井仁の棚田を飛び出して
2017/07/26
- 執筆者 友松裕希
- 所 属安芸太田町地域おこし協力隊
井仁の棚田では、恒例の水路掃除があります。今年も、井仁に住む方々と親戚の方が集まり、米作りに必要な水が流れるように水路の掃除を行いました!
私は、協力隊として活動して、今年の6月で3年目となります。私の担当地域は、井仁の棚田という町内でも、ほんの小さな集落なので、いろんな地域に行って活動している協力隊に比べて、地域との繋がりをもつ機会は少ないです。
特に最初の一年は、井仁のことを知り活動することが第一だったので、活動の範囲は狭かったのですが、2年目になると地域から飛び出して繋がりを持つ機会が増えてきました。
ひとつは、「安芸太田町フォトクラブ」です。メンバーは、町内に住む10名程度で構成、貴婦人が多いので、年齢層はふせておきましょう。
長い間、写真を趣味にしてきた先生を中心に、安芸太田町、もしくは近隣の中山間地の自然や行事を撮影し、それぞれの写真を品評しあうというものです。月に一回、撮影会と作品の品評会があります。
このクラブに入ったのは、井仁の棚田の自治会長が参加していて、よく棚田の写真を撮っている私を誘ってくれたのがきっかけでした。
品評会は、各メンバーが撮ってきた写真を数枚並べて、投票による上位の選定と先生の講評があります。選ばれた10点は町内の施設に飾られます。
私は井仁の棚田を中心に、町内の写真を撮って向かうのですが、数年間クラブに参加して、カメラの腕を上げたメンバーの皆さんの写真はどれもレベルが高く、まだまだ勉強が足りないなぁと思うことが多いです。
フォトクラブに参加して良かったなと思うことは、情報発信にとって大切な写真撮影のスキルアップになることと、参加される方々は、町内の様々な地域に住んでいるので、自分が知らない美しい風景は、新たな町内の魅力を知るきっかけになります。
カメラを使って被写体を写真におさめようという視点は、観光の点とは違った視点なので、とてもおもしろいです。
もうひとつ参加しているのは、「ファシリテーション勉強会」です。昨年、安芸太田町でファシリテーションを学ぶ住民講座が開かれたことがきっかけにあります。
ファシリテーションに手ごたえを感じた町内の有志で、地域や自分のまわりの困り事に対してファシリテーションを取り入れ、安芸太田町をより良い地域にしていこうと、技術や考え方を学ぶ勉強会を定期的に行うことになりました。
口座で学んだことを復習することから始まり、実際にテーマを出して、ファシリテーションによる話し合いを行なったりもしました。その中で、
「井仁の棚田でパブリックビューイングをしたい!けど、どうすれば実現出来るか?」
というテーマがあがり、井仁に住む方を交えて、話し合い、実現するに至りました!
最近では、行政が町民の意見を取り入れる場で、勉強会のメンバーがファシリテーターとして参加することもありました。あと少しで勉強会が開かれて約30回目となり、徐々にファシリテーションが町内に広がりつつあるようです。
これらのグループは、もともと町内にあったものや、住民の方が自主的に呼びかけてできたもので、私はひとりの参加者です。地域おこし協力隊のような活動をしていなくても、町内には、地域に愛着をもって、自分たちの出来ることをしようと、取り組んでいるということを知る機会になりました。そして、自分もその輪の中に加わり、地域おこし協力隊という立場を越えて、ひとりの住民として取組みたいと思いました。
他にも町内には、自分たちが住む地域がより良くなるように活動しているグループや取り組みはありますが、わたしの身体はひとつなので、全てに加わることはできないことが残念です。泣
しかし、そういった取り組みができて、地域がもっと盛り上がっていくことになれば楽しみです!