あぁ、素晴らしきかな季節労働

顔の写真
執筆者 安澤真希
所 属かつおゲストハウス

2016/05/19

 

 かつおゲストハウスのヘルパーとしてお手伝いしてくれている「ぼの」。一年の内の半分は、岐阜県郡上市八幡町(ぐじょうしはちまんちょう)にある「郡上八幡自然園」にインストラクターとして勤務しているのですが、仕事が冬期休みになる3ヶ月間を利用して、高知の暮らしを体験しにプチ移住してくれました。

 

ぼの

「ぼの」っていうのはニックネームで、本名は千純。

 

 

 一緒に暮らしている中で、彼女のライフスタイルがとっても面白いなと思ったので、今回はぼののことを紹介しながら、ぼのの仕事のことや、田舎や自然に対する考え方、そして彼女が暮らす郡上市八幡町を紹介しもらいたいと思います。

  まず、ぼのの仕事についてです。彼女は年に6ヶ月働いて6ヶ月休むという季節労働的なワークスタイルを選択しています。ライフスタイルの多様化にあわせて、仕事のあり方も大きく変化している今、ノマド、フリーランス、ブロガーなど、いわゆる「時短労働」を選択する人が増えているように思います。ぼのの季節労働もその一つで、働き方がとってもおもしろくって素敵だなと私は感じたんです。ぼのは、季節労働がしたい!という理由で就職したのではなく、あくまで仕事内容に惹かれて入社したようですが、今ではこう語っています。

 

「季節労働はアウトドア系の仕事には割と多い雇用形態。ハイシーズンは忙しいですが、数ヶ月間ガッツリ自由な時間をとりたい人には向いていると思います。しかも季節雇用の場合は条件を満たせば(原則として離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上あることが必要など)離職時に国から特例一時金も貰えます。ちなみに私の会社では退職金の支給までありますし、翌年に再雇用してもらえます」

 

 ほうほう、これはスゴイ!! 退職金があるうえ再雇用してくれるお約束付きとは、なんて良い会社! しかも、特例一時金は再就職しても給付されるとのことで(申請日から1週間は無職であることが条件ですが)ありがたい!!

 そんなこんなで、ぼのは仕事の休みを使って、特例一時金と退職金もしっかりもらって、はるばる高知までやってきたのです。

 

「高知で3ヶ月暮らすのは、もっと色んな人に会って視野を広げたいというのもあるのですが、一番の目的は、知らない土地で生活したいなと思ったからです。観光だけだと見えないその土地のいいところ、悪いところがあると思うんです。なので、仕事の休みを使って、ヘルパーとして滞在しながら未知の高知県にプチ移住しようと思ってこちらに来ました。ゲストハウスでヘルパー滞在するメリットは、とにかく色んな人に会えて色んな話を聞けるに限ります! あと日本中に友達がたくさんできる! 滞在することで、あちこちに行かなくても自分のいるところに色んな人がやってくる形で人脈が広がるところが魅力的だと思います!」

 

 かつおゲストハウス

かつおゲストハウスでは、県外はもちろん高知の友達もたっくさんできました!

 

暇な時にはウクレレ

暇な時にはウクレレも♪ 休みの時はいつものんび〜り過ごしていました

 

 

 今回ぼのがかつおゲストハウスに滞在したのは3ヶ月でしたが、これって世間一般的な社会人だとなかなかとれないお休みの期間ですよね。でも、ぼの以外にも、例えばラフティングやカヌーの会社に勤めている友人などは、年の半分は日本で働き、残りの半分を海外で療養し、あるいは南半球で再びアウトドアの仕事に従事したりと、時間の使い方が地球規模で面白いんです。ゲストハウスのオーナーさんもシーズン中だけ働いて、閑散期には宿を閉めて旅に出かける人も少なくありません。また、オーストラリアで夏の間だけ季節労働をして、残りは悠々自適に暮らすというゲストさんもいらっしゃいましたし、ヨーロピアンのゲストさんなんかは会社勤めでも1〜2ヶ月のバカンスをもらえるので、毎年世界旅行を楽しんでいるようです。

 

 確かに、人生という時間軸でみると、こういう生き方って充実しているように感じます。ルーティングが嫌いとか、仕事にしばられたくないっていう人にはきっと向いてますよね。時間って自分で意図的に作らないと生まれないので、仕事とかお金とか友達とか趣味とか家庭とか恋人とか睡眠とか、執着しているものをパッと手放した時にできたりするんですけど、まぁ日本にいたらかなりの勇気がいります。でも、人生一度きり、時には挑戦するのもいいかもしれません。

 

  それでは、今度はぼの本人に、郡上市八幡町と勤務先の「郡上八幡自然園」を紹介をしてもらいたいと思います。求人情報もあるようなので、興味をもたれた方はぜひチェックしてみてくださいね。

 

 かつおゲストハウスヘルパー

 

 こんにちは!かつおゲストハウスのヘルパーとして高知にやってきました「ぼの」といいます! よろしくお願いします!

