高知初の「古本市」

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執筆者 安澤真希
所 属かつおゲストハウス

2018/03/12

 高知で初めて開催されるイベントがある--。
 とある日、旦那さんがめずらしく熱弁をふるっていたので話を聞いてみると、「第一回古本まつりと一箱古本市」なるものが、はりまや橋商店街で開催されるのだとか。
 これは興味をそそられる!
 
 高知では日曜市を代表として、火曜市、木曜市、金曜市、または土曜日のオーガニックマーケットまで、なにかと街路市が多いように思いますが「古本市」は今までありませんでした。
 しかし、東京や名古屋では、この一箱古本市はベーシックなイベントらしく、わざわざ県外から足を運ぶ人もいるそうです。
 
 そしてこの古本市、高知県古書籍商組合・加盟店と、以前にも紹介したうずまき舎さんの掛け合いのもとで発足したイベントであるため、ふだん目にすることのない良書が豊富にあるはず。と思い、今回、家の中に眠っていた古本たちを旦那さんが出店するとのことで、私も同行してみることに。

 

一箱古本市
多くの人でにぎわう「一箱古本市」。高知では初開催。

 

 商店街は想像以上の人出でした。Twitterやフェイスブック等で情報こそ掲載していたものの、大々的な宣伝はされていないにもかかわらず、どこからともなく人の波が出来ていて、みなさん真剣な眼差しで古本を見入っていましたね。かくいう私もその一人。掘り出し物がないか、隅々までくまなくチェックします。
 
 この一箱古本市、魅力はやはり、膨大な古本の数と、出店者によって本の内容が違うということ。懐かしい本もあるし、絶版になった本もあるし、いつの時代か定かでないモノクロのアニメや漫画もあるし、マニアにはたまらない一冊がどこかに眠っているんですよね。
 で、そのピンポイントの本を手に取ったら、かなりの高確率で出店者の方から話しかけられます。
 
出店者「その本、ご存じなんですね?」

私「知ってます! 懐かしい。この古めかしい感じがいいんですよね~」

出「あ、それわかります~。あと、これなんかもその当時の面影があって…」

私「なるほど~。これもイイですね~」

出「これも同じ作者なんですけど、あんまり知られてないんですよね~」

私「あ、これ知ってます! それってたしか、かくかくしかじか…」
 
なんて声が、商店街の方々から聞こえてきます。
 
 後に、出店した旦那さんも言っていたのですが、本好きが集まるイベントだから、何も言わなくても、自然と出店者とお客さんの交流が生まれるのだとか。
 古本を売ることが目的というより、同じ古本好きが集まって交流を楽しむことが、このイベントの隠れた裏テーマであり、醍醐味でもあるようです。なんだか、年に一度のコミックマーケットの小規模版みたいな雰囲気です。
 たしかに、商売そっちのけでお客さんと話し込んでいる光景が数多く見受けられました。この点が、普通の食品や衣類などの出店とは大きくちがうところかもしれませんね。
 
 そしてこのイベント、古本好きであれば、出店料さえ主催者に支払えば、だれでも参加可能なのです。今回、旦那さんが出店の際に準備したものがこちら。

・参加料1,500円
・筆記用具
・電卓(スマートフォンでもok)
・釣り銭(フリーマーケット形式なので多く必要)
・袋類(売れた本を入れるため)
・展示備品(シートやブックエンドやブックスタンド)
・折りたたみ椅子

あとは、机や籠、おしゃれなアンティーク調の家具を持ってきている人もいました。
 販売するのは、あくまで古本が主体ですが、コミックや古本に関連する雑誌や音楽CDや、手作りのクラフト雑貨や家具などの出品もOKとのこと。

 

販売スペース
1,5m角の販売スペースを設えます。茣蓙があるとかなり便利。

 

旦那さんのスペース
旦那さんのスペース。100円~500円の本が多かったのですが、夕方ともなると、その半数以上が売れていました。古本とともに、ちゃっかり宿のかつおハットでプチ宣伝しています。

 

 そして、値段設定も出店者の自由なのですが、売りたい値と、実際の商品価値とのバランスをとりつつ、良い塩梅で設定しなければなりません。
 最安は無料のもの、あるいは10円から、高いものでは1万円以上する古本もありました。でも見る人から見れば、それも価値あるものらしく、意外なことに、高価な古本がどんどん売れていました。

 

税込み100円~200円
こちらの本たちは、すべて税込み100円~200円。いちばん人が多く、レジは多いときで10人くらい並んでいて大盛況でした。

 

70~80年代のレコード盤
70~80年代のレコード盤。これも一定の世代からは需要ありのものです。

 

 昼からは、東京・不忍ブックストリート代表で、ライター・編集者でもある南陀楼綾繁(ナンダロウ・アヤシゲ)さんを招いて、トークショーも行われました。
 南陀楼さんは、「町を歩いて本のなかへ」や「一箱古本市の歩きかた」など、古本に関する書籍を多く出版するほどの無類の本・古本好き。全国各地で開催されるブックイベントや古本まつりに関わり、さらに自身も一箱古本市を出店するなど、「一箱本送り隊」呼びかけ人として、第一線で活躍されています。
 その熱量も相当なもので、たまたま旦那さんと販売ブースが隣同士だったこともあり、私がつけいるスキもないほどに延々と古本の魅力について語り合っていました。ました。
 
 高知では今回が初めての開催だった「第一回古本まつりと一箱古本市」。土日の開催、そしてはりまや橋商店街での出店ということもあり、客足は終始途絶えることなく、多くの人で賑わっていました。
 これが第二回、第三回とつづいていき、高知でもスタンダードになればますます古本文化が高知でも広がっていくのではないでしょうか。
 
 最後に、早速、次回古本祭りの情報がupされましたので、お知らせしておきますね♪
 今回の開催場所は五台山公園展望台! 気持ち良さそうですね♪ ぜひ足をお運びください~

 

春のふるほんまつり

 

春のふるほんまつり

■日時/2018年3月31日(土)、4月1日(日)10:00~17:00 ※4月1日は16:30閉場

■場所/五台山公園展望台

■主催/高知県古書籍商組合 088-855-6374(ぶっくいん高知)

 

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