地域おこし協力隊の家の隣はお試し滞在住宅です。

2015/09/08

 

 去年の10月に初めていなかマガジンを書くことになって、それから毎月欠かさずに原稿を送って掲載していただき、数えてみればこれが12回目となりました。ということは1年間続けてこられたということですね。自分でも1年続ける自信は無かったので驚いています石田です。

 その1年前に初めて書いたいなかマガジンではピザの事を書かせていただきました。

 

地域おこし協力隊が四万十町でピザを焼く理由 

 

 その中で自分が住んでいる家は現在廃校になっている小学校の敷地にある元教員住宅である事、その校舎はシェアオフィスとして活用されている事、校庭には立派なピザ窯がある事。は書いてあるのですが、あの時書かなかった事をもう一つ発表しましょう。自分の家の隣には四万十町の「お試し滞在住宅・広井」があるのです。

 

 「お試し滞在住宅」って何でしょう?

詳細は、四万十町のホームページ内にあるお試し滞在施設のページに掲載されています。

 

 簡単に説明すると、移住を考えている人が実際にその地域に滞在して、その間にその地域の住み心地を確認したり、移住後の家を探したりするための施設なのです。四万十町の場合は1ヶ月単位で最長3ヶ月という決まりになっています。他の自治体ではもっと短い単位でお試し滞在できる施設を用意しているところもあるようです。広井の場合はうちのすぐ隣にあることから滞在されている方のフォローもできるだけ気を使うようにしてきました。

 現在までに数組の滞在者と接してきましたが、真剣に移住を考えていた人は3組ぐらいで、他は安く滞在できる宿のように考えていたり、ほとんど滞在せずに知らない間に帰ってしまったという人もいました。町としても入居する前に審査を行っているようですが、あまり審査を厳しくしてずっと施設が空いているのも勿体無いし、なかなか難しいところですね。

 

  そんな中、今年の7月の終わりから1ヶ月間、夏休みを利用して奈良からお試しに来られた家族が入居されました。最初にお会いして挨拶をし、少しお話しただけでも高知県や四万十町の事を調べてから来られていたし、本気で移住を考えているということはすぐに判りました。この家族は4人家族で子供は小学校6年生と中学1年生の女の子が2人います。お父さんは来られてから1週間ぐらい滞在した後、仕事の都合で一旦帰っていかれましたので、残ったお母さんと子供二人の夏休みの記録になります。

  移住促進というのも自分の協力隊としてのミッションの中に含まれているので、このご家族に四万十町の事を好きになってもらえるようにいろいろと考えてサポートしてみた内容を一部紹介します。

 

 まずはこの地区の区長さんに紹介することから始まりました。区長さんに限らず地区の皆さんはお試し滞在住宅に入居する人の事を気にかけていて「いつ?どんな人が来るが?」ということを聞かれる事が多くあります。そして入居している人が困っていることはないか?何かしてあげられることはないか?と、一時の滞在にもかかわらず、新しい住民のことはとても大事に思っているのです。

 

 四万十川 鮎漁 網

 

 本気で移住を考えずに来た人は、この優しくて楽しい住民さんと触れ合うことも無く、なんのおもてなしも受けず、たぶん何も思わずに帰ってしまうはずです。しかし今回来られていた家族は、皆さんが集まる鮎の火振り漁が行われた時に紹介もしましたし、地域の事を知りたくて親子で毎日散歩して住民さんに知れ渡ることになったのです。最初の頃は「道の駅で野菜が安く買えるから嬉しい」と言ってたのが、買う必要が無いぐらいの野菜が家に届くことになります。特に今年はスイカがたくさん届けられたようで「こんなにスイカを食べた夏は初めてだ」という感想を聞きました。

 そして、自分がちょうどラフティングガイドのトレーニングをしている時だった8月の初めには練習のためのお客さんとしてボートに乗ってもらって四万十川を違う角度から体験してもらいました。ラフティングはただ楽しいだけじゃなくて、ボートに乗っていつもと違う目線で周りを見ることで勉強になる事も多いのです。ペルセウス座流星群が見える8月13日には、いつも霞んでいた空が珍しく晴れて天の川や次々と流れる流れ星を家の前の校庭に寝転がってみんなで見ることもできました。

 

注:写真は去年の冬のふたご座流星群。

 四万十町 ペルセウス流星群 ふたご座流星群

 

 四万十町 四万十川まつり

 

 お盆の時期に十和で行われた四万十川まつりでは本場のよさこいや花火も見られたし、いつもは静かなこの地域がちょっと賑やかになったのも体感できたと思います。

 

 四万十町 広井 ピザ

 

 そして、帰る直前には地元の小学生との交流を考えて広井のピザ窯でピザパーティーを開催してみました。これはもうちょっと早く、来てすぐの頃にやっていたら子供同士がもうちょっと仲良くなれたのかなと反省するところですけど、でもお母さんはずっと気になっていた学校の事なんかも聞くことができたので、地元のお母さん世代とお話できたのはよかったそうです。

 最後の日に子供達は「帰りたくないー」と言いながら帰っていきました。夏休みを過ごした四万十町十和がただ楽しかったというだけじゃなくて、転校したり友達と別れたり住み慣れた街を離れたり、そういうのを乗り越えてでも十和に住みたいな。と思ってくれたかどうか気になりますね。

 

 そして、これだけ四万十町に移住したくても、なかなか家が見つからないというのも現状なのです。

 

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