漫画家・横山隆一先生のもう一つの顔

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執筆者 安澤真希
所 属かつおゲストハウス

2017/07/10

 突然ですが、私はわりと「珍品」と呼ばれる珍しい物が好きです。好きといっても、何かを収集したりすることはないのですが、見たり聞いたりするのは大好きです。そしてたまにかつおゲストハウスに来る旅人さんが、お菓子や物などジャンルを問わず、珍品を持って来てくださいます。つい先日は、鹿児島の「イルカゲストハウス」のオーナーご夫妻が、日本では非常に珍しいタイの乗り物「トゥクトゥク」に乗って宿に遊びに来てくれました。
 

イルカゲストハウス

 

トゥクトゥク

 

 タイではポピュラーな乗り物なのですが、ここ日本では、さらに高知となるとそれはもう珍品中の珍品で、イルカゲストハウスのご夫婦いわく、街中どこを走っても熱視線を浴びてしまう、とのことでした(笑)そして私も、ちゃっかり保育園まで子どもの送迎をしていただきました。

 そんな!?いやそれ以上のとんでもない珍品だけを集めた高知の漫画家・横山隆一の珍コレクション展と、その関連トークイベント「やくみつるの珍宝談義」に行ってまいりました。場所はかるぽーと。

 

隆一珍コレクション展

 

 現代のコレクターことやくみつるさんが、友人である高知県出身の漫画家・佐古文男さんをコーディネーターに迎えて、自慢のコレクションについて語り合う、という何とも珍妙なイベントなのです。しかし、漫画家の村岡マサヒロさんや、小学館のアウトドア雑誌「BE-PAL」元編集長でもあった黒笹慈幾さんなどもお見えになっておりましたので、これは俄然、というより否が応にも期待値が高まってくるわけでございます。

 そして、これが実にバカバカしい(やくさん曰く、バカバカしいは最大級の褒め言葉だそうです)トークイベントでして、やくさんのコレクション自慢やそれにまつわるエピソードを惜しげも無く延々と披露するという内容なんですね。思わず目を疑う珍品もあれば、なぜそんなものまで収集するんだ…、という爆笑トークまで本当に楽しい談義でした。さて、一体どんな珍品が紹介されたのか、少し紹介してみましょう。

 
お笑い芸人のタバコの吸殻

 すでにマニアックなのですが、すごいのはその顔ぶれなんですよね。明石家さんま、ビートたけし、所ジョージ、坂上二郎、月亭八方、志村けん、ポール牧、爆笑問題……、よくぞここまで大御所芸人たちの吸殻を集めたものだとむしろ関心してしまいました。

トイレットペーパーの包装紙

 全国各地にレアな包装紙があるらしいです。なので地方に行った際などには必ずチェックをするのだとか。そしてやくさんの物好きぶりを知っているご近所さんからいただくこともあるのだとか。やくさんいわく、水は低きに流れるが、珍品は高きに流れるそうです。うーん、わかるような、わからないような…

黒柳徹子さんの皮膚

 やくさんが『徹子の部屋』に出演したとき、コレクションの話をしたら、なんと後日、『ストッキングがでんせんしたところをアロンアルファでかためたら、脱ぐとき皮膚ごとはがれちゃった』という理由で、黒柳さんご本人から送られてきたそうです。
 

 ざっと紹介してみましたが、いかんせんこのマニアックっぷり。私たちの常識や知識とはかけ離れた、そしてやや理解に苦しむようなものまでも収集する熱意が半端ないです。やくさん自身、常日頃から珍宝のために至るところで情報収集のアンテナを張っているそうで、少しでも気になる情報があれば、西へ東へとわざわざ「採取」しに行くそうです。そうでもしなければ、本当に珍妙なものには巡り会えないとのことです。なので、真の珍宝好きのもとには、同じく真の珍宝好きが必然的につどうのだそうです。類は友を呼ぶ、の典型ですね。なるほど、深い?と思います。

 そして、やくさんも尊敬する、ふくちゃんでおなじみの漫画家・横山隆一先生の珍品もまた凄いのです。

 

隆一GARA GARA

 

実は幼いころから収集癖があった横山先生。1949年から晩年まで、世界各地の石や著名人ゆかりの品々などを自ら収集していたそうです。まさかそんな一面があったとは!! 一覧で紹介すると、その珍宝ぶり、そして歴史の重みや変遷がありありと感じられます。
 

ベルリンの壁

 言わずと知れた、あの壁です。第2次世界大戦後、東西に分割されたドイツの首都・ベルリンで建設されたもの。こんなものまで取り揃えているとは、いやはや感嘆です。

1950年に焼失した金閣寺、から焼け出された金具

 今からおよそ70年ほどまえに実際にあった事件。いつ、そしてどうやって手に入れたのか、その経緯を考えるとなんだかおもしろいです。今だとおそらくダメ、ですね。

トキワ荘の壁のかけら

 ファンからすると、きっと垂涎ものだと思います。あの手塚治虫や石ノ森章太郎などがいたトキワ荘、の壁のかけらなのです。それを珍品だと感じて長きにわたり保管しておくその感性が素晴らしいですね。

昭和30年代に活躍した大関・琴ケ浜の「まげ」。

 これは「まっぴら君」で知られる漫画家の故・加藤芳郎さんから寄贈されたものだそうです。
 

 他にも、東大闘争(1968~1969)で安田講堂を占拠していた学生が被っていたヘルメット、の破片だとか、米アポロ計画で持ち帰られた月の石のかけら、冒険家・植村直己の足にできた豆だこ、などなど…、とにかくその珍宝の守備範囲の広さに驚かされます。こういったものが、実に700数点近くも展示されているのです。この域までくると、感心を通り越して、尊敬するレベルです。著作権の関係上で写真は割愛となるのが残念ですが… ぜひ皆さんその目で確かめてみてください!

 

横山隆一記念まんが館開館15周年記念
隆一 珍コレクション展 ~珍品・迷品・お蔵出し!~

■開催場所:高知市文化プラザかるぽーと内、まんが館企画展示室
■TEL・FAX:088-883-5029・088-883-5049
■開催日時:2017年4月29日~8月27日、9:00~18:00
■休館日:毎週月曜(7月17日は開館)
■観覧料:一般300円、団体240円、割引150円 ※高校生以下無料、団体は20名以上、65歳以上の方及び身体障害者手帳(1,2級)、療育手帳及び精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方とその介護者1名は割引料金で観覧いただけます。また、本展観覧の方は、常設展示を200円で観覧できます(一般410円のところ)
■主催:公益財団法人高知市文化振興事業団 横山隆一記念まんが館
 

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