やって来ました!!竹伐りのシーズン

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執筆者 小林恵子
所 属えん(縁)もたけ(竹)なわ

2016/12/02

 

 待っていました!!竹伐りシーズンが到来しました。竹伐りのシーズンがやってきました!!!

 竹細工に使う竹を伐るのは、10月から3月がよいと言われています。その時期に1年分の竹を伐りだします。この時期に竹を伐るのは、竹の水揚げが止まるからと言われています。その時期に伐った竹は、虫がつきにくく、竹の材質がしまっていて、使い勝手がよいと言われています。

 

竹伐りシーズン

 

 私の祖父母は岡山でお百姓をしていました。桃や葡萄、お米などを作っていました。自分たちの手で、山や田畑を守ってきておりました。高齢となり、自分たちでは山や田畑が守れなくなってきました。

 その結果、生命力の強い竹が広がり続けました。管理の行き届かない竹藪、いわゆる放置竹林が広がり続けました。竹藪ばかりが広がった結果として、森の生態系が崩れ、多種多様な動植物が森から追いやられました。その結果、イノシシなどの動物が森に餌がなくなり、山から民家のほうへ下りてくるなどのことがみられるようになってきました。

 

 約6年前、認知症になってから、祖母たちは、これまでは話さなかった竹藪のことを、何度も何度も話すようになりました。認知症であるが故に、言ったことを何度も何度も話します。そのため竹藪のことが私の頭にこびりつきます。「竹、たけ、タケ、take」、。私の頭の中も竹でいっぱいになりました。

 そのころから、私は、竹のことを習い始めました。日本人の竹の活用は、古く縄文時代にさかのぼります。縄文の遺跡からも、竹を編んだらしいものが残っていたそうです。日本人と竹との歴史は深く、これまで、竹は、建物、家具、かごやざる、お箸、竹炭など、さまざまに活用をされてきました。

 厄介者と思っていた竹も、実はおおきなおおきな地域のお宝であることに気づけました。

 

 牛窓竹伐りツアー

 

 そんな「竹」を活用すべく、先日は、「牛窓竹伐りツアー」 を行いました。

 牛窓は、岡山市南部にあります。瀬戸内の島々の眺められる、日本のエーゲ海と言われる海のきれいなところです。緑も豊かなところで、海の幸、山の幸に恵まれた、自然ゆたかなところです。観光地となっており、全国各地から、観光客が集まりますが、高齢化の進んだ地域でもあります。管理の行き届かない竹藪も多い地域でもあります。

 

 牛窓の、竹藪の管理に困っている友人のお家が、竹やぶを好きなだけ使ってよいといってくださり、有志と「牛窓竹伐りツアー」を行いました。

 観光名所である、京都の嵯峨野の竹藪は、管理が行き届いており、まっすぐにのびやかに竹は育っております。

 一方、管理の行き届かない竹藪は、竹が日の光を求めて縦横無尽に伸び、斜めになっている竹もあったりで、竹の上のほうが、枝や葉がからまっています。あまりに上が絡まると、竹を伐っても、上で竹が絡まり、倒れてきません。上みながら、竹の先端を、確認をしながら、竹が倒れてくれるよう、見計らいながら竹伐りを行います。

 

竹藪

 

 きれいな竹藪で観光名所になっております竹藪は、どれだけ手をかけて管理されているのか、身をもって知ることとなります。

 竹藪は、管理をしなければ、どんどん増え広がります。竹が群れ生えるることで、日陰がなくなり竹以外の植物は生えなくなります。管理がゆき届いていない竹藪がどんどん増えていくことは、森の生態系が崩れることにつながります。

 

 高度経済成長の前までは、森は人の手によって守られていました。高度経済成長によって、若い人は、町に働きに出るようになりました。その結果、山の守り手が減り、高齢化することで、これまで人の手でまもられてきていた山は荒れていきました。その結果、管理の行き届かない竹藪。いわゆる放置竹林が、日本各地に広がることとなりました。

 

放置竹林

 

竹を伐っていると、通りがかりのお散歩中のおじいさんから、

 

「ご苦労さん。うちの竹も荒れとる」

「なかなか管理ができんのんじゃ、伐ってくれたらええのになあ」

 

と言われました。竹の管理に困っていらっしゃるおうちは他にもあるのだと感じました。

 

竹伐り

 

 竹伐りもひと段落がつき、竹藪の近くにある、「牛窓オリーブ園」に行き、トワイライトタイムを楽しんで帰ってきました

 

 牛窓オリーブ園

 

 牛窓オリーブ園は、高台の上にあります。瀬戸内海の島々が眺められ、トワイライトタイム、夕日の落ちるサンセットがきれいなところです。地元にはよいところがたくさんあると、改めて感じた「牛窓竹伐りツアー」でした。

 

 操山ワンダーランド

 

 まらた、私は私の家の竹藪のある山ごとを楽しむイベントを、「操山ワンダーランド」と称して行っています。

 竹藪や森に親しんでいただきながら、森のことを少しでも知っていただけることを願って企画をしています。

 秋には、野点をしました。

 

茶筅

お茶は茶筅、茶杓、柄杓、花器など、竹と切っても切れない縁があります。

 

茶杓

茶杓をつくりました

 

 竹の花器

右端は竹の花器をつくりました

 

 

 日本人の竹とのつながりの深さを感じました。竹の種類 竹の肉厚。大きさ。自然素材であるがゆえに、さまざまの竹の太さ、大きさ色目、色合いがあります。竹によって風合いが変わってきます。自然素材であるからこその素朴な楽しみも感じました。

 本来は、お茶会の当日に、竹を切り出し、茶道具を用意するのが「おもてなし」とされていたそうです。

 お茶会の当日に竹を切りだして茶道具を作る。日本人のお客をもてなす心意気を感じられます。竹の茶道具からも、おもてなしの心を学びました。

 私は、前もって、祖母と竹の茶道具を作りました。

 

おばあちゃん

 

祖母にも「出番」と「役割」ができ、竹を通して世代を超えてつながりができましたこと。竹に感謝をしております。

 

お茶会

 

 地域にたくさんある竹藪です。少しでも、親しんでいくことで、森も守られていきますよう、これからも取り組んでまいります。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

竹

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