きてます!縄文!西会津!

2016/08/03

 

このプロフィール写真、何?

 

 はい、ご質問いただきありがとうございます!こちらは、土偶が「あ~、同じ態勢していると肩こるわ~」っていうイメージです。「なんでそんなことしているのか」ですって?よくぞ聞いてくださいました。ここ西会津町では、今「縄文」が熱いのです!!

 皆さま、初めまして。こんにちは。4月から福島県西会津町に移住しました、江田と申します。3月までは広島にいました。出身は栃木です。そんな私が、なぜ福島へ?さっそくですが、移住に至った経緯をお話しさせてください。

 

福島 西会津 縄文1s

 

 「正社員になるからには、定年まではその会社で働くという覚悟で入社してください。」

 

 内定をもらった会社に改めてそう告げられたのが、2016年の1月末でした。理解しているつもりではいたのですが、改めてそう言われると怯んでしまいます。これまで自由奔放に生きてきた(と思っている)私からすると、会社が求めているその覚悟は私の自由をすべて捨てて生きていくことのように感じてしまいました(全国の正社員の皆さま、ごめんなさい)。

 とは言え、他に行くあてがあるわけでもありません。学生時代はサークルの気球活動にはまりすぎて、さすがに博士課程まで教授は見てくれそうにはありませんでした。ゆとり世代万歳。

 

福島 西会津 気球活動s

 

 内定承諾書を提出するか否か悶々と悩んでいる時、偶然目に入ったのがある島で働く地域おこし協力隊の女性でした。地域の人と関わりながら地域おこしを仕事にしているその隊員が、その時の私には輝いて見えました。

 

「よし、これだ!!」

 

 善は急げということで、さっそく地域おこし協力隊のホームページにアクセスしてみました。そうしたら、思っていた以上に全国各地で隊員を募集しているではありませんか!任期は最大3年。その後のことは、働きながら考えれば良い。これまでも、行き当たりばったりの人生を送ってきたじゃないか。そしてやはり、趣味の気球を続けることができる環境が良い。

 

 時期も時期だったためか、ここまで条件を絞れば該当する募集地区もそんなに多くはありませんでした。その中で目にとまったのが、西会津町でした。西会津町では分野ごとの協力隊を募集していて、その時募集があった分野が「歴史・文化財」と「芸術・アート」でした。どちらも興味があるような、無いような…。

 いや待て、「会津」といえば幕末・明治維新の一舞台ではないか。実は私、新撰組・斎藤一の大ファンなのです。斎藤一といえば、新撰組の中でも特に会津と関わりが深く、最期まで会津に人生を捧げた人物。

 

福島 西会津 新撰組 齋藤一s

写真は、西会津町にある陣ヶ峰峠です。斎藤一をはじめとする新撰組隊士が、戊辰戦争の際に戦った地です。

 

 

 歴史は専攻してきたわけではなく、単なる趣味だったけど、いちかばちかやってみるしかない。そんなこんなで応募を決断し、必要な書類を提出。

 この時すでに、内定辞退の連絡済み。まだ決まったわけでもないのに…。そうしてトントン拍子に事が進み、無事に私は西会津町の地域おこし協力隊となりました。

 

「高速のインターがある。駅もある。コンビニもある。意外と便利そうなところじゃないか。」

 

 これが、私の第一印象でした。勝手に最初のハードルをかなり低く設定していたためか、田舎は田舎だが暮らす上では不便しないだろうと感じました。

 ところがどっこい、暮らし始めてみると、100均が無い、家電量販店が無い、リサイクルショップが無い、更にはマクド○ルドが無い、す○家が無いということを再認識することに。分かってはいたのですが、それでも…「なんじゃこりゃー」と叫びたくなることが何度か。

 

 しかしそれも、最初のうちだけ。「無くても良いか」と思うようになると、今まで身の回りにあった「無駄」に気が付くようになりました。わざわざ買わなくても、あるもので事足りたり代用が利いたりするものや、便利さに甘えて浪費していた自分の生活スタイルに気がつきました。これは良いきっかけだと考えなおして、田舎の生活を楽しむことにしたのです。その生活スタイルがあまりにも健康的すぎて、自分でも驚いています(笑)

 西会津町に暮らし始めてまだ数カ月ですが、少しも生活が嫌にならないのは、やはりこの町に魅力を感じているからだと思います。まだまだ発見の途中ではありますが、そのほんの一部を紹介します!

 

 まずは、田舎にはありがちな自然です。こちらに来て知ったのですが、飯豊山(いいでさん)は会津のシンボル。今年は小雪ということですが、他の山と比較するといかに標高が高いのかが分かります。ヨソモノの私でも、なんだかパワーを感じます。先輩隊員の横山さんに教えていただいた「幕の内」はオススメ絶景ポイントです!

 

福島 西会津 飯豊山s

 

 もうひとつご紹介したいのは、壊れかけの……橋です。写真では分かりにくいかもしれませんが、橋の崩落しかけている部分には松が生えており、一部では「奇跡の一本松」と呼ばれているそうです。この橋が、個人的には結構好きなんです!

 

福島 西会津 橋s

 

 そして、なんと言っても野生動物!私はまだテン(もどき?)などの小動物にしか出会っていませんが、猿や熊、カモシカも出るそうです。小学生の登下校時間には、元気な声とともにきれいな熊鈴の音が聞こえます。熊に襲われるのは御免ですが、野生動物がそんなに身近にいると思うとワクワクしますし、なんだか内なる野生本能が疼きます。

 先日ホタルを見に行ったのですが、ホタルが観察できるところは自然豊かで真っ暗なところ。私たちが行ったところも山の中で、夜は真っ暗でした。久々に見るホタルに興奮していた時…不意に「今、唸り声しなかった?」と誰かが言いました。「熊じゃない?」「え、嘘…」…ガサガサ…バキッ…「とりあえず車に…」車に乗り込んでクラクションを鳴らしてみたり、ライトをつけたりしてみるものの、その時の恐怖感といったら言葉にできません。ホタル観賞も命がけなのだと、実感しました。

 

 続いては私のフィールド、歴史です。西会津町には古い家も多く、蔵の中には古文書を始めとする昔の記録が残っていたりします。そして、昔からある家には各々「屋号」があります。恥ずかしながら、私はここで初めて「屋号」というものを知りました。また、ご年配の方々から聞く昔話は、大変面白いものです。

 そして、歴史の中でも日本史の中ではずーっと昔である「縄文」が、今のマイブームです。西会津町からは縄文土器が多数出土しており、復元されたものも沢山あります。

 いなかでの暮らしをしていると、私たちの原点「縄文」から学ぶことも多くあるのではないかと考えさせられます。「どんな暮らしをしていたのか?」「土器に描かれた模様の意味は?」「争いが無かったとも言われているが本当だろうか?」そんな答えのない自問自答をしているうちに、気がつくと縄文が気になって仕方ない自分がいました。そして冒頭に戻る。…恐るべし、縄文。

 

福島 西会津 縄文2s

 

 西会津国際芸術村では、現在「西会津・縄文土器展」を開催しています。9月4日までと長期間行っていますので、もし機会がありましたらお立ち寄りください。きっと「縄文」の持つパワーを感じることができますよ!(とPRも兼ねてみる)

 

 さて、話がだいぶそれましたが、私の西会津ライフはまだ始まったばかり。西会津町のことも、まだまだ知らないことばかり。何をどうやって地域おこしにつなげることができるのかを模索しながら、こののどかな町での暮らしを楽しみたいと思います!

 

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