えん(縁)もたけ(竹)なわ ~竹ビーズのアクセサリーワークショップ~

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執筆者 小林恵子
所 属おばあちゃん文庫

2015/08/20

 

 まだまだ、熱い毎日が続いておりますが、各地の皆様、夏を満喫していらっしゃいますか??

私は、岡山市で、~えん(縁)もたけ(竹)なわ~竹藪を活かして認知症の人の『居場所』と『出番』と『役割』づくりに取り組んでおります。5年前、ボケボケになった祖母たちが、「竹藪をなんとかせにゃあいけん(なんとかしなければ)と、何度も何度もいうので、「竹薮」のことが、連日、私の頭にこびりついてしました。

 それまではお百姓でしたが、その当時の祖母は、心身ともに弱り、こたつとテレビの守りが日課。祖母は、できないこと、わからないことが増え、周りから怒られることも多く、「歳をとったらええことはねえなあ~。早うお迎えが来んかなあ~」が口癖。鬱的で、日々どんより。ご先祖からの、お迎えを待つばかりのような毎日でした。

 祖母は「タケ、タケ」言うので私なりに調べましたら、日本は縄文時代から竹を活用しており、これまで日本は「竹」と「紙」の文化。たいへんなじみのある植物であったことも知りました。

 

竹やぶ

 

 5年前は、日本には資源がないから海外のガスを買う、海外の鉄鋼品を買う、とにかく日本には資源はないないのニュースが流れていました。けれども灯台下暗し!!!!こんなに足元に縄文時代から親しんできた「竹」という資源がある!!と目からうろこでした。炭として燃料にもなります。建物にもなります、竹垣、かご、ざる、家具、竹紙、無限の可能性を感じました。

 

竹炭

 

 竹細工を習い始め、あっという間のもう5年目。腕は上がらないままでも、周りの御仲間の作品群から、たくさんの日本人の技や美意識。自然とともに生きてきた日本人の生活の知恵を学びます。

 少しでも、竹の素晴らしさを知っていただける機会がありましたら、と強く思っていたときに、岡山の総社にある、まちづくりのNPO吉備野工房ちみちさんのかかわりで、一人一品展に出展をさせていただける機会恵まれました。

 

1人一品展

竹ビーズのアクセサリー作のワークショップです。

 

 ワークショップ

 

竹ビーズ

以前ワークショップした時の写真です

 

 今回の場所は、岡山にて天下の天満屋百貨店。祖母の代は、百貨店といえば天満屋。贈答品は天満屋。岡山で初の百貨店天満屋。今の県知事は、天満屋の元社長。89歳の祖母にとっては、たいへんに思いの深い天満屋です。

 その天満屋でのワークショップに向けて、祖母たちは、何か月も前から、目をキラキラさせて竹のビーズを磨いております。話8割、手は2割。

 

おばば様

 

 祖母だけではあまりはかどってはいませんが(私がだいぶ手をくわえてはおりますが)、「天満屋に持っていく」ということは大変なステイタス。大きな大きな喜びになっております。5分たったら、前のことはすぐに忘れてしまうので、やっても別に意味はないのではないか、とのご意見もいただきますが、祖母に数日後にお願いすると、暫くするとニコニコと思い出すことはできます。すぐには思い出せなくても、しっかりと心には誇りは残っております。

 お元気なおばあちゃんたちの町。徳島県上勝町。「葉っぱビジネスの町」で、人には「出番」と「役割」が必要との学びました。「天下の天満屋」に向けて、竹ビーズのヤスリがけに、どんどん目の輝きを増す祖母を見るたび、『出番』と『役割』の大切さを改めて感じています。1円でもビジネスになることも大切であるとのアドバイスを葉っぱの町でいただきました。

 

 お札にうっとり

以前、はたきの売り上げのお札に、「いらない」と言いながらも、おばば様は、お礼にうっとり・・

 

 今回の『一人一品展』は、竹ビーズのアクセサリー作りのワークショップの収益以外にも、祖母たちのつくったはたきも販売予定です。

 人様に喜んでいただけることができることで、祖母に「居場所」もできます作業をしているときは(おしゃべりが大半ですが)、作業をしている時間や空間がが、居心地のよい祖母の『居場所』になっていると感じています。

 もともとお百姓で山を守ってきていた祖母たち、年をとり、自分たちで山を守れなくなり、山が荒れて放置竹林になり。憂えて仕方がない竹藪にはたいへんな強い思い入れがあります。その祖母たちの思い入れの強い竹を活用していきながら、祖母の昔の話など、話もはずみます。

 

 8月23日の天満屋岡山店でのワークショップは、いかようになりますのやら・・・準備だけでも、十分楽しみ、十分な達成感もあります。当日は、一人でも多くの方に、竹に親しんでもらえ、竹のすばらしさが伝わればと、微微たる力ながら、強く強く願っております。

 田舎ならではの、やまもりある竹藪。日本にある貴重な資源として、自然からの貴重な恵みとして遥か縄文時代からこれまで受け継がれてきた知恵を、少しでも引き継いでいけるよう、微々たる力ながら取り組んでまいります。『認知症の人』も、『竹藪』も、『地域の宝』となっていきますよう、これからも取り組んでまいります。

 

 長文をお読みいただきまして、本当にありがとうございます。まだまだ大変な微力です。多くの方々のお力添えに、ほんとうに本当に感謝をしております。これからも、引き続き、ご指導をいただけましたら幸いに思います。

 みなさんの地域のますますのご発展、ご活躍も、こころより応援し、お祈りをしております。益々、日本の地域が元気になっていきますよう!!!!これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

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