   まずは、わたしが以前住んでいる岐阜県郡上市八幡町の紹介をさせて頂きます( ´ ▽ ` )ノ郡上八幡は街の中心に清流長良川の支流・吉田川が流れ、水の町として有名です。「日本の名水百選」の第1号に選ばれた宗祇水もここにあります。タイムスリップしたかのような古き良き町並みで、夏は観光客で賑わっています。

 

郡上八幡

 

 

古き良き町並み

 

 まちのあちこちに鯉や川魚が泳いでいる綺麗な用水が流れています。運がよければ洗濯板でゴシゴシ服を洗濯する地元の人の昔ながらの様子もみれるかも( ̄ー ̄)

  ちなみに郡上八幡は食品サンプルの生産量が日本一なんです。街のあちこちに食品サンプルのお土産屋さんや体験コーナーがあります。天ぷらやレタス、こぼれたアイスクリームなどを作ることができ、意外な作り方を知ることができます。(^ ^)

 

 食品サンプルの生産量が日本一

 

  ででーんとそびえ立ってるのが郡上八幡城です。最近では天空の城として注目されています。実は郡上八幡は高知城の築城主、山内一豊の妻千代のふるさとでして、高知城と深いつながりがあることに驚きました!

 

郡上八幡城

 

山内一豊の妻千代

 

 このようにたくさんの魅力がある郡上八幡ですが、やはりなんといっても一番有名なのが日本三大盆踊りにも選ばれている「郡上踊り」ではないでしょうか!

 

郡上踊り

 

 郡上おどりの最大の特徴は、祭りの期間が長い! 7月中旬から9月上旬の踊り収めまで33夜行われます。そしてお盆の4日間は夜8時から翌朝5時までオールナイトフィーバーでひたすら踊り続けます♪( ´θ`)ノしかも流れる音楽が始終生演奏なのも驚きます。みなさんほんとにお元気ですね~(^◇^;)

 

日本三大盆踊り

 

 踊り中は本当に踊りのうまい人には保存会の人から免許状が渡されます。なかなか貰える代物ではないので、名誉あるものです。わたしもいつか頂きたいなぁ(≧∇≦)全部で十種類ある踊りの振りつけはどれもとってもシンプルなので、地元の人でなくても小さな子供でもすんなり踊れちゃうのがまた楽しいですよ(^-^)ノ

 踊りの下駄は特別仕様でヒノキの底がちょっと高い下駄で踊ります。こうすることでヒノキが甲高い良い音を奏でてくれ、継ぎ目のない高い底は激しい動きで擦れていっても大丈夫なつくりになってるとか( ´ ▽ ` )ノ

 

高下駄

 

 そして、郡上八幡の町のはずれにある自然豊かな場所に、私の勤めている「郡上八幡自然園」があります。

 

郡上八幡自然園

 

 ここは69棟のバンガローと4棟の山荘、その他施設からなる「野外学習キャンプ場」です。小学校、中学校をはじめ、春から秋にかけて毎年100を超える団体様に利用頂いています。カヌー体験をはじめ、ラフティング、魚つかみ、野外クッキング、クラフトなど、様々な体験を提供しています。

 

野外学習キャンプ場

 

 私は、「ワンダースクール部」に社員として所属し、直接子どもと触れ合いながら、様々な体験をサポートするポジションについています。他にも食堂部や施設部、清掃部などがあり、約40人ほどが働いています。

 なぜこの職場を選んだかというと、元々子どもが好きで大学では教育を選考し学校の教師を目指していたことにあります。ですが、学んでいくうちに「自分なんかにつとまる仕事なのか?」と考えあらためるようになりました。子どもにある無限の可能性を学校で充分に発揮して社会に出ていってほしいのに、まだ自分自身が社会を知らなすぎると思ったんです。まず社会に出て色んな仕事をして、色んなことに挑戦してから先生になったほうが、子どもの可能性を引き出せる教師に絶対になれると思ったんです。

 

