地域おこし協力隊 海へ

2015/10/07

 

 今年の春から夏にかけて、カヌーの練習やらラフティングのガイドやら、四万十町に来て初めて四万十川と深く関わることになりました。また、8月からは網投げを教えてもらい連日川に通って網を投げる練習をしていました。いつもと違う角度から川を見ていると知らなかった事なんかもいろいろ見えてきて、特にこんな上流にまでボラが大量に上ってきていることに驚いた石田です。

 

四万十川 鮎 網投げ

 

 

 川漁師一年目は、二ヶ月かかって20匹の鮎しか獲れませんでした。そんなに簡単に獲れるわけじゃないけど、難しいからこそ面白いんですね。上手く網が広がって、掛かった鮎がキラキラ光っているのが見えた時の嬉しさはたまりません。

 

  川で魚を追いかけているうちに釣り人の血が騒ぎ始めてきました。目の前の四万十川でよく見かける鮎の友釣りはやったことありませんが、大阪に住んでいた頃は大阪湾を走り回って釣りをしていたのです。初めの頃は防波堤や漁港など陸からの釣りばかりでしたが、大阪の海岸線は立ち入り禁止の場所が多く、また釣りができる場所は人も多くてストレスを感じることもありました。そんな時に釣り仲間のボートに乗せてもらったことがきっかけで自分でも船舶免許を取得して23ftの船を購入することとなります。

 元々船酔いが酷くて揺れる桟橋に乗っているだけでも気持ち悪くなったものでしたが、強力な酔い止めの薬を飲んで知り合いの船に乗せてもらっているうちに船酔いは克服できました。今では薬も飲まずに揺れる船の上に1日居ても平気なぐらいです。大阪に居た頃は暇があれば海に出て、暇が無くても海に出て、朝から海に出て釣りをした後で天保山渡船の桟橋で下してもらってそのままUSJに出勤したこともありました。が、高知に移住してからはたまに大阪に帰った時に出船するぐらいで、一年でも数えるぐらいしか海に出なくなりました。

 

 そんなある日のこと、大阪で船を保管してもらっていたマリーナの方から電話がかかってきました。「数か月後にマリーナを閉鎖することになったので、船の移動先を探して欲しい」という内容のお話でした。数年間隅々まで走り回ってポイントも知り尽くした大阪湾を離れるのは寂しかったけど、悩んだ末に四国に船を持ってくる決断を下しました。

 

 四万十町 釣り 船

 

 雨が降る中、トラックで陸送されてきた自分の船を見た時、今まで見てたのとは水の色も周りの景色も全然違うので違和感ありありでしたけど、綺麗な海を自由に走り回るのもいいですね。

 海が違うと対象魚も釣り方も違ってきます。また、それに合わせて道具も揃えていかないといけません。これが思っていた以上の出費になってしまいました。が、こっちで釣れる魚はほとんどが美味しく食べることができるし、漁師や釣り人の数が圧倒的に少ないので魚影も濃くてパラダイスのような環境です。

 船を出さなくても、海岸線を走っていて目についた漁港とか河口でも楽しめます。ただ、大阪の海は夜でも常夜灯が点いていて明るかったのに、四国の海岸線では真っ暗過ぎて怖い所が多いので夜は注意しないといけませんね。

 

四万十町 釣り メッキ

ルアーを投げると対岸まで届いてしまうような小さい河口で釣れたメッキとか

 

四万十町 釣り ヒラスズキ

 

 アジを釣っていたら足元の影から飛び出して食いついたヒラスズキとか(写真に写っているのは、1匹釣った後でもう1匹居ないかと思ってシーバス用のルアーを投げてみたら、やっぱり釣れたヒラスズキです)、他にも一晩中釣れ続けそうなアジ、狙って行くと必ず釣れるアオリイカ、足元の浅い岩場でいくらでも釣れるホゴ(カサゴ)など、そんなに釣りが上手じゃなくても魚が多いのでいろいろ釣れます。

 今は晩御飯のおかずにちょっと家の横の畑から野菜を採ってきて使う。みたいな感覚が、海の近くで暮らしていると家の前の海でおかずを釣って。という風に置き換わるんでしょうね。

 

 自分が四万十町の地域おこし協力隊に採用されて、引っ越し前に四万十町の事をいろいろ調べている時にいなかパイプさんのパイプウェブを見つけました。ちょうどその時にいなか求人のページで宇和島市の海辺の集落で地域おこし協力隊の募集をしているのを見つけて「こっちの方が良かったかなー」と思ってみたり、つい最近も九島でカフェを開業する移住者を募集されていて「これ採用されたら毎日釣り行き放題やなー」と想像しては興奮してみたり、海への想いが強まります。

  そういえば、四万十町にも海があるじゃないの!とたまに思い出すことがあるんですけど、なんといっても同じ町内にありながら四万十町の海は遠すぎるんですよね。例えば自分が住んでいる十和から興津の海岸まで、Google MAPで調べてみると距離は60.5kmあって車での所要時間は1時間18分と表示されます。

 

 海といえば、8月の初旬には菊池隊員と須崎のドラゴンカヌーにも参加しました。これもいなかパイプさんから誘われたことが縁で、四万十町内のチームから出場させてもらっています。

 

四万十町 須崎 ドラゴンカヌー

 

 さて、海の事ばかり考えてしまいますけど、目の前にあるのは清流四万十川です。そして今年網で鮎を獲ってもいいのは10月15日までとなっています。この記事を書いている時点で残り2週間しかありません。成長して丸々と肥えた鮎はあと何匹網に掛かってくれるのでしょうか?

 

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