タケノコシーズンの春にむけ力をつけてまいります!!
- 執筆者 小林恵子
- 所 属えん(縁)もたけ(竹)なわ
2017/04/07
岡山市でも、まだまだ寒~い毎日が続いております。各地のみなさんは、いかがお過ごしでしょうか??
私は、岡山市で、『~えん(縁)もたけ(竹)なわ~』と称して、竹薮を生かして、認知症の人の「居場所」と「出番」と「役割づくり」に取り組んでおります。
竹は、日本国内だけでも600種類以上、世界には1200種類以上の竹があると言われています。孟宗竹と言われる、中国から食用のために日本に入ってきた竹があります。日本で最初に孟宗竹が入ってきたのが鹿児島県であると言われています。その竹藪は今でも残っているとのことです。
孟宗竹が、一般に日本の市場で出回っている「タケノコ」となります。孟宗竹以外でも、淡竹や、青竹、も美味しくタケノコとして召し上がることができます。最近では、秋に採れるタケノコも出回っています。
私の地域は、食用のために、中国から孟宗竹を輸入してきたそうです。春のたけのこシーズに向けて、寒い間に、竹藪の整備も行います。今の時期、竹藪も力をつけております
竹の子の生えてくる竹薮は、日光がほどよく差し込み、人の手によって整備をされている竹薮であります。今年も、2月に山の整理をしております。
竹は節で空洞があるため、燃やすと空気が膨張をしてパンパン破裂します。
そのため、空洞に穴を開けて燃やしています。
話はそれますが、岡山は葡萄や桃が特産品となっています。葡萄の蔓を寒いうちに剪定をします。そして、秋の収穫の時期に備えています。
人の管理のゆきとどかない竹薮。いわゆる放置竹林となりますと竹が生い茂り、地面に光が差さなくなります。すると、竹の子の生えない竹薮となってしまいます。
生命力の強い竹薮は、地下茎を伸ばしていき、どんどん広がっていきます。竹は生命力は強いので、他の植物を追いやります。多様な植物が追いやられると、多様な昆虫、動物も追いやられます。結果、生態系の破壊をもたらします。
そのことを6年前、認知症になった祖母たちが、なんども何度も言うようになりました。
「竹薮が荒れてしもうとる」「山を荒らしたらおえん(いけない)」
認知症であるが故、何度も何度も言い続けます。
祖母たちは、お米を作り、桃や葡萄を作り、お百姓をしながら、山や田畑を守ってきていました。が、気がつけば、山は荒れ、私の小さいころの景色とは変わっていました。祖母たちが言わなければ、まったく気づけなかったことでありました。
その景色にぞっとしました。山が泣いているように思えました。
そんなに竹薮のことばかり言うのであれば、祖母たちと、活かしていけばよいのだ!!! と竹を活用する取り組みを始めることとなりました。
私は、竹細工を習い始め、祖母たちと竹製品を作ったり、竹製品作りなどのワークショップ、イベントの出店などを行っています。
2月の活動です。
笹茶づくり
2月には、竹の合間にでてくる小さな笹を詰んで、笹茶を作りました。
薫りがよい、とワークショップでは好評でした。引き続き、竹炭のクッキーと良い相性で、笹茶で温まりながら、ほっこりとした時間をすごすことができました。
ワークショップ
~マドラー作り~
ベーグル屋さんで、「竹でマドラーがあれば」とのお話をいただきました。ならば一緒につくりましょう。とのことで、3人で作りました。
マドラーひとつとっても、さまざまなアイデア、さまざまな形ができました。いろんなおしゃべりをしながらの楽しい時間となりました。
世界にひとつの品。さまざまな個性が光りました。手づくりの暖かさを感じた時間でした。
~バターナイフ作り~
大人7人ご参加をいただきました。さまざまなバターナイフができました。ワークショップを通じて、森のこと、竹のことを知っていただける機会となりました。
~バターナイフ作り 第二弾~
~竹ビーズのアクセサリー作り~
祖母の磨いた竹ビーズを使って、ブレスレットやネックレスなどを作りました。いろんなアクセサリーができあがりました。
ちびっ子たちのお母さまたちから、お手紙をいただきました。祖母は、お礼のお手紙に、感激をしておりました。
祖母、磨きに磨いておりやす。
~トレッキング 竹薮のある山ごとを楽しみました~
山に親しむことで、人間は、自然の中で生かされている存在であることを再認識をさせてくれます。その大事な自然ではありますが、これまでは人の手によって守られてきた山も、人の手が入らなくなり、山の生態系が崩れてきていることを、祖母たちが気づかせてくれました。
さまざまの多種多様の動植物、昆虫、微生物が織り成し有機的につながり森は生命力を保っています。それぞれの命があってこそ、自然は有機的に働いているのだと感じられます。
人間の世界も同じで、若い人、老いた人、子ども、男性、女性、病気の人、障がいのある人。さまざまの人がいて、有機的につながっていくことが、それぞれのよりよい人生につながっていくことを感じています。自然界も、人間の世界も、それぞれが断絶しつつあるように感じていいます。
竹を通して、祖母は、いろんな人とつながりました。ゆるやかな、暖かなつながりができました。竹ビーズでは、3歳のちびっ子から、そのお母さまたち。さまざまの人とつながり続けています。
結果、祖母の生活に彩りができ張り合いができました。森のことをチビッ子たちに知ってもらえる機会ともなりました。また、出番や役割ができることで、元気になってきました。「おばあちゃん元気?」と気にかけてくださる方が増えます。
是非うちの竹やぶを使ってほしい
ご縁も広がります。介護は孤立しがちだと思っていましたが、竹のおかげで人とひと、人と自然とのつながりができました。介護が必要になったからこそ、いろいろなことを祖母と話す機会が増えました。そうでなければ、竹藪のことも、竹のことも、遠い世界のことでした。
いなかには、足元にお宝あり。今では、そう思えます。
山や森の生態系と同じで、人の生活も有機的につながることで、より豊かな、人間らしい生活になることを感じています。
竹を通して、いろんな世代の交われる場をこれからも作ってまいります。微力ではありますが、これからも精進をしてまいります。
これからも、どうぞご指導をよろしくお願いいたします。