ユニークなアイディアで攻めている!ほくほく線が面白い!
- 執筆者 福嶋美佳
- 所 属特定非営利活動法人地域おこし
2018/02/13
こんにちは~。NPO地域おこし 福島です。
突然ですが、都会では日常的に使っていたけど、いなかに来ると途端に使わなくなるものって、なんでしょう??
人それぞれ答えは違うかもですが、私は「電車」です!
東京に住んでいたころは、通勤は電車だったので、ほとんど毎日のように電車に乗っていました。
しかし、十日町に移住してからはめっきり車での移動がメインになり、電車に乗るのは年に数回程度。遠出する時、例えば大阪の実家に帰省する時や、時々東京や新潟市に行く時くらいです。
市内や近隣の市に行くのなら、断然電車より車の方が便利ですからね。
電車を使う人が減れば、自然と電車の本数も少なくなってしまい、基本1時間に上下1本ずつしか電車は走っていません。そして車両も1~2両だけ…笑。
地方の鉄道会社にとっても過疎化は大きな問題だと思いますが、日本全国見渡すとユニークなアイディアで頑張っているローカル線も多いですよね!
有名なところでは、「和歌山電鐵株式会社貴志川線」の猫の駅長とか。父親の実家が和歌山県なので、私も以前行ったことがあります!
猫の駅長に、可愛らしい駅舎に車両。訪れたのがゴールデンウィークということもあり、観光客の方が大勢来ていて驚きました!
十日町のローカル線「北越急行株式会社ほくほく線」も、なかなか面白い取り組みを数多くしているので、紹介したいと思います!
1.幸せが訪れる!? ハート形つり革
なんと、ほくほく線を走る12両のうち、たった1両の1か所だけに「ハート形つり革」があるんだそうです!!
ピンク色の可愛らしいつり革。残念ながら私はまだお目にかかったことがありません…。
それもそのはず。このハート形つり革、時々別の車両に付け替えがされているそうで、北越急行の社員でさえも「どの列車に使われるかわからない」という、超超超レア物です。
見ることができたら、一日ハッピーな気分になれますね♪
2.トンネルの中でも退屈しない! ゆめぞら
ハート形つり革は2014年からの取り組みだそうですが、それよりも前からやっているのが「ゆめぞら」という電車です。
ほくほく線って、とにかくトンネルが長くて多いんです。路線の長さが約60キロメートルのうち、約40キロメートルがトンネル。路線のうちの約7割がトンネルっていう…。
私がよく利用する、十日町~六日町の区間の間には一番長い赤倉トンネル(約10キロメートル)があり、とにかくトンネルが長い!!
トンネルを通ってる間は携帯は圏外になるし、外は真っ暗だし…。正直退屈です。
そんなトンネルを楽しくしてくれるのが「ゆめぞら」です。
日本初のシアター・トレインで、車両の天井部に美しい映像が映し出されます。結構な迫力で、見ごたえがありますよ。毎週日曜日に運行されています。
3.ウサギもいれば、カメもいる??「超快速スノーラビット」「超低速スノータートル」
ほくほく線では、いわゆる「快速電車」として、1日1.5往復(上り1本、下り2本)「超快速スノーラビット」が走行しています。
(乗車券だけで乗れる電車としては、日本で一番早いらしいです)
「ウサギといえばカメだよね」という車内での冗談から誕生したという、「超低速スノータートル」。
イベント列車として走行されていて、2015年11月の走行時は10km/h以下の低速で走って、難工事だった鍋立山トンネルを見学したりしたそうです。
時速10kmって、ちょっと本気の自転車よりも遅いスピードです。じっくりトンネルを見学できて、電車好きにはたまらなそうなイベントです。
夏にあった2回目のイベントは、申し込み開始から4日目で定員50名の申し込みを超えるという超人気ぶりだったようです。「ゆめぞら」同様、トンネルという不利なものをうまく活用している、すばらしい取り組みだと思います。
4.電車の中でパンが買えちゃう! 「ナナシのマルシェ ほくほく列車の市」
十日町市のお隣、六日町市の有志グループが、年に2回北越急行と共催でイベントを開いています。
イベントの目玉は、なんといっても「パン列車」!
複数のパン屋さんが電車の中でお店を開き、パンを売るという斬新な企画です。電車の中以外にも、駅のコンコースや駅前でも出店があり、とても賑やかです。
先日イベントがあったので、遊びに行ってきました!
普段はガラガラ(失礼!)の駅のコンコースに、たくさんの出店とお客さんがいました。
聞いたところ、パン列車は大人気で、入れない人もいたそうです。何駅かまわるのですが、途中でパンが売り切れてしまったとのこと。
米どころの新潟県ですが、みんなパンが大好きです(笑)。十日町市には、店舗をかまえるパン屋さんがなぜか少ないので、余計においしいパンに飢えている気がします…。
主催者の方とお話したところ、北越急行の方は本当に柔軟なのでいつも助かっている!とのこと。
きっと北越急行側も電車や駅の利用者数が増えて、お互いにとってよい企画だと思います。
5.これからも「ほくほく線」から目が離せない!
このように、トンネルという良さを活かしたり地域の団体と組んだり、本当に柔軟な活動をしていて大変面白いです。
他にも佐川急便株式会社と組んで、旅客列車に貨物を積み込んで輸送する「貨客混載」事業をしていたり、と様々な取り組みをされています。
ローカル線が生き残っていくためには苦労も多いだろうと勝手に推察していますが、公共交通はやはり大事ですのでこれからも頑張っていただきたいです!
おまけ
ポケモンGOが配信開始した頃に、十日町駅で見かけた立て看板。
こういう注意喚起の仕方、イケてます!