はたき作り ~「竹」の恵みに感謝です~
- 執筆者 小林恵子
- 所 属えん(縁)もたけ(竹)なわ
2017/09/08
重複する自己紹介ではありますが、自己紹介をさせていただきます。
私は、岡山市で、~えん(縁)もたけ(竹)なわ~と称し、竹藪を活かして認知症の人の「居場所」と「出番」と「役割」作りに取り組んでいます。
これまでお百姓であった祖母たちが、足腰が弱り、農業ができなくなり、これまで自分たちで守ってきた山が荒れ、管理が行き届かない、いわゆる放置竹林が増え広がりました。放置竹林は、生態系の破壊をもたらし、深刻な社会問題であることを学びます。
私は、恥ずかしながら知らないことばかりでした。人の手によって森は守られてきたこと、代々守ってきたこと。高度経済成長によって、若い人は町に働きにでるようになり、森の守り手が減ったこと。結果、生命力の強い竹は広がり続け、管理の行き届かない竹藪、いわゆる「放置竹林」が広がり続けてきたこと。
祖母たちが憂うるのも、もっともだと思いました。
竹を使うことは、森を守ることにつながることも学びました。祖母たちが、そんなに「竹」「竹」言うのなら、生かしていこうと取り組んでおります。
齢90歳になる祖母は、若いころはお米に葡萄に桃に縫製にキムチにお味噌に、器用なんでも作っておりました。
90歳になった今では、なんでもすぐに忘れてしまったこともあり、手先もかつてのように器用ではなくなっており、できることも限られております。祖母のできることをと思い、「はたき」作りに取り組んでおります。
最近では、はたきを使わなくなり、使い方をなど知らないかたもおられることと思います。「はたき」のご紹介をさせていただけましたら幸いです。
ウイキペディアによりますと、
はたきとは・・
「積もった埃を除去するときなどに使われる。使用時には窓を開ける。埃は拭き取るのが望ましい。布団叩きのように激しく動かして埃を立てて除去するのは好ましくない。床に落ちた埃は、あとで箒で掃きとる。
また、用もないのに店に長居する邪魔な来店者(主に書店での立ち読み)への威嚇にも使われていた。店主もしくは店員は掃除を装いながら客の顔先でハタキを激しく動かし、来店者に居心地の悪さを感じさせて店から追い出すことを目的としている。こうしたシーンは、『ドラえもん』などをはじめとする漫画作品でもよく使われている。」
とあります。
はたきは、細い竹の先に、いらなくなった布をつけ作る、エコな掃除用具です。
基本、軽いほこりを落とすのに日常的に使います。また、水分をつかえないところ、本棚や雑巾を使うには入り組んだところなどの掃除などに重宝します。障子だけではなく、掃除のしにくいブラインドのお掃除にも重宝いたします。
置物などは、やさしくはたきではたいてあげてください。ほこりをはたいた後は、ほうきや掃除機などでほこりをお掃除することで、部屋の空気はぐんと綺麗になったと感じられます。はたきは、日々こまめにほこりをためないために使えます。
かつては、たいていのご家庭に障子があり、障子の枠のほこりをとることなどに重宝をしていました。汚れたハタキは、やさしく手洗いし、手で絞った後に手洗いし、乾かしたら、また使うことができます。どうしても汚れてしまった場合は、布をとりかえることで、また使うことができます。
竹は強くてしなやか。
私の家には、何十年も使っているはたきがあります。(布は何度もとりかえております)リユースできます、エコな掃除道具であります。
掃除をすると、気持ちがすっきりします。家の中の汚れやほこりをとることは、風水的にも開運につながるそうです。運気アップのためにも、はたきの活用をおすすめしている日々です。
生活の西洋化により日本家屋が少なくなり、障子のあるお家が減りました。また、化学繊維の普及により、はたきにかわる掃除用具がでてまいりました。私も御多分にもれず、はたきにはご縁のない生活を送っておりました。
数年前、「はたきがあれば便利だ」と言ってくださる本屋さんがおられ、はたき作りをするようになりました。私自身はたきを実際に使うようにもなりました。
はたきで掃除をするようになり、すっきり感を大きく感じます。これまで掃除の行き届かなかった手のとどきにくい、高いところまで。また、細かいところまでほこりをはたくことができます。
改めて、日本人の生活の知恵を感じられています。
はたきは、なかなか最近では出回っておりません。が、あると重宝する掃除道具であります。
市場に出回っていない、希少なものを作っているということからも、祖母は張り切ってとりくんでおります!!!
「出番」と「役割」があると、90歳となり、さっきのことをすぐに忘れてしまう祖母ではありますが、たいへんな励みとなり、日々取り組んでおります。
地域に、「竹」というお宝があり、祖母たちの仕事ができていること。いなかの「お宝」に感謝をしている日々です。
以前、四万十ドラマで企画されていた「いなかビジネスおしえちゃる」というセミナーに参加をさせたいただける機会に恵まれたことがあります。
その中で、地域のものをより良いものにするためには、その地域の歴史を知ることが大切であることを学ばせていただきました。当時、私は地元のことも、歴史のことも身近すぎて、あまり知らないし、わかろうともしておりませんでした。
まずは、自分の足で歩き、図書館などで自分で調べることで、身につくのだということを教えていただきました。
竹藪は、岡山市中区にある「操山(みさおやま)」いう山にあります。操山は、人気のトレッキングスポットでもあります。気候もよくなり、自分の足で歩いております。
岡山南部は、温暖な気候に恵まれ、遥か古墳時代から栄えておりました。操山は、丘ともいえるようななだらかな山であります。
身近すぎて、あえて知ろうとしていない地元の歴史です。けれども、知ることで、地元により愛着がわきます。
祖母の憂えていた放置竹林のある山でもあります。地元のものを、もっと大切にしていけたらと思います。歴史の深さもシェアしていけたらと思います。
長文をお読みくださり、ありがとうございます。これからも、いなかのお宝「竹」と共に、たけだけ(竹竹)しくまいります。
これからも、どうぞご指導をよろしくお願いいいたします。どうぞ、ますます楽しい日々でありますよう。
~ えん(縁)もたけ(竹)なわ ~
赤西 恵子