井仁の棚田へようこそ!

2016/05/20

 

 はじめまして。初めての投稿となります。トーマスこと友松裕希と申します。広島県山県郡安芸太田町にある「井仁の棚田」という場所で、地域おこし協力隊として活動しています。これから、「井仁の棚田」の魅力や活動などについて紹介できたらと思っていますので、よろしくお願いします!

 広島県山県郡安芸太田町は、広島市中心部から北西に60km、車なら一時間ほどで行ける位置にあります。人口は約6,800人、広島県内で最も人口が少ない町ですが、森林が地域の約9割を占め、恐羅漢山や三段峡など豊かな自然に囲まれています。四季折々、様々な自然が満喫できるので、「自然が好きで堪らない!」という人には、ぴったりな場所ですよ!

 

安芸太田町

 

 そんな私は、このような場所で過ごすのは、人生初めてで、冬の過酷さに、少し大変な思いをしましたが、頭の上から足の先まで、存分に自然の恵みを味わいながら贅沢な毎日を過ごしています。

 

 冬の過酷さ

 

 井仁の棚田は、何回カーブするの…?と行き先が不安になるくらい山道を登り、細いトンネルを抜けると辿り着きます。山に包み込まれたように水田が階段状に広がっている、まさに“ザ・棚田!”という感じの場所です。1999年農林水産省より、広島県内唯一の「日本の棚田百選」に認定され、町外の人にも評価されるようになり、観光客が訪れるようになりました。また、2015年にアメリカのニュース専門放送局「CNN」のWEBニュース特集「Japan’s 31 most beautifl places(日本のもっとも美しい場所31選)」に選出され、外国の方々にも知られるようになってきました。

 

井仁の棚田

 

 私は、この「井仁の棚田」の地域おこし協力隊となり、2015年6月から地域活性化をミッションにした活動をしています。3年前から、前任の協力隊が活動しており、私は二代目として、活動を引き継ぎました。

 今回は、どんな事を書こうか悩みましたが、いきなり難しい話を書くことはやめて、まずは私が約一年過ごし感じた井仁の四季について紹介したいと思います!私が井仁の魅力のひとつであると思うことは、時間や季節、天気によって、棚田の見せる表情が変わるところです!井仁の景色を眺めていると、嫌なことや辛いことを忘れさせてくれるような、気持ちがふっと軽くなるような気持ちにさせてくれる、そんな力が井仁にはある気がします。

 

 私が協力隊となった時、井仁は梅雨の時期に入り、ちょうど田植えが終わったころでした。また、毎年、田植えの時期の最後に、開催されている棚田体験会も終わり、ひと段落していました。棚田体験会とは春の田植えと秋の稲刈りを都市部の人に体験してもらう交流型のイベントです。17年続いています。田んぼの土の中に入ると、ひんやりして柔らかくて、とっても気持ちが良いんですよ。興味がある方は、是非ご参加ください!

 

 棚田体験会

 

 梅雨の時期は、井仁の入り口にあるトンネルを抜けると、霧が井仁を包み、なんとも幻想的な雰囲気です。雨が降ると、雨音とカエルの鳴き声が安らぎを与えてくれます。夏真っ盛りになると、太陽の光を浴びて大きくなった稲が風に揺れ、波打つ様子はとても涼しげです。夕方になると、虫たちが一斉に鳴きはじめます。この時期の昼間は暑いので、地域の人たちは、朝夕に畑仕事をされる方もいます。私も休耕田を借りて、畑をはじめました。土を耕したり、草刈りをしたり、地味な作業ですが、暑さも加勢して、ヘトヘトになりました。毎日、農作業をしている高齢の方々を見ると、本当に凄いことだと思います。

 

夏真っ盛り

 

 実りの秋になると、木々に栗やゆず、柿の実など、美味しそうな食べ物がなりはじめ、井仁を散策していると食欲がそそられてしまいます!稲も穂ができて、緑色から黄色へと一枚一枚、田んぼの色が変わります。最後には、一面が黄金の絨毯となり、一年の中で最も綺麗な景色となります。

 最近は、はで干し(天日干し)をする農家さんが増えてきたので、はで干しがされた棚田の景色もおすすめです。稲刈りの時期の最後にある棚田体験会が終わると、今年の米づくりは終了です。稲刈りが終わり、寒くなるころには、棚田は静まり返り、稲が刈り取られた棚田は少し寂しげな様子となります。

 

稲刈り

 

天日干し

 

 12月の終わりごろから雪が降り始め、雪が積もると棚田が真っ白になり、春~秋とは違った景色が広がります。井仁に続く道は凍結することもあるため、辿り着くまでが大変ですが、朝日が反射して白く輝く棚田は心を奪われます。私は、人生で初めて、雪が積もる地域で暮らすことになり、足がしもやけになってしまいました。冬の間は、生き物もおらず、地域の人たちも家で寒さをしのぐので、ひっそりとしています。

 

 雪が降り積もる

 

 冬の寒さが和らぎ、春が近づくと、草木が萌えはじめます。地面には、ふきのとうやつくしが顔を出したかと思うと、桜や水仙、菜の花などの花々が一斉に咲きはじめ、鳥や虫が動きだし、あっという間に春が到来します。毎年行われる井仁の源流から水を引く、数キロ続く長い水路の清掃を終わらせると、米づくりが始まります。

 今年の田植えのための水張りもほぼ終了し、田植えを待つばかりです。今年は、私も田んぼを借りて、田植えの準備を始めました。耕運機の使い方も知らない私ですが、ありがたいことに地域の皆さんが気にかけたり、教えてくださったりしてくれるので、なんとかやれそうな気がしています。

 

 春

 

 一通り、一年間の井仁の移ろいについて紹介しましたが、この井仁の素晴らしい景色を作っているのは、自然だけでなく、この場所で暮らしている人たちです。私は、井仁の魅力は、自然だけでなく人だと思っています。今後、井仁の人たちも紹介できたらと思っておりますが、まずは実際に訪れて、井仁の魅力を感じてみてはどうでしょうか?お待ちしております!

 

耕運機

 

 

記事の感想送ると100ポイント進呈!
ポイント貯めてプレゼントGETしよう

いなかマガジンを読んだら「いなかパイプアプリ」へ感想をぜひお送りください。
アプリを下記からダウンロード→「お問い合わせ」へ感想を送信でOK!
ポイントを集めるとプレゼントがもらえます!

FacebookTwitterLine