自然体で生きる
2016/01/27
新年、あけてすでに半月が過ぎてしまいました。 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
私、昨年は本当に人生のターニングポイントだったかも?と思ったりします。昔から飽きっぽい性格だと自分でも思っていたし、前の上司もそう理解していたからこそ、上手に私にいろいろな仕事を任せてくれたと思います。
前の上司はもちろん、大正町市場の田中鮮魚社長ですけど、大正町をはじめとした近隣の商店街をもりあげるために、いろんなこと考える仕事。これは確かに同じことをずっとくりかえすようなものでもないし、様々な人とのつきあいもとても大事で、あぁでもない、こうでもないといろんなことやってみるしかない。それを暴走しない程度に見守ってくれながら、やりたいようにやらせてくれたのは田中社長でした。
仕事を楽しんでやりながら、私も自己啓発の一環で、せっかく気持ち的に豊かな田舎で暮らしているのだから、食生活ももっとちゃんとしたいなと発酵を勉強するようになりました。勉強は楽しかったです。 だから発酵マイスターからプロフェッショナルまで一通り、自分のペースでとることができました。
夏ごろ、大正町の仕事も今後の発展とか、自分のおかれる立場もよくわかりながら、もっとがんばろうとは思っていたけど、発酵にかかわる仕事につける可能性が見えたとき、迷わず、発酵のほうを選びました。酒蔵での酒造り。
高知県で一番古いといわれる酒蔵、西岡酒造が近所にあって、何度か見学に行ったり、他県の地方紙の取材の仲介をしたこともあり、西岡の社長とはたまに話をする程度に知り合いでした。
この秋から酒蔵で酒造りに携わらせてもらえることになって、私は本当にやりたいことをやる喜びがわかった気がします。大正町の仕事も、もちろん自分で決めたことではあるけど、半分は流れてたどり着いた感じもある。
仕事で知り合った人たちが、農業をやりたくて東京から移住してきて、少しずつ大きく大きく農業が充実していくのを見たりすると、本当にやりたいことをやるって、仕事にするってすごいなと思わされました。
他にも仕事で成功している人の話をきいたり、たとえばがっちりマンデーみてやる気がでちゃうとかでも(笑。 そうなると大正町の仕事がやりたいことかどうか、疑問にまで思うことはなかったけれど、酒蔵への気持ちのほうが強かったのは否定しません。せっかくとった発酵プロフェッショナルを、どう生かせるかはまだこれからの課題だけどね。そんなことも全部許してくれた田中社長には本当に感謝しています。
おととしの暮れ、交通事故で全く動けず、何もできない2015年の正月を迎えたことに比べると、この一年、東京へ帰るべきか悩んだことから始まって、とりあえず目の前の仕事を精一杯こなしているうちに、自分の道が見えだしました。 これ、人生ってそういうものなんだなって今ならすごくよくわかります。
悩んで悩んで、あるいは苦しくて苦しくて、出口がまったく見えなくてどうしていいかわからないときは、目の前のやらないといけないことをとりあえず一生懸命やるしかないということ。他のことや先のことなどとりあえず考えないで、とにかく目の前のことだけ取り組んでいると、自然と開けてくるというか、次にどうするべきかわかってきます。
こっちで知り合ったおじさんに、30歳くらいまでは東京で仕事をしていたけど、農業するために実家に戻ってきた人がいます。今はもう定年の年で、ずっと一人で農業をしながら暮らしています。ちょっと癖のある人で、たぶん自分は結婚とかに向いてないと思っているのだと思う。 というか、人と一緒に暮らすっていうことより一人でいるほうが好きって思っているみたいな。
「一生一人で暮らすには相当の覚悟がいるんだぞ」とその人はいうけど、たまに東京から友人がきて一緒に過ごしたりもするし、作家になったお友達の話もしてくれる。読書と釣りが好きで、すごく自由に暮らしているように見えるけど、ちらっと話す若いころの話の端々に、いろんな経験を通して達観したものがあるんだなと思いました。そのおじさんも言ってました。 「先が見えなくて落ち込んだ時は、目の前のことを一生懸命やっとけ」って。私、とくに何か相談したわけじゃないけど(笑
今日、久々に一日休みでフリーでした。いつも酒蔵が休みの日は大正町で一週間分の仕事を片づけるか、家計を助けるためのバイトしてるかですが、今日は酒蔵も大正町もバイトもなかった。
午後から天気も崩れる予報だったから、夫のお弁当を作って送り出して、もう一回寝てもよかったけど、雨の降らないうちに掃除を済ませてからゆっくりすることにしました。読みたくてためていた本を寝転んで読んで、眠くなったら寝て。 また起きてコーヒー飲んで本読んで。漬けていた梅酒を飲みながら、味と色を見て、あぁこれはまちがいなく黒糖梅酒だなと判断したり。 実はいろいろ漬けすぎてどれが何だかわかんなくなってた。酒蔵のボスは手作りでパンとか梅酒、レモンなんとか(皮と果実だけ漬けるお酒)つくったりするらしくて、休みの前日にいろいろ聞いたので、私も漬けていたものを開けてみようと思った。
田舎暮らしは東京にいたころの生活より、気持ちはとても穏やかになります。でもそれって単に私が年齢を重ねたからできた気持ちの余裕もあるかもしれません。 でも食べるものはどれも新鮮で、忙しくても手間暇かけないといけないことも多いけど、その分達成感とおいしさは十分満足。
食べるものが豊かだと腹が立たないってあります。 だからなのかな、田舎の人って人の失敗とかにすごく寛大な感じがします。今年はこのおだやかな気持ちのまま、ゆっくりじっくり豊かに生きることが目標。 具体的に言うと、調味料なるべく全部手作りでやってみたい。 味噌も醤油も。
今もやってはいるけど、家族の一年分には届かない量だから、ガッツリ仕込みたい。それと、時間に余裕のある暮らしが来年にはできるよう、今年一年はまだ、バイトもがんばらないといけないです。
なんだか私事の思いをただただ書き連ねてしまったマガジンですが、酒造りについて書いているコラムもあるので、よかったら読んでみてください。