地方は全国と繋がる。繋がるための『とうほうキッチン』

2016/02/10

 

 福岡県東峰村地域おこし協力隊の福永です。2015年4月から東峰村に住み始め、そろそろ1年が経とうとしています。東峰村に住みながら、プライベートも含めいろんな場所に視察に行かせてもらいました。こういうときに地域おこし協力隊は、全国に知り合いの隊員がいるので心強いです(^^)

 

 さて視察した場所は、兵庫県の沼島,島根県の出雲市と大田市,愛媛県の松山市と伊予市,大分県の九重町,熊本県の天草市,福岡県内だと築上町,久留米市,大川市,柳川市,筑後市などなど。いろんな外部の土地を見て回ることで、あらためて東峰村の魅力に気付くこともあります。そして意外な土地で意外な繋がりもあったりします。いくつかその繋がりを紹介しますね。

 

兵庫県の沼島

 

兵庫県 沼島

 

 兵庫県南あわじ市にある、人口500名ぐらいの漁師町、『日本書紀』では淡路洲と書かれていて、イザナキノミコトとイザナミノミコトにまつわる『国産み』の伝説も残っているそうです。沼島にはかつて鎌倉幕府の御家人 梶原景時の子孫が住んでおり、水軍を率いていたそうです。沼島水軍はやがて豊臣秀吉軍の支配下になり、豊臣家の家臣 黒田官兵衛が姫路から九州に移り住む際に黒田家の移動を船で手伝ったそうです。

 東峰村もかつては黒田藩の領地であり、村には梶原さんが多くいます。沼島水軍の一部は九州で黒田藩に召しかかられたらしいので、その時の水軍の子孫が今も東峰村にいるのかもしれません。

※写真は沼島のホームページより http://nushima-yoshijin.jp/

 

島根県大田市

 

島根 大田市 石見銀山

 

 大田市には世界遺産の石見銀山があります。掘られた銀の鉱石から銀だけを抽出する『灰吹法』という技術(銀を鉱石などからいったん鉛に溶け込ませ、さらにそこから銀を抽出する方法)は、博多の大商人 神谷寿貞が朝鮮から取り寄せた技術だそうです。

 東峰村に古くから伝わる器『高取焼』の初代の陶工も、戦国時代に黒田官兵衛が朝鮮から連れてきた人であり、大田市も東峰村も朝鮮からの技術が発展を支えたことになります。ちなみに『灰吹法』の技術は、現在は廃棄された携帯電話などから希少金属を取り出す技術として、今もなお使われているそうです。

※写真は大田市観光サイトより http://www.ginzan-wm.jp/

 

熊本県天草市

 

熊本県 天草市

 

 東峰村ではイチジクの生産も盛んなのですが、イチジクはかつてキリスト教とともに天草市に持ち込まれたのがルーツだそうで、天草では『南蛮柿』とも呼ばれているそうです。かつて東峰村を治めていた黒田官兵衛もキリシタンであり、その家臣の後藤又兵衛は今年の大河ドラマ『真田丸』の主人公 真田信繁と共に、大阪の陣で豊臣秀頼に従い戦いました。豊臣秀頼と真田信繁の息子 真田大助は大阪城陥落の前に九州に脱出し、その子孫がキリシタン一揆『島原・天草の乱』を起こした『天草四朗』とも言われています。

※写真は天草宝島観光協会のホームページより http://www.t-island.jp/

 

といった感じで、ここに書いたのはごく一部なのですが、歴史を紐解くとどこかで何かが繋がっています。そういった繋がりを利用して、地域の枠を飛び越えた盛り上げ方ができればなと考えています。

 

 さて、そんなことを考えながら、今年は料理レシピのコミュニティサイト『クックパッド』を使っての地域おこしに力を入れていこうかと思います。東峰村には『小石原焼』『高取焼』という伝統工芸品が、今もなお40軒以上の窯元によって作られています。『小石原焼』は庶民の普段使いの器として、『高取焼』はお殿様御用達の茶器を中心に約400年の歴史を持っています。

 そうした器を使った料理の写真を載せることで、料理のレシピをきっかけに器の魅力に気付いてもらおうというのが狙いで、『とうほうキッチン』というページを登録させてもらいました。

 

福岡県 東峰村 とうほうキッチン

 

  おかげさまで、この文章を書いている1月末の時点で、ほぼ村の人口と同じぐらいのアクセス数が毎日あります。ちなみに東峰村の人口は約2300人。福岡県で最も人口が少ないです。ついでに高齢化率も県内ナンバー1です(笑)

 

 話がそれましたが、この『とうほうキッチン』を使って全国各地とコラボができないかなと考えています。『とうほうキッチン』に掲載するためのレシピの条件は『小石原焼』か『高取焼』を使った写真を載せることだけ。つまりどんな料理でもOKなのです。全国各地の郷土料理を『小石原焼』か『高取焼』に盛り付けて、レシピと写真をもらう。そうすることで、お互いの地域で宣伝し合えます。さらに、良い器には食材を美味しく見せる力があります。逆に美味しそうな食材には、器を引き立たせる力もあります。相乗効果です!そんな企みで生まれたのがこちらのレシピ。

九重夢ポークと東峰村のしいたけ炒め』です。器は小石原焼マルダイ窯。大分県九重町の特産品である『九重夢ポーク』と、東峰村の椎茸と器のコラボ。九重町の地域おこし協力隊との友情により作られたレシピです(^^)

 

九重夢ポークと東峰村のしいたけ炒め

 

 今年はこんな感じで、東峰村を盛り上げていきたいと思っています。日々の活動については、Facebookページ『福岡県東峰村地域おこし協力隊 活動日誌』でご確認頂ければと思います。開設してから毎日更新しています(^^)

 

 

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