土佐町は”水どころ”として有名な場所です。町内には早明浦ダムという西日本で一番大きな規模のダムがあり、「四国の水瓶」とも言われています。また清流が流れ、町内各所で透き通った水の流れを見ることができます。
そんな土佐町では”水”が観光資源でもあります。
田舎では「観光名所がない」という悩みを抱えている地域も多いのではと思います。土佐町もまた、県外から人を招く際に「どこを案内しよう?」という問いがでてきます。確かに観光施設(ハコモノ)は少ない。でも、それがなくても十分面白いところがいっぱいあるのが田舎の魅力。
今回は、私が移住して2年、ここはすごい!と思った土佐町の水にまつわる秘境を写真とともにお伝えします。
1.アメガエリの滝
これは土佐町の名所として既に知られているスポットです。地元の人に「土佐町でオススメの場所は?」と聞くと答えによくあがってきます。
土佐町の中でもかなり奥地の瀬戸川地区にあり、早明浦ダムの上流にあります。アメガエリという名前の由来は、「アメゴも上れずに帰ってくる」からだそうです。
滝は、川沿いにある岩場の小径を少し登ったところから見れます。
川はこんな色をしています。
そして滝。
夏に県外から友人たちが訪ねて来てくれたとき、ここに案内しました。
みんな大喜び。夏だったので、そのまま服を脱いで滝の近くで沐浴させてもらいました。そのとき近くに観光客グループが一団体いましたが、岩場を挟んで遠くだったのでセーフ!
土佐町の中心部から車で1時間かかる場所にあるので、行くのは大変ですが、その分観光客があまりいないというのがまたいいです。友人はそこで滝行もしていました。
2.権現の滝
これは土佐町の中心部からまだ近く、車で15分くらいのところにあります。
私も今年に入って初めて見つけました。アメガエリの滝に比べて小さな滝ですが、隠れスポット感があるのでお気に入りです。
近くまで行ったら看板は出ているのですが、あまり観光スポットとしてはPRされていないようです。
滝へ続く小径の入り口には鳥居が。
こんな小径が続きます。
そして滝。
道路から少し距離があり、周りを岩山に囲まれているので、心静かに滝と向き合える場所。ふらっと散歩に行くのに手頃なスポットです。
※現在、滝の近くの橋が先の台風の影響で壊れており、渡るのが危険です。お子様連れの方は無理しないように!橋を渡らずとも滝は見ることはできます。
3.翠ヶ滝
最後にご紹介するこちらの滝が、私の本命です。つい先日知ったばかりのスポット。地域の方と出かけていた際、「滝が近くにあるから連れてっちゃろうか?」と言われ、案内してもらいました。
地図上では上記の権現の滝からそう遠くないのですが、看板もない、民家も少ない、山道をひたすら車で登っていきました。滝の手前に差し掛かって、やっと小さな看板が出てきました。途中から砂利道になり、車を降りて滝まで歩きます。
何やら「ドドドドド」という水音が聞こえて来る・・・。 徐々に見えてきたとき、目を疑いました。
デカイ!!!!!
(写真に人が写っているのがわかりますか?)
誰もいない!!!!!説明もない(笑)!!!!!
この滝は「裏見の滝」といって、滝の裏側から眺めることができるという滝。
歩いている上から水が降ってきて、崖下の川に合流しています。しぶきが飛んでくる。
かつては行者さんも訪れる場所だったようで、滝の近くには古い建物がありました。今は閉じられて中は見えません。人々の信仰が集まるのも納得です。
この日案内してくれた方によると、「地域の人でも見たことない人もいるんじゃないかな」とのことでした。また、私たちが案内して頂いた日は前日&前々日と雨が降った日で、この滝は「雨の後に来ると水量が増す」とのことでした。とても運が良かったようです。
※検索画像ではもっと水量は少なかった。
余談ですが、なんだかこの滝を見ていると、学生時代に行ったインドの滝を思い出しました。水量が激しくて神聖さも感じさせる場所。水音の他には何も聞こえない(聞き取れない)。観光客がごった返すでもなく、ただただ地域に守られてそこにある・・・・・・。
予想以上のスケールだったからなのか、目の前にバナナの木のような植生があったからなのか、記憶の中の異国と「今ココ」がリンクした瞬間でした。「今自分がどこにいるか」を忘れてしまうくらい圧倒的感覚。今回の滝鑑賞はそんな経験でした。
以上、マイベスト秘境でした。全て滝でしたね。もしかしたらこの先もこの地域で、びっくりするような風景を目にすることがまだまだあるのかも知れません。きっとあるのでしょう。
田舎の自然って、それくらいアメイジングです。