壁などの自然素材にこだわり、伝統工法を活かした建築がされています。

 

風結い広間

 

 玄関を入ったところは土間になっていて、土間は薪ボイラーでの床暖房が利用できます。(薪ボイラーではお風呂の給湯もできます)薪ストーブも設置し、火のある暮らしが体験できます。広間にある大きな食器棚(水屋)は、以前の古民家にあった物をいただき、修復して使っています。高島市には工芸作家さんの移住が多いことから、玄関の取っ手やトイレの手洗い鉢、キッチンのランプシェードをそれぞれ作家さんに作っていただきました。

 

 「風結い」前の庭や、増築した下屋は、参加者を集めて手作りしました。前の田んぼは、耕作放棄地になっていたところをお借りして、毎年手作業で無農薬のお米を作っています。庭も住まいもお米も、自分達の手で作る魅力を発信していきたいと思っています。

 「風結い」は一棟貸しの田舎暮らし体験施設で、誰でもご利用いただくことができます。そして、利用だけではなく「地域に暮らすことの魅力」を発信するために、様々なイベントや体験講座を開催しています。

 

山里交藝学舎そと

 

山里交藝学舎

 

山里交藝学舎」は様々な資源を盛り込んだスペシャルな講座です。ちょっと高額ですが、魅力的な講師の方と友達になれるし、地域に生きることや手仕事の深さをじっくり感じることができますよ。

 

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