 「郡上八幡自然園」では幅広い内容の仕事が経験できます。しかも先生としてではなく、あくまでサポーターとして子どもと向き合えるので、子ども達が自分で気づいて学ぶ瞬間にたくさん立ち会うことができます。これこそが今の自分のやりたいことだと感じ、この仕事を選びました。

  そして、「郡上八幡自然園」で働くわたしの想いとしては、ここでは子どもたちに「ない」について経験してほしいと思っています。例えば、この施設は当たり前ですが、自炊の為のガスコンロはありません。自分たちで蒔に火をつけ、常火の管理をしないといけません。カレーを作ることも簡単なことではなく、汗をダラダラ流しながら蒔を入れ、みんなと協力しなければおいしいカレーを作ることはできません。

 

自分たちで蒔に火をつける

 

 

 こうした経験をすると普段の生活がよく見えてきます。スイッチを押すだけで火が出続けるコンロなど、普段意識しないようなものがどれだけ大切なのか、気づくようになると思います。また、家族と離れてみて、友達と協力して暮らすことを体験することで、周りの人の大切さにも気づいてほしいと思います。「大切なものは失くしてから気づく」といいますが、まさにそうだと思います。むしろ一度失くしてみないと気づけないもので溢れています。本当に大切なものを失くす前に、ここで疑似体験をして気づくきっかけになってほしいと思います。

 都会に比べれば「ない」ことが多いけれどその分、人同士の関わり団結が強くなります。「ないのならどうしたらいいのだろう?」と考える面白さも生まれます。子どものエネルギーは計り知れないものがあるので、わたしも時折びっくりするような考えや行動をとることがあります。それがとても面白く、わたしも刺激されます。

 

  近年では、ファスティング事業にも取り組んでいます。ファスティングとは、酵素ジュースなどで栄養を補いながら、短期間断食をする健康法です。ダイエットだけではなく、デトックス、体内リセットにも効果的です。ファスティングの専門知識を持つスタッフがサポートするので、始めてでも安心して行うことができます。ファスティングはどんな場所でも行えるのですが、なにも「ない」この自然園で行うからこそ、自分自身としっかり向き合うことができ、自然の持つエネルギーを最大限感じることができます。

 ファスティングの詳しい内容については以下のページをご覧ください(^^)

 ファスティング・ソロ・キャンプ

 郡上八幡自然園では一緒に働くスタッフも毎年募集しています。野外教育、食、ファスティングに興味がある、飛び込んでみたいという方、郡上に暮らしてみたい方、お待ちしています( ´ ▽ ` )ノ

 郡上八幡自然園

 

 

 さて、どうでしたか? 郡上市八幡町に行ってみたくなりましたか?そんなこんなで、ぼのは3月にかつおゲストハウスを卒業し岐阜県へ帰ってしまいます。ぼのと過ごした3ヶ月は、たった3ヶ月ですがスタッフにしか分からない大変さも経験し、かなり濃厚な期間になりました。ヘルパー最終日にはお気に入りの居酒屋へいって、高知ならではの魚介類をたっぷり食べて大打ち上げです!!

 最後に高知の印象を聞くと

 

「深く考えずに“おもしろいことしようぜ~~”って人が多くて、それに自然と人が集まってきて、その雰囲気が私はとても好きでした」

 

と答えてくれました。

 将来の夢についてもこう語ってくれました。

 

「何歳になっても常になにかの初心者でありたいですね。初心者って聞こえはカッコ悪いですけど、新しい世界に飛び込んでいく勇敢でとってもカッコいい人だと思うんです。だから常に新しいことに挑戦して経験を積んでいきたいし、たくさん失敗して学んでいきたいです。そして、いつかツリーハウス作りにも挑戦してみたいです。基盤の作り方や丈夫な組み方を学んで色んな人を巻き込みながらワイワイとやりたいです!」

 

というわけで、私にも夢ができました。郡上市八幡町へ、そして彼女が勤める「郡上八幡自然園」へいつか行くこと!! ありがとう、ぼの!! また世界のどこかで会いましょう♪

 

ぼの!! また世界のどこかで会いましょう

 

 

記事の感想送ると100ポイント進呈!
ポイント貯めてプレゼントGETしよう

いなかマガジンを読んだら「いなかパイプアプリ」へ感想をぜひお送りください。
アプリを下記からダウンロード→「お問い合わせ」へ感想を送信でOK!
ポイントを集めるとプレゼントがもらえます!

FacebookTwitterLine
顔の写真
安澤真希さんのプロフィール・記事一覧はこちら
    • かつおゲストハウスのヘルパー募集中!詳細はこちら

    • 前田真希