イナカのイキルミチ-資本主義の成熟化-

2015/12/04

 

 こんにちは。ソシオデザイン(徳島県上勝町)のおおにしです。今回は、第3回目の原稿です。今回の原稿は、僕の地域再生の経験談の前に、大もとの考え方をお伝えしようと思っています。

 

資本主義の成熟化の2方向

 

 IT系の会社の動きをみていると、より世界をフラットに国境をなくす方向に動き、僕らのようなスモールビジネスの世界では、地域に密着していこうと逆の動きに成熟度を増そうとしています。

 どっちが強いかといえば、圧倒的にIT系の動きで、ネットによって、より強いもの同士の組み合わせができやすくなり、その恩恵を田舎でもかなり受けることができる社会になり、ありがたいです。Amazonや楽天を使えば、いくらでも物は買えます。googleのおかげで情報も入手しやすい。またフェイスブックなどのSNSのおかげで口コミが可視化しやすくなり、上勝のような田舎のほうでも飲食店が成り立ちやすい環境もそろいました。

 

 ペルトナーレ

弊社でリノベした古民家イタリアンレストラン ペルトナーレ

 

 

 また、神山のようにサテライトオフィスというやりかたで、どこでもいつでも仕事ができる環境も生まれ、成熟した働き方も田舎でできるようになりました。資本主義の異なる2種類の成熟化があれども、これまでの小さな家業、中小企業のスタイルにも、その融合がやりやすくなったといえます。

 その反面、強いもの同士の結合が、より格差を産みやすくなるのは当然の理屈で、ピケティの論をまたずとも、実感として感じられるぐらいまで広がろうとしています。

 よりビジネスにおいて強者になりやすいのは、質の高い長時間労働できる人材で、これは独身者のほうが適しています。家族においても、経済的強者こそ昔ながらの男は働き、女が子育てするという仕組みが成り立ちやすく、夫婦共働きで子育てコストがかかるならば、一人っ子でいいかなと思いやすい環境ができあがります。

 また、究極の青田刈りで、若年期での勝者を優遇する教育評価制度になっているために、より一人の子供に教育費を投入し、勝ち抜けできるように親の心理は働くために、少数精鋭型の家族環境を作るようになりやすい。加えて、個人の消費を最大化させようとする資本主義の進化の方向性では、個人が満足しやすいように環境ができあがっていくので、当然ながら、独り者でいるほうが消費サービスを受けやすい。

 

 こういうふうな仕組みになっているので、少子化を脱するのは難しいので、勝者の定義を変える方向にかじをもう一つ用意する必要があって、経済的幸福よりも<違う幸せ>があるのだという方向に舵を僕らはとろうとしている。つまり、田舎でやるべき戦略は、経済的幸福の正反対の幸福ブランディングで書き直しを行うこと。

 ある一定の経済的幸福の上限を決めて、必要以上に競争に巻き込まれないようにし、幸福係数を最大化させるように動くやり方である。わかりやすくいえば、年収700万もらって満員電車で通い、競争にさらされ働くために生きるよりも、年収350万で、田園・里山でゆったりやりたいことで暮らす生き方をするといった考え方。イケダハヤトさんがよくいっている、「いつまで東京で消耗しているの?」っていう幸福定義の書き直し戦略がその好例だ。

 

マネー資本主義

 

 ところが、頭のいい人はこの戦略の穴を見抜いていて、<安定し、かつそこそこいい給料のいい>公務員を田舎で目指すようになるわけで。これがいまも続く、田舎の勝ち抜け戦略<目指せ公務員理論>。ここをできれば選択肢増やして、崩していきたいんですよね笑

 

<不安定だけど、都会並みに儲かる>

<安定して、都会並みに儲かる>

 

これもう少し言い方変えると、<幸福で、都会並みに儲かる方程式>をいかに作るかが、次の一歩にかかっているのかなと。そのなかで、幸福を妨げるような競争や、長時間労働すぎるのではだめだし、儲けたけど不幸というのじゃ、意味がない笑。

 だから、まずはビジネスとしてきちんと儲けられるアプローチをきっちりやりたいし、なおかつ、家族になって子供を産むのが楽しくてしょうがない環境をどのように作ればいいのかを組み立てなければならない。

 

 

と、ここまで書いてみましたけど、何が言いたいかって。ようは、いろどりビジネスって、この幸福で都会並みに儲かる仕組みが作れそうな、あと一歩まで来ているビジネスなんですよね、幸福でやりがいあるけど、若い家族がまねできないビジネスじゃだめ。幸福でやりがいあるけど、貧乏では、あとが続かない。

 

さあて、ここからどうやって、幸福でかつ稼げるロジックを組み立てられるか。

実におもしろい^^

 

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